仮想高校

お久しぶりです。

N高の3期目の入学式が今日話題になっていたましたが、3年目の新入学生は2800人になったようですね。昨年度が2000人だったので増えています。これは通学コースへの舵取りが奏功した結果といえるのではないでしょうか。

さて、本日のタイトルを「仮想高校」にしたのには意味があります。

3年前にN高の設立を知った時、日本の高等教育のあり方が近い将来激変することが容易に想像できました。
N高等学校という教育革命」ブログを立ち上げたのも、学校教育の現状に溢れている無理と無駄を少しでもなくしたいという思いからでした。

ブログを始めた時から僕が伝えてきたこと。それは日本には普通の学校とN高の2つの学校しかないということ。そして近い将来、日本の高校はN高に集約されていくこと。それほど N高のコンセプトには革新性がありました。

N高の出現により、始まったばかりの教育革命ですが、まだまだ私のイメージする世界観からは程遠い現状にあります。そんな中、私の頭の中には既に、N高の次の新しい教育システムが見えてきています。

それが「仮想高校」です。

私のクライアントに超進学中学に通う学生さんがいます。(以下K君)新中3になる彼は、東大に毎年80名程度合格者を輩出する学校内でトップ10、数学においては常にトップ3に入っています。ほっておいても東大には合格するはずです。またテニス部に所属していて、実力は市大会シングルス優勝レベルです。

正に文武両道のK君ですが、中学卒業後は現在の超進学校を自主退学して、新たにN高への入学を予定しています。

K君の現状を大まかに。

①大好きな数学を極めたい。
学校の授業レベルが低すぎる
②テニスで全国大会に出場したい
部活のレベルが低い、練習時間が短い
③帰国子女クラスの子には英語力が歯が立たない
④プログラミングは未知の世界。でも必要性を感じている

現在通っている学校の高等部へ内部進学すれば

①学内トップは維持できるが、数学オリンピックで上位入賞は難しい
②テニス部内トップは維持できても、全国レベルからは更に乖離していく
③受験向けの英語力は伸びていくが、真の英語力養成には不十分。帰国子女との英語力の格差はさらに拡大していく
④進学校特有の受験向けのカリキュラムにより、プログラミング学習のための時間は創出できない

つまり、中学3年間をコピーしたような高校3年間が約束されているのです。

自主退学してN高生になれば

①鉄緑会で数学を受講し、国内トップレベルと切磋琢磨。数学オリンピック金賞を狙う。
②名門テニススクールの受け放題クラスを受講。
最先端の指導を毎日受け、全国レベルを目指す
③高1の半年から1年間はフィリピンへ語学留学。
この時期に本物の英語力4技能を確立することで、海外の有名大学進学レベルを目指す。
④N高のプログラミング無料課外授業とUDEMYのプログラミング関連講座を片っ端から受講する。特技と呼べるレベルまでプログラミングスキルを向上させる。

上記の2つの進路を比較してわかるように、今の学校に通い続けるメリットはなにもありません。せっかく合格した進学校を退学するのは世間では勿体ないと考えがちですが、実際は残るリスクの方がはるかに高いのです。

交友関係も心配はいりません。
中学時代に築いた交友関係は、SNSの時代においては通学していなくてもなくなりません。放課後や休みの日に会うこともできますし、毎日スマホで繋がっています。

むしろ学校をやめたことで、やめた学校の仲間からは一目おかれる存在になるでしょう。また、名門テニススクールや海外留学などの新しい世界に飛び込むことにより、国籍や年齢に囚われない新たな人間関係を構築するチャンスにもなります。

高校時代に武器を持て

N高に行くことによりK君が手にする武器は、

●全国レベルのテニススキル
●学年上位レベルのプログラミングスキル
●数学は全国トップレベル
●英語力は帰国子女に肉薄
●国籍年齢を問わない人間関係
●ファーストペンギンとしての成功体験

楽しい未来が見えませんか?

どうしてN高いかないの?

