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早期退職を考える理由

最近,早期退職が頭をちらついてきた背景について,触れたいと思います。
結論からいうと,「悠々自適生活」とか「資産運用でFIRE」を目指しているわけではありません。むしろ,その逆なのです。

哲学者・セネカ曰く

われわれは短い人生を受けているのではなく、われわれがそれを短くしているのである。

セネカ (著), 茂手木 元蔵 (翻訳)人生の短さについて (1980年) (岩波文庫)

戦前まで,日本人の寿命は50歳前後だったそうですが,今や人生100年時代が視野に入ってきました。セネカの言うことは至極真っ当なのですが,現代では少し修正が必要かもしれません。

仮に,私が90年生きたと仮定します。
大雑把に3分割すると,
・~30歳:脱サラして,学者を目指した頃
・~60歳:研究生活をおう歌した時期
・~90歳:仕事を整理し,人生を全うするまで待つ時期

私の場合まもなく中盤が終わるので,そろそろ身支度しないといけません。60歳までは研究という「人生を短くしてくれるもの」がありましたが,これがなくなれば明らかに人生は長すぎます。果たして私はこの「残り3分の1」を,発狂せずに過ごしていけるのでしょうか。

早期退職が解ではないことくらい,知っている

早期退職したところで,別にやりたいことがあるわけではありません。
「やりたくないこと」から解放されるだけの話です。当然ながら収入や地位は失われます。だから,結局は仕事を続けてしまうのでしょう。

しかし,それでもいずれ「その時」はやってくるはず。
その時から考えて,”人生の仕事”は間にあうのでしょうか。あるいは,研究に代わる「人生を短くしてくれるもの」に,私は出会えるのでしょうか。

早期退職をして,出会えないという事実に直面し,
”人生の仕事”に,強制的にでも向き合おうとしないと,
とんでもない老後が待っているのではないか,と焦り始めているのかもしれません。

人生の先輩たちのfacebookとかを眺めていると,写真をアップしたり,今日こんな話があったと,実に忙しそうです。しかし,口には出さないが,本当は暇で仕方ないのではないかと勘繰っています。

人生100年時代のライフプラン

独身なら貯蓄もできるし,10年後には年金も入るようになります。
病気は不安ですが,老人一人が生きていくことに大して金はかからないはずです。良い時代になったものだと思います。

しかし,同時進行で余った時間と金をどう使うのかという問題を解かなければなりません。しかも,期間は30年近くもある(ないのかもしれない)。何かを見つけたとしても,それを実行する体力と知力は衰える一方です。

われわれは急に長い人生を受けるようになったので,われわれはそれを短くしようと必死なのである

出所:筆者

論文には”依って立つ理論”が必要であるのと同じように,人生には”依って立つ何か”が必要ではなのではないでしょうか。
私にはそれが何かを,早急に探し出す必要があるのです。


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