モールス信号に対応する各言語の文字体系
4月27日はモールス信号の日あるいはモールス符号の日です。
モールス信号あるいはモールス符号はラテン文字26文字に対応する字母を基盤に、拡張ラテン文字に対応する字母の追加やラテン文字以外の文字体系を使用する言語に適応した表記法があります。
モールス符号は短点トン《·》と長点ツー《–》の2種で構成されます。
今回は各言語の文字体系に対応するモールス符号の字母を取り上げます。
主に各言語版『ウィキペディア』や『ウィクショナリー』を参考にしています。
英語ラテン文字のABC順
日本語モールス信号は“イロハニホヘト”をラテン文字26字に当てはめていますが、拡張ラテン文字を当てている仮名文字もあり順番が異なっています。
インド系文字やタイ文字は母音記号やダイアクリティカルマークを使用する関係上、合成字母はインド系文字の場合ア《अ》, タイ文字の場合オー・アーン《อ》との合成で例示しています。
タイ文字のローマ字翻字にある右肩のキャロン《ˇ》は高音字であることを表します。
台湾の台湾華語で使用される文字・注音符号は原則的に第1声・陰平《ˉ》が単独母音字の発音に含まれています。
A=イ【·–】
【Α】ギリシャ
【А】キリル
【-Ā《आ》】デーヴァナーガリー - 母音記号のみ。
【AA《า》】タイ
【ĀN・-AN《ㄢ》】注音符号
B=ハ【–···】
【Β】ギリシャ
【Б】キリル
【B《ब》】デーヴァナーガリー
【B《บ》】タイ
【B《ㄅ》】注音符号
C=ニ【–·–·】
【Θ, ϴ】ギリシャ
【Ц】キリル
【C《च》】デーヴァナーガリー
【KHˇ《ข, ฃ》】タイ
【CHĪ・CH-《ㄔ》】注音符号
D=ホ【–··】
【Δ】ギリシャ
【Д】キリル
【-I《अि》】デーヴァナーガリー - 母音記号のみ。
【D《ด=ฎ》】タイ
【J《ㄐ》】注音符号
E=ヘ【·】
基本字母である短点〈トン〉です。
【Ε】ギリシャ
【Е】キリル
【Ё】キリル - ダイエレシス付き字母は統合される。
【長母音化・有気音化など】デーヴァナーガリー
【EE《เ》】タイ
【YĪ・YI・Y-・-Ī・-I《ㄧ》】注音符号
F=チ【··–·】
【Φ】ギリシャ
【Ф】キリル
【-E《अे》】デーヴァナーガリー - 母音記号のみ。
【F《ฟ》】タイ
【ŌU・-OU《ㄡ》】注音符号
G=リ【––·】
【Γ】ギリシャ
【Г】キリル
【Ґ】キリル:ウクライナ
【Ѓ】キリル:マケドニア - ダイエレシス付き字母は統合される。
【G《ग》】デーヴァナーガリー
【K《ก》】タイ
【ĀNG・-ANG《ㄤ》】注音符号
H=ヌ【····】
【Η】ギリシャ
【Х】キリル
【Г】キリル:ウクライナ
【H《ह》】デーヴァナーガリー
【Hˇ《ห》】タイ
【ZHĪ・ZH-《ㄓ》】注音符号
I=濁点《゛》【··】
和文モールス符号における字母名は濁点あるいは濁音の語頭である《濁》の音読みである〈だく〉[da.kɯ̥ ダク]となる。
【Ι】ギリシャ
【И】キリル
【І】キリル:ウクライナ
【長母音字化・有気音無声化など】デーヴァナーガリー - 母音字アー《आ》はIA〈··␣·–〉という風に表す。
【II《อี》】タイ
【ĒNG・-ENG・-NG《ㄥ》】注音符号
J=ヲ【·–––】
【ΥΙ】ギリシャ
【Й】キリル
【Ј】キリル:セルビア
【J《ज》】デーヴァナーガリー
【YまたはN《ญ》】タイ
【Ñ《ญ》】タイ:パーリ
【RĪ・R-《ㄖ》】注音符号 - 対となるウェード式ローマ字に対応。
K=ワ【–·–】
【Κ】ギリシャ
【К】キリル
【Ќ】キリル:マケドニア
【K《क》】デーヴァナーガリー
【KH《ค, ฅ, ฆ》】タイ
【SĪ・S-《ㄙ》】注音符号
L=カ【·–··】
【Λ】ギリシャ
【Л】キリル
【L《ल》】デーヴァナーガリー
【L《ล, ฬ》】タイ
【ĀO・-AO《ㄠ》】注音符号
M=ヨ【––】
【Μ】ギリシャ
【М】キリル
【M《म》】デーヴァナーガリー
【M《ม》】タイ
【Ō・-O《ㄛ》】注音符号
N=タ【–·】
【Ν】ギリシャ