これらの武器が威力を発揮し始めるのは、高校卒業後。大学生活、就職、起業、結婚、人生の様々なシーンであなたの助けとなるはずです。

例えば、ある学生が、今話題の筑波大准教授の落合陽一氏の研究室に入りたいと希望したと仮定します。残念ながら入学時の成績がどれだけよくても入れません。彼の研究室に在籍する学生はAO入試か高専出身者ばかり。武器を持つ即戦力の学生が求められているのです。

今いる学校の高等部に内部進学したK君では研究室に入れてもらえませんが、N高経由で武器を持ったK君なら研究室に入るチャンスは充分にあります。

採用する側の視点で考える習慣が大切

「君は何ができるの?」

採用のステージで問われているのはこれだけです。

入学試験に何番で合格したのか採用者にとってはどうでもよいのです。

受験勉強だけ頑張って筑波大にトップ合格した学生と、プログラミングオリンピックで金賞とりました。東大も受かりましたがこの研究室に入りたくて筑波大にきました、という学生のどちらに落合陽一氏は魅力を感じるでしょうか?

今の時代、受験そのものに価値を感じる学生の価値観や判断力は採用市場においては、むしろマイナス評価になるのです。

このように、N高の教育システムは、生きる力(武器)を獲得するのに最適なのです。

ただ、いくらシステムが優れていたとしても、その価値を人間側が理解していなければ絵に描いた餅にすぎません。

前置きが長くなりましたが、ここからが本題です。

そこで、「新・教育革命」です。

新・教育革命は私の提唱する「仮想高校」の出現からはじまります。

「仮想高校」を考えついたきっかけは、現在、N高が現在、経営資源をフォーカスしている通学コースにあります。今後も拡大していきそうなこの通学コースですが、僕自身は全く魅力を感じていません。当然周りにもすすめていません。

せっかく素晴らしいコンセプトでスタートしたN高なのに通学コースが主流になるなら普通の高校に近くなり、教育革命からは離れていきます。

先程、紹介したK君も、来年からはN高の学生になると思いますが、通学コースには通いません。

理由は拘束時間が長いから

「拘束時間からの解放」をコンセプトにしたN高に拘束されるというのはおかしな話ですが、N高通学コースを選択した生徒は、普通の高校に通う生徒と同じく、学校に長い時間拘束されることになります。毎日朝早く起きて通学し、長い授業を受けて夜に帰宅する日常の繰り返し。

あれ?

おかしくないか?

生徒獲得に大きく貢献している通学コースですが、N高本来のコンセプトから考えると自己矛盾しているのです。

何故このようなことが起こるかというと、

N高は2つの階層(要素)から成り立っているからです。

1つ目は、ネット授業で高校卒業資格を取得する高等学校としての要素。

2つ目はスキルを伸ばす専門学校や予備校やスクールとしての要素です。

2つ目に関して言えば、N高もサービス提供事業者の1つに過ぎません。N高生だからといって、盲目的にN高のパンフレットの中から自分の進路を決める必要はないのです。

何故なら、パンフレットに書いてある選択肢は世の中の1%以下の選択肢に過ぎないからです。外の世界に目を向ければあなたに最適な進路が他にも沢山あるはずです。

もちろんN高が提供するサービスの中にはプログラミングコースのように、プログラマー志望者にとっては最適なコースもあります。選択は個々人の目的に応じて柔軟に対応していけば良いということです。

実際、僕がプロデューサーとして描くK君の高校生活の大部分は、N高に関係のない外部のサービスを活用することになります。

プロデューサーである私が、K君に最適なコンテンツを世界のあらゆるサービスの中からセレクトし、PDCAサイクルに落とし込んでいきます。

受験勉強にとってN予備校よりスタディサプリや鉄緑会が優れているならば迷わず後者を選びますし、語学学習なら、星の数ほどある選択肢の中から最適解を見つけ出します。テニススクールはN高にはありません。

人生は方向性と継続で決まります。

このように、あなたにとっての最適解をみつけるためには、先ずは選択肢の数を増やさなければなりません。N高等学校が提供する以外の、あなたのために完璧にカスタマイズされたカリキュラムが必要なのです。

このカリキュラムを提供するのが「仮想高校」なのです。

「仮想高校」

VR高校、AR高校呼び名はなんでもよいのですが、概念そのものが新しい高校と考えてください。この新しい高校は誰でも設立・開校できます。そもそも学校設立に国の許認可すら必要としていません。

もちろん、私もすぐに「仮想高校」を開校できます。学習塾経営を始めるレベルです。

それでは、私が「仮想高校」を設立したと仮定して、「仮想高校」の概念を説明していきます。

2019年4月。デイリーアクション学園という仮想高校が開校することになりました。校長は私。学園のコンセプトは最適解の提供(方向性)と結果へのコミット(継続)。

あなたは、「仮想高校」であるデイリーアクション学園の入学しました。

先ず初めにしていただくアクション。それはリアルの高校であるN高に入学することです(ネットの学校であるN高をリアルの学校と呼ぶのは現時点では画期的です)。これにより高校卒業資格を得ることが可能になります。

