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Spotifyがクナッパーツブッシュのブラームスを僕にrecommendする

Google HomeとChromecast audioを購入して以来,自宅で音楽を聴くことが格段に増えた。もともと音楽が大好きだったのもあるが,これによってQuality Of Lifeは著しく向上し,私は幸せである。

大学で学生オーケストラに入っていた頃は,それこそ自宅のCDコンポやiPodで四六時中音楽に浸っていたものだが,勤め始めるようになってからは通勤や移動の際にiPhoneで音楽を聴くくらいに減っていたのだ。それが,今では「ねぇGoogle,何か音楽かけて」「わかりました,音楽を再生します」だけのやり取りで自宅各所のChromecast audioに接続したスピーカーとGoogle Homeから大バッハやプーランクが流れ出すのである。人類の進歩だね。

自宅の各所から同期した音楽が流れている,という状況にはじめは少し戸惑った。まるで喫茶店や小売店のようだとすら思った。実際,bossa novaやJAZZを流してコーヒーでも淹れると途端に喫茶店度(そんな概念があるとすれば,だが)が増す。しかしまぁ,そんなのにはすぐに慣れてしまった。

それはさておき。

ブラームスの4曲の交響曲は,不朽の名作である。と,曲について話しだすと脱線するのでこれはまた別の機会に書きたいが,とにかく素敵な曲だ。素敵な曲なので,たくさんの演奏家がたくさんの機会に演奏し,録音もたくさんある。そこでSpotifyである。Google Homeで音楽を聴くには,提携している音楽サービスに加入する必要があり,はじめは特に何も考えずにSpotifyを選択した。

月額課金型の音楽配信サービスSpotify。使い始めてすぐに分かったのだが,ここには古い録音から新譜までいくらでもブラームスの曲が入っている。もちろんブラームスだけではない。モーツァルトもラヴェルもチャイコフスキーもなんでもある。

僕は驚喜したね。

そして,イヤホンや,自宅に整備した音楽環境で聴きたい曲,聴きたい演奏を検索していろいろ楽しんだ。そうやって自分の好みの曲をSpotifyで聴くことによって,Spotifyは僕の好みを学習し,ある時から「こんなのも好きでしょ?」というおすすめ楽曲を提示してくれる(recommend)ようになったのだ。そう,ここで提題の話になる。

https://open.spotify.com/track/3ktOdyo7hmhnHdeOH4XoaH?si=sXkZi5J5RdKzo0E2jUS7zQ

『ハンス・クナッパーツブッシュ指揮,ドレスデン・シュターツカペレオーケストラ演奏の交響曲1番(ブラームス)をrecommendされる』ということの衝撃を,どう読み手に伝えたものだろう?これはほんとうに驚くべきことなんですよ,マジで。

本で例えていうなら『夏目漱石や芥川龍之介を読んでる人が本当は澁澤龍彦も好きなのを見破る』とか食べ物に例えるなら『パン食好きを公言してる人に鮒寿司をあげて道を誤らせる』みたいな… 伝わりますかね?伝われ,この想い,貴方に。

 "たしかにブラームスはSpotifyでよく聴いていたし?ドレスデン・シュターツカペレオーケストラも大好きな楽団だからしょっちゅう聴きますけど?無難にrecommendするならカラヤン(王道)とかブロムシュテット(名匠)とかラトル(俊英)とかセル(透徹)とかフルトヴェングラー(威厳)とか……"(というようなことをオタク特有の早口でまくし立てている)

説明するより体験してもらう方が早いかもしれない。ですから,どうか貴方もSpotifyを利用してみませんか。Google Home連携には課金が必要ですが,PCやスマートフォンで聴く分には無料でもいける(ちょっとコマーシャルが入る。YouTubeみたいに)ので、ぜひアカウントを登録して何週間か使ってみてください。そうすればSpotifyのrecommend精度がどんなものか分かっていただけるのではないかと。ぜひ。どうぞ。それでは。


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