「売れる販売員」のルールが変わるとき

7/4(火)の夜、EVERY DENIMさんをお招きし、はじめてDiagonal Run Tokyoのバーカウンターを使って試着販売会を開催しました。

ちょうど夜から雨が降りはじめたこともあって、どうなることかと心配していたのですが、蓋をあけてみれば山脇さん・鳥井さん・私の3人で手一杯になるくらいの盛況ぶりで、私自身もみなさんとゆっくりお話できてとても楽しい時間を過ごすことができました。

この体験から考えたこと、このやり方の可能性については、鳥井さんが早々に記事にしてくださり、私も全文同意なのでぜひご一読をば。

【参考】
▶︎スナックと試着販売のコラボは最高の相性なのかもしれない。/隠居系男子

私は少し角度を変えて、「売れる販売員」のルールについて感じたことを書いてみたいと思います。

落ちこぼれだったからこそ、「接客しなくても売れる」仕組みを考え続けた百貨店時代

いつもプロフィールに「百貨店出身」の肩書きをいれている私ですが、実は接客は大の苦手で、昔から落ちこぼれもいいところでした。

そもそも、「モノ」に興味がない。

対して周りの同期はというと、学生時代からパリコレのショーを見ていたり、そのへんの店員さんよりファッションに詳しい人たちばかり。

洋服という「モノ」が大好きな服オタたちに囲まれた環境で働く中で、モノに興味をもてない私がおかしいんじゃないか、とコンプレックスを感じてきました。

でも、だからこそ当時から真剣に「売る」ということに向き合ってきました。

接客せずに販売につなげるにはどうしたらいいのか?という点からメディアについても勉強したし、「これからの時代、洋服を売る上で必要なこと」で書いた「まずは着て行く場所を作るべき」という考えもこの頃生まれたものです。

接客が苦手だからこそ、どうすれば接客せずに売上を作れるかばかりを考え続けた百貨店時代でした。

私は「接客」が苦手なんじゃない。「モノを介したコミュニケーション」が苦手なんだ。

ずっと苦手意識をもってきた「接客」ですが、今回EVERY DENIMさんの試着販売会を通して気づいたのは、「私はモノの話が苦手なんだ!」ということ。

鳥井さんの記事でも書いていただいた通り、当日はスナックでいうママのような立ち位置で、来てくださったゲストの方々とお酒を飲みつつ世間話に花を咲かせていました。

今回の配置は私がデニム知識がなかったから、という偶然によっておきたものですが、こういう「世間話ポジション」って、実はこれからモノを売る上ですごく重要になっていくんじゃないかと気づくきっかけになりました。

モノが溢れている現代においては、どんな分野でも売りつけようとしてくる存在は嫌われるものです。

だからこそみんな広告に敏感になるし、PR記事やステマへの視線も厳しいものになるのだと思います。

そんな中で、「買ってください」というアピールはただうざいだけ。

モノにフォーカスして話してしまうと、どうしても「買ってください」に帰着してしまうので、販売員さんに話しかけられることをはじめから拒絶してしまうのだと思います。

もちろん、昔から売れる販売員さんというのは相手の懐に入るのがうまい人で、世間話の延長でアイテムを提案できる人でした。

でも、それが通用するのってそもそもモノが好きなお客様だけなんですよね。だって、会話のきっかけが「モノ」だから。

今後より体験が重視されていく中で、モノの話から入っても売れなくなっていくのは当然の流れだと思います。

「売れる販売員」は仕組みでつくる

では、今後のショップではまず何の話から入るべきなのか。

私が今回の販売会を通して気づいたのは「雑談」の重要性です。

一般的なショップでも、ひょんなことから雑談につながった結果、つい買い物して帰ってしまったという経験はないでしょうか?

私は名字が珍しいために出身地の話につながることが多く、そこから話がはずんで買い物をしていただくという経験を何度かしてきました。

そのときから「お客様側がつっこみたくなる部分をつくる」ことの重要性を感じていたのですが、一般的なショップでこのしかけをつくるのは至難の技。

この最初のきっかけさえつかめればほぼ確実に売れるというベテラン販売員さんも、はじめの一言で心をつかむのは難しいものなのです。

だからこそ、バーカウンターやコーヒースタンドなどの雑談が生まれる仕組みによって、能力に関わらずもっと売れる環境が作れるのではないか。今回のイベントで一番感じたのはその可能性でした。

最近はカフェ併設のショップも増えてきましたが、そのほとんどはカフェメインできたついでにちょっとだけショップものぞいて帰る、といった流れになってしまっています。

そこではお客様同士はおろか、店舗スタッフとお客様の間でもほとんどコミュニケーションが生まれていません。

カフェをはじめとする飲食店を単なる集客装置としてではなく、コミュニケーションの発生装置として、改めて捉え直すべきフェーズがきているように思います。

これからどんどん、「ショップ」と「飲食店」の境目はなくなっていく。そう感じたイベントでした。

とはいえ、今回はEVERY DENIMさんのファン層の厚さや鳥井さんの発信力があってこその成功で、誰にでも応用できるフォーマットにするにはもっとブラッシュアップも必要だと思っています。

ただひとつ言えるのは、今後レンタルスペースをつくるなら、バーカウンターとイベントスペースを隣り合わせるレイアウトはかなりおすすめということ。

今回のようなバー形式の販売会は、これから絶対に需要が高まると思います。

そういうスペースがもっとたくさんあれば、他にもいろんなブランドさんのポップアップのお手伝いができそうだな〜と妄想は膨らむばかり。

ちなみに、EVERY DENIMさんの販売会は7/11(火)、18日(火)もDiagonal Run Tokyoで開催します!

私もたくさんの方とお話したいと思っていますので、ぜひ気軽に遊びにきてくださいね〜!

【Diagonal Run Tokyo】
東京都中央区八重洲2丁目8−7 福岡ビル4F
MAP:https://goo.gl/maps/Mb3k9npnhuS2

JR東京駅 徒歩約6分
JR有楽町駅 徒歩約7分
東京メトロ銀座線 京橋駅 徒歩約3分
東京メトロ有楽町線 銀座1丁目駅 徒歩約4分
都営浅草線 宝町駅 徒歩約6分

※ちなみに今日の表紙は、タクロコマ(@takurokoma)さんが撮ってくれた1枚。即席撮影会もたのしかったー!

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最所あさみ

これからの、小売の話をしよう。

ショップは、ただモノを"売る"だけの場所ではなくて。そしてお客様は"買ってくれる"だけの相手でもなくて。明日がくるのが楽しみになるような、そんなショップがそこら中にある世界について考えたことを書いていきます。 (photo by tomoko morishige)

コメント1件

飲食店と併設した服屋であるロンハーマンの店舗や、トッズのトークショーでグラスシャンパンが出て、知らない人同士でトッズの話しながら買い物する風景を思い出しました。納得です。
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