マ社長の星屑レビュー☆第13回 Thrill of the Arts/Vulfpeck

今回は人に教えてもらったバンドを紹介したいと思います。

「Vulfpeck」というバフペック?って読むんですかね、アメリカのファンクバンドです。全く自分も知らなかったのですが、Spotifyっていう音楽ストリーミングサービスで、1曲の長さが短くてほとんど音が聴こえないアルバムを作り、ファンに寝てる時間に再生してもらってツアー資金を捻出する、というアホみたいな企画を本当に実行し、Spotifyのおとがめなしでその企画が成功したバンドみたいです。そのアホさに興味を持って、1曲聴いてみたらかっこよかったんで、アルバムを購入し、ここで聴いていきたいと思います。ちなみにもう排除要請なんかが出てて、他のアーティストがまた同じようなことをするのもアウトみたいです。

まず、どんなバンドなのか全然知らないので、今年のフェス映像があったので、
ちょっとだけ見てみました。

VULFPECK /// Live at Bonnaroo 2016

1曲目、ドラムのバンダナメガネタンクトップのくそダサいおっさんが美声を聴かせてくれます。他に鍵盤二人とベースなんですが、2曲目ではそのおっさんがギターボーカルになって、エレピを弾いてた人がドラムになってます。もうどんなバンドだか、さらにわからなくなるので、見るのをやめます。でも音楽と演奏はすごくかっこいいですよ。エロくなりたいけど、顔と体がエロくないプリンスみたいな感じ。というわけで、アルバム聴いていきます。

1曲目「Welcome to Vulf Records (feat. Joey Dosik)」という曲です。いろんなものを詰め込んでいます。壮大なインストなんですが、テンポチェンジも多いです。小気味良いモータウンフィールのめちゃめちゃ美味いベースとエレピが土台を作っているんですが、とにかく構成がすごく、エレキギターの使い方が素敵です。でも70年代のファンク、ソウルバンドっていうよりは、ジェリーフィッシュとかの90年代の香りがして、なんだか好感が持てます。

2曲目「Back Pocket (feat. Christine Hucal, Theo Katzman & Mark Dover)」はMVがありました。

VULFPECK /// Back Pocket (Music Video)

プリンス憧れ色が強いですね。でもさっき90年代を感じたのはコラージュ文化というか、
好きなものを散りばめたような、生身のアヴァランチーズをやっているバンドなのかなと思いました。やたらフィーチャリングが多いですが、その曲、イメージに合ったボーカルやプレイヤーと一緒にやっているからじゃないですかね。1曲目はサックスでしたが、この曲は木管二菅のソロが印象的です。そこらへんからすごい縛りのない自由な感じがします。

3曲目「Funky Duck (feat. Antwaun Stanley)」いきなりドープです。
歪んだクラビネットとエレピの掛け合いがかっこいい。この曲はボーカリストがフィーチャリングですかね。あと、全部の曲が短いのがいい。サクサク聴けますが、文を書くのが間に合いません。

4曲目「Rango II (feat. Blake Mills)」このBlake MillsはあのBlake Millsなのか?どうなんだ。何をやるかわからないインディーバンドだから可能性はあるかもしれません。曲はドラムレスのインスト。指ぱっちんとベースにエレピ。左チャンネルにエレキギターがえらいフィーチャーされているので、あのBlake Millsな気がします。曲中盤でクレイジーになりますが、それ以外はいたって真面目な可愛らしい曲。

5曲目「Game Winner (feat. Charles Jones & David T. Walker)」こちらもエレキギターがフィーチャーされたソウルバラードで、なんだか懐かしい雰囲気です。みんな楽しそうに演奏しているなと感じる一曲。

6曲目「Walkies」1分ちょっとのインストインタールード。いつもジャムセッションでこんな感じの曲ばっかりやってるんやろなと思います。

7曲目「Christmas in L.A. (feat. David T. Walker & Theo Katzman)」あ、さっきライブの1曲目でやってた曲。これを聴くと、頑張って再現しようとしてはるなと感じます。それぞれの曲で一番重要な楽器をライブでは順繰りしながら演奏されているんでしょうね。あとやっぱクリスマスってタイトルについたら鈴の音は鳴ってないと始まらないものなんですね。

8曲目「Conscious Club (Instrumental) [feat. Richie Rodriguez]」これもビデオありました。

VULFPECK /// Conscious Club (Instrumental)

正統派なファンクナンバー。こういう曲に無理やり「踊ろうよ」みたいな感じの歌詞をつけていた当時のディスコバンドなんかより、しっかり曲が胸打つ感じがします。全く強制されない感じが好きです。

9曲目「Smile Meditation (feat. Tyler Duncan)」フルートがフィーチャーされたムーディーなインスト。なんとなく米米クラブを思い出す時代性を感じます。あとさっきクリスマスの曲があったからかもしれませんが、ファンクバンドだけど、暑苦しくなくて、冬にあったかいものを食べさせてくれるようなバンドだなと思います。景色を見せるんじゃなくて、なんだかほっこりするバンドです。

10曲目「Guided Smile Meditation (feat. Mushy Krongold)」最後の曲ですが、なんかずっと「メディテーション」って言ってます。ふざけたバンドだと思っていたら、ここまでめちゃめちゃ真面目だったんでここで初めてふざけたのでしょうか。2分以上経過しましたが、シンセノイズに語りだけです。たまにシンセのオブリみたいなんが入るだけと思いきや、足踏みオルガンみたいなんで曲みたいなんが始まりましたが、終わりました。お疲れ様でした。

というわけで、教えてもらった「Vulfpeck」の昨年出たアルバムを聴いてみましたが、最後の曲を除いていいアルバムでした。時間も30分ちょっとですし、アルバム全部もネットに上がっていたりするので、お時間ある方はぜひぜひ聴いてみてくださいなです。以外に真面目な人たちでした!

(マ)

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