5日目:「死にたい」でいっぱいになる

薬は万能ではない。

飲み続けていれば耐性ができてしまい効きが弱くなっていく。
薬の効きが弱くなったと感じたら飲む量を増やすか、薬を変えていくしかない。

薬を飲み始めて2週間〜1ヶ月ほど経った頃だったか、徐々に薬が効かなくなり「死にたい」と思う日が少しずつ増えていった。
症状が出始めた頃は死にたいという感情すらなく、「心拍数0」の状態だった。感情の起伏が起きない。薬を飲んだことで無理やり感情を上向きにした結果、反動で大きく下がるようになったのかもしれない。

気持ちが沈む時はまるで部屋の電気を消すようで、何かのきっかけでスイッチが押されて、一瞬で真っ暗になる。
何か黒いモヤがかかっているように体が重くなり、色々な負の感情がとめどなく襲ってくる。
そして、幻聴というほどではないが頭の中で私の声が延々と私の悪口を言う。

「この程度で被害者ヅラをするな」
「迷惑をこれ以上かけるな、誰にも甘えるな」
「役立たず」

この症状が一番辛かった。
この声に反発するようにそんなことない、そんなことないと言い返すが、段々と心が弱り「死んだ方がいいんだ」という結論に至る。
何かに乗っ取られたように自傷行為をして、気づいた家族に止められることが何度もあった。

家族が私のケアで憔悴しきっていることを分かりながら暴走する自分にさらに嫌悪感が湧き、パジャマのまま家を飛び出したこともある。その時は「ここにいると迷惑をかけるから私は一人にならないといけない」と強迫的に思い、東京駅から新幹線に乗り大阪まで行こうとしていた。流石にお金がなくて我に返ったが。

こういう時だけ謎の行動力を発揮する。間違った決断だと気付きながら行動に移してしまう。
身の回りに監視してくれる人がいたから今生きているが、もし一人だったら最悪の事態が起きても何も不思議ではなかった。





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