前置詞ピクトグラムのユニコード採用が実現してほしい

今年の東京オリンピックの開会式でのピクトグラムのキャラクター3人によるパフォーマンスの影響によりピクトグラムのピクトさんがブームになっていて、前回の1964年東京オリンピックで本格的に導入されたピクトグラムが注目されてきているのが奥深いです。
この影響でアクセシビリティ目的で生まれたピクトグラムが話題になっています。

こあたんさん考案のピクトグラム2系統

2021年7/25にこあたんさんがツイッターのツイートで発表した【前置詞ピクトグラム】という、英語で使用される前置詞をピクトグラムで示したものが高評価を得ていて、話題になっています。

前置詞ピクトグラムは配置を示す丸《🔴》と場所を示す棒を示す方式が主に見られ、方向関連では道の絵文字も見られます。

こあたんさんは同年7/27にツイッター上で【語源ピクトグラム】を発表し、こちらも英語の語源に対応する絵文字が見られ、絵文字と共に用いる接頭語として用いられます。

ユニコードの絵文字に似た形状のもの採用されているものでは“re-”のリピート《🔁》や“un-”の侵入禁止マーク《🚫》など数種類あり、これらはユニコードで対応可能になっています。

前置詞や語源をわかりやすく説明したピクトグラムはかなり工夫を凝らしたアイデアで、ユニコードへの採用実現やフリーフォントの登場があってほしいです。

絵ことばにおける前置詞ピクトグラム

ピクトさんという人型ピクトグラムが非常口に駆け込むさまを描いた非常口ピクトグラムの生みの親の一人であるデザイナーの太田幸夫さんは、1964年の東京オリンピックとほぼ同時期に【ロコス文字】という絵文字を使用した人工文字を生み出し、日本で生み出されてきた人工文字で表意文字はかなり珍しいものです。
ロコス文字は英語では【LoCoS】と表記されるもので、'72年に講談社・刊『新しい絵ことばLoCoS』でロコス文字の詳細がまとめられました。ロコス文字関連の解説書籍は現時点でこれのみで絶版状態です。太田さんの著書『ピクトグラム[絵文字]デザイン』などにもロコス文字が詳しく取り上げられています。

ロコス文字の前置詞はいろいろな数学記号に由来するものが多く、点の配置される場所で動詞の時制が区別されるなどの要素も見られます。
文字を配置する場所により形容詞や副詞になるシステムとなっています。

ユニコードへの採用希望

前置詞ピクトグラム・語源ピクトグラムはユニコードに採用されればアクセシビリティに役立ちそうで、大手キャリアなどが動き出してユニコードコンソーシアムへユニコード追加申請の動きがあってほしいと願っているものです。

絵ことばブリスシンボルや人工言語トキポナの文字もユニコードコンソーシアムに追加申請されたこともあり、人工文字によるコミュニケーションの重要性が高まっている状況です。

ユニコードでは絵文字の他に、手話言語を表語文字・表音文字化したサットン手話表記法の採用が実現されました。

言語が異なる民族同士や障がい者などのコミュニケーションのために、アクセシビリティ目的として前置詞ピクトグラムやロコス文字など人工文字互換のための絵文字がユニコードに採用される日が来ることを祈っております。