【Н】キリル
【N《न》】デーヴァナーガリー
【N《น, ณ》】タイ
【ĒN・-EN・-N《ㄣ》】注音符号
O=レ【–––】
【Ο】ギリシャ
【О】キリル
【-O《ओ》】デーヴァナーガリー - 母音記号のみ。
【OO《โ》】タイ
【Ā・-A《ㄚ》】注音符号
P=ツ【·––·】
【Π】ギリシャ
【П】キリル
【P《प》】デーヴァナーガリー
【P《ป》】タイ
【M《ㄇ》】注音符号
Q=ネ【––·–】
【Ψ】ギリシャ
【Щ】キリル
【Ў】キリル:ベラルーシ
【KṢ《क्ष》】デーヴァナーガリー
【PHˇ《ผ》】タイ
【T《ㄊ》】注音符号
R=ナ【·–·】
【Ρ】ギリシャ
【Р】キリル
【R《र》】デーヴァナーガリー
【R《ร》】タイ
【SHĪ・SH-《ㄕ》】注音符号
S=ラ【···】
【Σ・σ・ς, Ϲ】ギリシャ
【ΕΙ】ギリシャ
【С】キリル
【S《स》】デーヴァナーガリー
【Sˇ《ส, ศ, ษ》】タイ
【L《ㄌ》】注音符号
T=ム【–】
基本字母である長点〈トン〉です。
【Τ】ギリシャ
【Т】キリル
【長母音字化・有気音無声化など《अ्》】デーヴァナーガリー - 母音字ア《अ》はTA〈–␣·–〉という風に表す。
【T《ต, ฏ》】タイ
【WŪ・WU・W-・-Ū・-U《ㄨ》】注音符号
U=ウ【··–】
和文コードでは、日本語ローマ字と読みが一致しています。
【OΥ, Ȣ】ギリシャ
【У】キリル
【-U《अु》】デーヴァナーガリー - 母音記号のみ。
【第1声調《อ่》】タイ
【YŪ・YU・-Ǖ・-Ū・-Ü・-U《ㄩ》】注音符号 - フランス語における発音に由来。
V=ク【···–】
【ΗΥ】ギリシャ
【Ж】キリル
【V《व》】デーヴァナーガリー
【第2声調《อ้》】タイ
【ZĪ・Z-《ㄗ》】注音符号
W=ヤ【·––】
【Ω】ギリシャ - 小文字がラテン小文字に似ていることによる配置。
【В】キリル - トルクメン語ラテン文字と対になるキリル文字に対応。
【T《त》】デーヴァナーガリー
【W《ว》】タイ
【D《ㄉ》】注音符号
X=マ【–··–】
【Ξ】ギリシャ
【Ь】キリル
【Ъ】キリル:ブルガリア
【JÑ《ज्ञ》】デーヴァナーガリー
【CH《ช, ฌ》】タイ
【G《ㄍ》】注音符号
Y=ケ【–·––】
【Υ, ϒ】ギリシャ
【Ы】キリル
【Ь】キリル:ブルガリア
【И】キリル:ウクライナ
【Y《य》】デーヴァナーガリー
【Y《ย》】タイ
【Ē・-E《ㄜ》】注音符号
Z=フ【––··】
【Ζ】ギリシャ
【З】キリル
【D《द》】デーヴァナーガリー
【S《ซ》】タイ
【Ê・-E《ㄝ》】注音符号
拡張モールス符号:イロハ順の残り
ロ【·–·–】
連字〈AA〉に由来します。
【Ä】ラテン:ドイツ他
【Æ】ラテン:デンマーク、ノルウェー
【Ą】ラテン:ポーランド
【ΑΙ】ギリシャ
【Я】キリル
【Ṭ《ट》】デーヴァナーガリー
【ƐƐ《แ》】タイ
【ĀI・-AI《ㄞ》】注音符号
ト【··–··】
【É】ラテン:フランス
【Ę】ラテン:ポーランド
【Đ・đ】ラテン:セルビア・クロアチア
【Э】キリル
【Є】キリル:ウクライナ
【I《อิ》】タイ
【ĒI・-EI《ㄟ》】注音符号
ル【–·––·】
エスペラント語モールス符号ではHXO《Ĥ》の本来の字形です。
タイ語モールス符号ではラテン文字〈NG〉に由来します。
【NG】ラテン:ベトナム他
【Ĥ】ラテン:エスペラント - 現行字母はCH〈––––〉に変更。
【Ŋ《ง》】タイ
ソ【–––·】
【Ö】ラテン:ドイツ他
【Ø】ラテン:デンマーク、ノルウェー
【Ó】ラテン:スペイン他
【Œ】ラテン:フランス
【ΕΥ】ギリシャ
【Ч】キリル
【-R̥《अृ》】デーヴァナーガリー - 母音記号のみ。
【N《ㄋ》】注音符号
【UU《อู》】タイ
ヰ【·–··–】
【È】ラテン:フランス他
【Ł】ラテン:ポーランド
【AY《ไ, ใ》】タイ
【Q《ㄑ》】注音符号
ノ【··––】
【Ü】ラテン:ドイツ他
【Ŭ】ラテン:エスペラント
【ΑΥ】ギリシャ
【Ю】キリル
