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円安物価高の今、正規採用でタクシー運転手の道を探る

 円安は金利差だけが原因ではありません。日本が十年も続けて来た大規模金融緩和の影響も多々あります。何しろ円が大量に印刷されましたので、大量に出回って供給過多になれば価値が下がるのは当たり前です。2023年の日銀の国債購入は113兆円に上っているそうですし、昨年末一時的に円高に偏っていた欧州や豪ドルの対円レベルが上昇しつつあります。12月19日に日銀の政策金利会議がありましたが、予想通りでした。金融緩和の停止はアベノミクスの否定を意味しますので急激な方向転換は無理です。従って需給バランスの崩れたままでは今後ともに円安傾向は継続するものと思われます。
 タクシー業界も需給バランスが崩れています。
インバウンドの増加で、勝手が分からない異国での移動にタクシーを使う場面が増えています。成田や羽田など空港へ行く機会も増えていますし、銀座と新宿や渋谷を往復することもしょっちゅうです。
 片やタクシーの台数が足りなくなっています。どのタクシー会社でも車はあるのに動かせずに休車が増えています。運転手が居ないのです。主な原因は高齢化とコロナ時の退職者の増加です。雨が降れば駅前の空車待ちの列はどんどん伸びますし、朝晩の移動がピークの時も同じです。無線は鳴りっ放しになり、走れば手を挙げる人々が次から次と無限に現れます。
そんな現状を踏まえ、業界全体で改善に取り組んでいます。政府筋では二種免許のハードルを下げようとか、ライドシェアなどが上がっていますが根本解決になっていません。

東京駅八重洲口の乗客の列は日常茶飯事です。
休車の群れ(出動できない車両を休車と言います)

 でも、アプリの普及は日々進化しており、AIの活用で客にも運転手にも需要の予測を提供できるようになって来ています。乗りたい時にそこにタクシーがあり、乗せたい時にそこに客がいる、と言う時代が開かれようとしています。運転手になろうにも売り上げが不安定であるとか、アプリで呼んだ直後に空車が通りかかると言う双方の難点が改善されつつあるのです。
 シンプルに考えれば、高齢化社会、多様化する社会ニーズに依り、伸びる業界であるのは間違いありません。元々、利用者からはドアツードアを最低限の負担で利用できるので、非常にリーズナブルです。言わば別荘(自家用運転手付き)とリゾートクラブ(タクシー)のようですね。
 そのニーズがあればこそ経営側から見れば『美味しい業種』であるので、有給休暇が認められるなど企業側の待遇改善も進化しています。勿論、正規雇用です。以前のような3Kのイメージは改善されつつあります。『運ちゃん』などと呼ばれることも無くなっています。(笑)それどころか『ありがとう、運転手さん』と言われる事が度々あります。
 以前の3Kイメージの大元である『労働時間が長い』と言う点も自由度が高くなって来ています。これは隔日勤務と言う形態から生じていますが、メリットでもあったのです。銀行や役所に学校の用事等、平日にしか出来ない用事を休まずにこなせる点はもっとスポットライトを当てられて良い点だと思います。ゴルフや旅行などのレジャーにも有利ですよ。ネットとの併用で『明日どこかへ行こう』などが思いのままに実現できます。何しろ安い。(笑)福岡弾丸旅行など数万円で実現できます。
 あるいは次のステップの為のセミナー参加や自己研鑽に充てている人も多いです。一月十九日からの資産運用EXPOなどは出かける価値があるのではないでしょうか?

 以上のような点でタクシー運転手への転職は一考の余地があるのではないかと思います。


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