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かりん 2019.12

侵食  加賀塔子

ふたとせの時間をかけて癒えし身にふいに水滴、今度は友が

病といふ沼にひとあし沈みゐる友のましろき足首おもふ

友が押しし扉はいかなる重さもつカウンセリングルームの扉

病む友も歌にするわれ見えぬやう歌稿を本に挟みて会ひぬ

噴水に落ちる雨粒死ぬるとは溶けあふ闇に加はることぞ

日に焼けてをらむか君は  卒論と歌書き過ごす会はぬひと月

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