【Ḍ《ट》】デーヴァナーガリー
【ƜƜ《อื》】タイ
【H《ㄏ》】注音符号
オ【·–···】
【&】ラテン:英他
【Aʔ《ะ》】タイ
コ【––––】
【CH】ラテン:英、フランス、ドイツ他
【Š】ラテン:チェコ他 - フランス語〈CH〉に由来。
【Ĥ】ラテン:エスペラント - 現行字形。ドイツ語〈CH〉に由来。
【Χ】ギリシャ - ドイツ語〈CH〉に由来。
【Ш】キリル - フランス語〈CH〉に由来。
【CHˇ《ฉ》】タイ - 英語及びパーリ語〈CH〉に由来。
エ【–·–––】
【繰り返し記号《ๆ》】タイ
テ【·–·––】
【Ă】ラテン:ベトナム
【RƜ《ฤ》またはRƜƜ《ฤๅ》】タイ - 長短の区別はされない。
【CĪ・C-《ㄘ》】注音符号
ア【––·––】
【Ñ】ラテン:スペイン他
【Ń】ラテン:ポーランド他
【Ъ】キリル - ブルガリア語では日本語の“ア”と発音が近いが、主にX・マ〈–··–〉を用いる。
【Щ】ウクライナ
【Њ】セルビア
【H《ฮ》】タイ
サ【–·–·–】
【PHˇ《ฝ》】タイ
キ【–·–··】
【Ç】ラテン:フランス他
【Ĉ】ラテン:エスペラント
【Ć】ラテン:ポーランド、セルビア・クロアチア
【Х】キリル:ウクライナ
【Ћ】キリル:セルビア
【THˇ《ถ, ฐ》】タイ
ユ【–··––】
【Đ・đ】ラテン:セルビア・クロアチア
【Ђ】キリル:セルビア
【TH《ท, ธ, ฑ, ฒ》】タイ
メ【–···–】
本来は等号《=》を表します。
【Ɂ《อ-》またはƆƆ《ออ・อ》】タイ
ミ【··–·–】
【U《อุ》】タイ
【F《ㄈ》】注音符号
シ【––·–·】
【Ĝ】ラテン:エスペラント
【Ğ】ラテン:トルコ
【Џ】キリル:セルビア、マケドニア
【小略記号《ฯ》】タイ
ヱ【·––··】
【Þ】ラテン:アイスランド
【Ş】ラテン:トルコ
【PH《พ, ภ》】タイ
【P《ㄆ》】注音符号
ヒ【––··–】
【Ż】ラテン:ポーランド
【黙音《อ์》】タイ
【K《ㄎ》】注音符号
モ【–··–·】
本来はスラッシュ《/》に対応します。
【C《จ》】タイ
セ【·–––·】
【Ĵ】エスペラント
【Ї】キリル:ウクライナ
【Љ】キリル:セルビア
【ĒR・ER・-R《ㄦ》】注音符号
ス【–––·–】
【大略記号《ฯลฯ》】タイ
ン【·–·–·】
本来はプラス《+》に対応します。
【第4声《อ๋》】タイ
長音《ー》【·––·–】
【À】ラテン:イタリア他
【Å】ラテン:スウェーデン、デンマークmノルウェー
半濁点《゜》【··––·】
【Ð・ð】ラテン:アイスランド、フェロー
【Ɯ《อึ》】タイ
【X《ㄒ》】注音符号
句読点・記号由来
アポストロフィー《ʼ》【·––––·】
【'】ラテン:英他
つなぎ《‐》【–····–】
【-】ラテン
アットマーク《@》【·–––·–·】
【@】ラテン:スペイン、ポルトガル - 中性形を示す字母として用いる。
その他の拡張モールス符号
トントントンツートン【···–·】
【Ŝ】ラテン:エスペラント
【AM《อำ》】タイ
トントントンツートントントン【···–···】
【Ś】ラテン:ポーランド
トントントンツーツートントン【···––··】
【ẞ・ß】ラテン:ドイツ
トントンツートンツーツー【··–·––】
【Ư】ラテン:ベトナム
ツートントンツートントン【–··–··】
【Đ・đ】ラテン:ベトナム
ツーツートントンツートン【––··–·】
【Ź】ラテン:ポーランド
ツーツーツートンツーツー【–––·––】
【Ơ】ラテン:ベトナム
モールス数字
モールス数字は中国語の漢字に対応する4ケタのコードを表すために用います。
0【–––––】
〈工事中〉
1【·––––】
〈工事中〉
2【··–––】
〈工事中〉
3【···––】
〈工事中〉
4【····–】
〈工事中〉
5【·····】
〈工事中〉
6【–····】
〈工事中〉
7【––···】
【第3声《อ๊》】タイ
8【–––··】
【OΙ】ギリシャ
【短音化《อ็》】タイ
9【––––·】
〈工事中〉