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五島美術館・茶道具取合せ展

某日、東京・世田谷にある五島美術館の企画展に行ってきました。

美術館入口

五島美術館 茶道具取り合わせ展
展示室に当館茶室「古経楼」「松寿庵」「冨士見亭」の床の間原寸模型をしつらえ、館蔵の茶道具コレクションから約70点を選び展示(会期中一部展示替あり)。懐石道具・炭道具のほか、織田信長(1534〜82)を中心とした武将や大名ゆかりの茶道具の取合せを展観します。特集展示として懐石道具を中心とした茶の湯の漆芸を同時公開。

五島美術館 公式サイトより


取合せ展は過去にも足を運び、同じものを見ているはずですが、今回も素晴らしく勉強になりました。
織田信長や豊臣秀吉、千利休などの直筆を拝見しましたが、このようなものを見ると、誤字が多く日々フリクションが欠かせない私には、1文字たりとも書き間違えることなく長い手紙を書ける彼らはきっと、生き方やその姿勢も私のそれとは全く異なるものなのだろうと思いました。

どれも価値のあるものに違いないでしょうが、今回一番印象に残ったのは、明治時代の樂慶入による伊賀沓型小鉢の写しです。この作品が伊賀沓型小鉢(本物)と並んで展示されていたのですが、比べると形や色、土の質感など本当に似ていて、別時代の別の作家のものに思えません。
五島氏や歴代の持ち主は、こっちが桃山のもの、あっちが最近のもの、などといいながら懐石を楽しんでいたのでしょうか。

冷たい雨が降っていましたが、お庭を見学してきました。勾配のある敷地にはお茶室2軒にたくさんの植物。古墳や、仏様の石像がたくさん並んでいてびっくり。

富士見亭
古経楼

空は白く石は雨で黒く、植物に葉はなく(あるっちゃありますが)冬眠していて、正直殺風景な感じ。そんな中、ピークを過ぎた真っピンクの椿と明るいオレンジ色のダイダイの実に生命を感じ、それがやけに印象に残りました。

色が濃ゆい

さて、一月もすっかり後半にはいりました。お稽古して満足するのではなく(そもそもお稽古もしっかりできていませんが)、家で眠りかけているお茶道具を日々の暮らしの中に取り入れてお茶を楽しむ余裕を持つこと、そして人をもてなす心を養っていきたいです。

なんだかかわいいなぁ


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