「小さい集合体」の強さ

私の興味関心は昔から変わらず、『いかに長く続くものを作るか』。

それは単に容れ物としての会社やお店、商品が続くということではなく、いかに文化と精神性が受け継がれていくか、ということでもあります。

先日石川善樹さんとそんな話をしていた時に、クラシコムの青木さんとサンマリノ共和国大使の対談記事をおすすめされ、『小さくあり続けることの強さ』について考えさせられました。

この記事の内容を引きながら石川さんが言っていたのが『大きくなって、価値がわかりやすくなるとみんなが欲しがるでしょう。そうすると、必然的に戦わざるを得ないわけですよね』という話。

そして戦うことは全員を疲弊させ、余裕を奪い、文化の育成を阻むことにつながります。

もちろん切磋琢磨することは必要ですが、誰かの生存可能性を奪って自分の利益を大きくしようとすることは、短期的には得になっても長く続かないことの方が多いのではないか、と思うのです。

昨年こんな記事を書いたのですが、

日本が目指すべきは『スモールビジネス大国』である、という考えは、最近いよいよ私の中で確信に近づきつつあります。

これまでお手本として私たちが参考にしてきたシリコンバレーや、今まさに盛り上がりを見せる中国の動きはとてもダイナミックで、夢に溢れています。

一方で、私たちがジャパン・アズ・ナンバーワンだった頃に戻るべきかというと、私はむしろ経済成長の競争からいかに早く『降りる』かの方が重要なのではないかと思っています。

『あの国は豊かだ』と認識されないこと、羨ましがられないこと、でもなぜだか惹かれて行ってみたいと思ってもらうこと。

そのために必要なのが、規模は小さくてもそれぞれの基準で豊かに暮らしている組織の集合体であり続けることなのだと思います。

また、そこで重要なのは統一の基準ではなく『それぞれの基準』によって豊かさを測ること。

同じ基準によって作られたものはアウトプットの方向性も似てくるし、何より結果的にどこかひとつに統合されてしまうことが多いものです。

合併してもシナジーが生まれない、誰の得にもならないくらい価値基準が異なるもの同士が集まっていることで、どこかひとつを攻めても意味がなく、攻める価値がなくなることによって文化が守られていくのです。

私はよくこの話をモールと商店街の違いに例えて話すのですが、大資本が意図を持ってリーシングしたモールと、個人事業主が自然発生的に集まって形成してい商店街では、同じ『商店の集合体』でもその毛色はまったく異なります。

誰かひとりの意志ではなく、各プレイヤーの独立した意志が相互作用をうむことで、価値の源泉がどこにあり、どこを攻めればその価値が手に入るのかのポイントをあえてあやふやにしてしまうこと。

『小さい集合体』には、そんな強さがあるのではないかと私は思っています。

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今日のおまけは、小さくあり続けるために重要な『奥』の考え方について。

無料部分の『小さい集合体』という話を石川善樹さんとしていたときにもうひとつ話したのが、

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最所あさみ

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最所あさみ

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