さあ、高校卒業資格はゲットしました。

次は、あなたの高校生活3年間のプランを作りましょう。

学園の担当プロデューサーがあなたや親御さんとのセッションを重ねながら、あなたのために完璧にカスタマイズされた世界に1つしかないプランをデザインします。プランはいわば時間割みたいなものです。

プラン作成には、N高のパンフレットからだけではなく、世界中のサービスの中からあなたにとっての最適なものだけをチェリーピッキングしていきます。

N高はコンテンツを開発・提供するメーカーの1つで、デイリーアクション学園は無限にあるコンテンツの中から、独自の審美眼で最適なコンテンツをセレクトしてあなたの前に並べるコンビニのようなイメージでしょうか?

高校卒業資格を得るために必要なネット授業は、毎日90分程度です。それ以外の時間の過ごし方があなたの今後の人生を決めるのです。

超進学校を自主退学するK君もデイリーアクション学園に入学するので、デイリーアクション学園は初年度の卒業生から東大合格者を輩出することになるでしょう。

進学校のプレゼンスの低下

結局、学校を辞めても生徒側にはメリットしかなく、困るのは学校側なのです。それらの進学校を卒業しなくても、東大に行けることは簡単に証明できます。もはや進学校はその程度の価値しか提供できていません。社会の仕組みが変わったからです。私立高校に支払う授業料があれば、もっと価値の高い体験をすることは難しいことではないのです。

もちろんこれは勉強に限った話ではありません。

この世代が、横並びの拘束時間から解放され、コンピューターサイエンスやアート、スポーツなど専門分野に存分に没頭できる環境の整備が必要だということです。

「新・教育革命」の目的

「仮想高校」という概念が世の中に認知されれば、いよいよ「新・教育革命」が始まります。国の認可なく高校を設立できるので、教育、改革、革命、ビジネスが大好きな大人達が仮想高校を設立し始めます。

個人も企業も関係なく。

企業では、スタディサプリ高校、楽天高校、DMM高校、ZOZO学園、ライザップ義塾とか。思い思いのコンセプトで「仮想高校」を設立したら入学希望者が集まりそうです。

個人なら堀江貴文氏が起業、落合陽一氏が研究、松岡修造氏がテニス、本田圭佑氏がサッカーをテーマにした「仮想高校」を設立しても楽しそう。

中学時代に年代別代表になるような選手やポテンシャルの高い学生が、質・量ともに日本最高の環境を持つ本田圭佑プロデュースの仮想高校に入学すれば、高校選手権で優勝できるのではないでしょうか?

もちろんN高等学校として参加します。

テニスでは、既に西宮甲英高等学校が同じようなコンセプトでテニス部を運営していて、開設すぐに日本一になっています。こちらもサッカーと同様に松岡修造プロデュースの仮想高校に入学し全国を狙います。実際には、N高等学校としての参加になります。

理論的には、ユースチームでもない、名門校でもない、N高等学校が全てのスポーツジャンルで日本一になることが可能です。

理由は、運営をN高等学校ではなく、専門分野に特化した外部の仮想高校が行なっているからです。全てを1つの学校法人でマネジメントするには限界があるのです。

このように認知度や能力の高い企業や個人が設立した仮想高校には簡単に優秀な生徒が集まります。

さらに仮想高校の入学者はもれなくN高に入学するので、N高の学生数は万単位となるはずです。この生徒数は仮想高校の出現なくして実現できません。

教育インフラとしてのN高等学校

仮想高校の登場(新・教育革命)により、N高を中心とした教育革命が一気に広がっていくという面白さ。

教育革命において、N高のポジションはプレイヤーですが、新教育革命では一旦、インフラのポジションに移行します。

一旦と書いたのは、インフラに徹することで万単位の生徒を獲得したN高は、途轍もないポテンシャルを有することになるからです。

その時、N高には新しいビジネスチャンスが訪れると思います。

「仮想高校という新・教育革命」

この「新・教育革命」と「仮想高校」の考えに賛同して頂けるなら、この記事を拡散していただけると嬉しいです。

おしまい。

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