なぜ「CM」よりも「ドラマ」を作るべきなのか

ここ最近ずっと『動画』が注目を浴びていますが、私は数あるジャンルの中でも『ドラマ』にこそその可能性があるのではないかと考えてきました。

これまでファッションとドラマの関係といえば、テレビ局が企画した番組の中で衣装協力をして、店頭で『◯◯さん着用アイテム!』と宣伝したり、SNSで紹介する程度でした。

飲料や化粧品などの広告宣伝費がたっぷり使える業界であれば、ターゲットが見ていそうな番組の広告枠を買ってCMを買う。

それが動画と小売の関係でした。

なぜならば、消費者へ情報を届けるためのチャネルは放送局がほぼ独占していたから。

自分たちで動画を作ってもそれを届けるための手段がなかったし、テレビ局の電波を使って流してもらうには途轍もないほどのお金がかかっていました。

これまでにも一社独占スポンサーの番組(資生堂の『おしゃれカンケイ』などが有名ですね)もありましたが、一部のお金がある企業にしかできないことでした。

しかし今は、YoutubeやInstagram、Twitterなど動画を流すチャネルはたくさんあります。

自分たちのファンがしっかりついていれば観てもらえるし、そこから口コミで広がっていく可能性も大きくなります。

なにより、テレビで流すほどのクオリティじゃなくていいからもっと安く作ってみよう、というチャレンジができるようになったのが大きいと思います。

先日、話題になっていた北欧、暮らしの道具店の短編ドラマ『青葉家のテーブル』を観て、そのことを改めて確信しました。

食卓もライフスタイルもなんとなく『北欧、暮らしの道具店っぽいな』と感じるポイントが散りばめられていて、食器やキッチン用具も主張は控えめなのに魅力的にうつしてあって、観終わった後に『今週末は自家製ジュースを作ってみようかな。あのミキサーってサイトで売ってるのかな』と思った人も多いはず。(私はまんまとハマって、しばらくサイトを徘徊しました。笑)

また、このドラマがうまいなと思ったのは15分程度というドラマにしては比較的短い尺であること。

これはスマホで見ることに最適化された尺だと思います。

5分、10分ではプロモーションビデオになってしまう。
でも30分以上だと見るのに気合を必要としてしまう。

ちなみに一般的な1時間ドラマはだいたい15分ごとにCMが入りますが、人間の1つのストーリーへの集中力は15分が限界なのかもしれません。

これは私自身、最近Netflixを観ていて気づいたことでもあります。

ちなみにアメリカではじわじわと『ドラマコマース』が盛り上がっているようなのですが、その大半がドラマを観ながら気になる商品をタップして詳細がみれたり、購入できるというもの。

一見いい仕組みのように思いますが、実際ドラマの世界に投入しているときに『これが欲しい』と行動を起こすようなことはそうそうしませんし、むしろ広告が合間に挟まってくるということでブランドへマイナスイメージをつけることにもつながりかねません。

それよりも、動画が終わった後に『今回でてきたアイテムの紹介』のようなCMタイムを挟む方が、実は効果が高いのではないかと考え始めました。

ちなみにドラマ『校閲ガール』のInstagramアカウントでは毎話終了後に主人公のファッションチェックを投稿していたようで、動画は動画として楽しんでもらい、探したい人がすぐに探せるような仕組みの方が重要なのではないかと思います。

(このインスタでの紹介に関しては、スポンサーの兼ね合いもあってかブランドや価格などは書かれていないのが残念ではある)

CMに億単位のお金をかけるより、自分たちの世界観を納得いくかたちで表現すること。

小売における動画の使い方は、『商品を広める』ためではなく『その世界のへ憧れを高める』ことにこそ、意味があるのかもしれません。

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最所あさみ

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最所あさみ

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