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INGRESS 神戸アノマリーとMISSION DAYに参加してきました


◼️ご挨拶


 皆さんこんにちは、お久しぶりです。お世話になっております。
INGRESSでは大阪エリアを中心に日本全国どこにでも現れるENLエージェント kizokuchan でございます。

 今回は、去る2023年9月16日(土)に開催されたCtrlアノマリー神戸、そして翌9月17日(日)MISSION DAY神戸に参加した記録を書いていこうと思います。「去る」とは書いたものの、既に半年近くが過ぎ去っており去りも去った感が拭えませんがその点はご容赦ください。冒頭でもご挨拶した通り大阪在住の私にとっては神戸は庭先のようなものでして、今回は残念ながら面白い経路を経てアノマリー開催現地までたどり着くという行動が取りにくかったため、すんなりと神戸に着いてからのお話となります。その代わりアノマリー本編は大変エキサイティングな記録になっていると思います。よろしければお付き合いください。

◾️アノマリーの位置付けとルールのおさらい

 ではまず、INGRESSにおけるアノマリーの位置付けと今回のアノマリールールについて簡単に触れておきます。詳しい話は前回6月の上田アノマリーにおいても説明しています。今回もほぼ同じようなルールで行われますので変更点を強調してお話しします。

 アノマリーというのは、INGRESSにおけるストーリーの展開を左右するでっかいイベントだと思って下さい。INGRESSのストーリー的には、謎の物質であるXM(Exotic Matter)を積極的に受け入れて「人類を覚醒に導こうぜ!」とするEnlightened(ENL、緑)と、「そんな得体の知れない危ねえやつはダメに決まってんだろ」とするResistance(RES、青)の二勢力に分かれて日々戦っているということになっておりまして、アノマリーにおいて行われる特別なルール下の各種バトルの勝敗結果によって、その先のストーリーの分岐が勝った勢力がより優勢になるような展開に持って行きやすくなる、という感じのイベントなのです。

 AGの皆様におかれましては、日々自分の住んでいる地域や旅行先、遠征先などで相手のポータルを焼き、キャプチャし、あるいはCFを作成して自軍の拡大に勤しんでおられることかと思います。アノマリーとはそんな日常から突出した「特異点」であり、今後の展開を大きく変えることができる重要なポイントである、という位置付けになっています。

 アノマリーには毎回特別なネーミングが付けられています。開催地も世界各国色々ありました。過去には東京で「Darsana」、京都で「Shonin」、大阪で「EXO5」などのアノマリーが開催されました。また、最近では3ヶ月を区切りとしてシリーズが設定され、毎月世界のどこかでプライマリーサイト1ヶ所とサテライト数ヶ所によるアノマリーが開催され、各都市の勝敗結果を総合してそのシリーズの勝敗が決まるような流れになってきています。前回の長野県上田市は「Echo」というアノマリーシリーズのPhase3のサテライト都市、という位置付けになっていました。今回のシリーズには「Ctrl」という名称が付けられており、7月〜9月の3ヶ月間3回にわたって各都市でバトルイベントが開催されます。神戸は最終PhaseであるPhase3のプライマリーサイトとなっています。プライマリーサイトではサテライトの3倍の配点が与えられますので、ここでの結果はアノマリー全体の勝敗に大きく影響することになります。

 アノマリーに参加して条件を満たすと、アノマリー参加記念メダルがゲーム内で付与されます。過去には「参加登録をして、当日現地の特定のポータルをハックする」とか、参加記念キットの中にパスコード入りの参加記念メダルカードが入っている」などの条件がありました。今回の条件は特に事前の手続きは必要なく、「NIAが設置したバトルビーコンに5回以上参加する」ことでした。これについては後の項で詳しく説明するとして、まずはアノマリー本戦のルールについて説明します。

①バトルビーコンによるバトル

オレンジでマーキングされたポータルが対象


 事前にNIAによって神戸市内の「対象ポータル」にマーキングが点灯します。
アノマリー当日の14〜17時の間で、対象ポータルにNIAがバトルビーコンを設置します。どの対象ポータルにいつバトルビーコンが入るかはわかりません。

 バトルビーコンはwave1から7までの7回に分けて設置されます。一つのポータルが複数回対象になることもあります。バトルビーコンが設置されたら、各陣営が全力で奪い合いをします。投入されるバトルビーコンはRAREですので、1度のバトルビーコン設置でフェーズが3つあり、各フェーズの制限時間終了時にキャプチャしている側の得点になります。フェーズ1〜3の素点は2、3、4点となっています。通常はこの3フェーズ終了時での獲得素点の多い方が勝ちとなりますが、アノマリールールでは各フェーズで獲得したエリア内全ての素点の合計がそのまま陣営の素点としてwaveごとに集計されます。フェーズ1、2で2+3点取ったから勝ち確なんでフェーズ3は放っておいてもいいや‥というわけにはいかず、フェーズ3の4点獲得もかなり大きいので守り切る必要が出てきます。エリア内に点在して発生するバトルビーコンに対して満遍なく人が付いて素点獲得に励む必要も出てきます。また、「ボラタイル」という特別なマークが付いた特定のポータルでは獲得素点がそのまま3倍される箇所があります(6、9、12点)。このバトルビーコン戦がインターバルを挟んで7回行われます。

 7回あるwaveごとに陣営ごとの獲得素点が集計されます。そして7回のwaveのうち、各陣営の最高獲得素点同士の比率でプライマリーサイトでは300ポイントを分配します。
例:7回のうちENL最高合計素点はwave3の1,200点、RES最高合計素点はwave5の1,800点
→1200:1800=4:6なのでENL120ポイント、RES180ポイント

 このルールですと、7回のwaveのうちコンスタントに平均点を稼ぐより、どこかで瞬間風速を出した方が有利ということになりますが、だからといって瞬間風速を出すwave以外で手を抜くと相手方の圧勝で逆に瞬間風速を出されてしまうので、結局「ずっと手を抜いてはいけない」ということになります。

 さらに今回は「GORUCK」という行軍イベントも併設で開催されています。詳しい説明は省きますが、有志が緑青の陣営に分かれてチームを結成し、10kg程度のウェイトと飲み物を背負って教官が出すお題を体を動かしながらクリアしていき、より多くのポイントを獲得した方が勝ちという力こそパワーみたいな感じのイベントです。イベントは3種類あり、Stealth、Urban、OPRがあります。INGRESSのスキャナ上で何かをするものではないので下手すると一回も画面を開かないまま勝負が終わることもよくあります。有料イベントですが参加するとそれぞれに実績メダルがスキャナ上で付与されます。

 で、これにはなんの意味があるのと申しますと、今回のルールではUrbanに勝った方の陣営は前述のバトルビーコンによる獲得素点のうち、自軍のどこかのwaveの合計素点を20%増量するか、相手のどこかのwaveの合計素点を20%減量させることができます。ちなみにどのwaveにするかはアノマリー開始前に申告しておかなければならないので、狙い撃ちをする必要が出てきます。どこがブーストされるのかはアノマリー本戦中は公開されることはありません。が、ブーストを申告した人間とその周辺の人間は当然知っていますので、そのwaveで高めの素点を獲得できるように作戦を組むことになるでしょう。Urban Opsはアノマリー当日のアノマリー開始前に実施されます。つまりUrban参加者はアノマリー当日の朝からお天道様の下で自軍が有利になるかならないかのブースト権をかけた勝負でハードワークをこなした後、そのままアノマリー本戦になだれ込んでいくことになるわけです。なんてタフな人たちだ、戦士達に拍手を。

 そして、アノマリーに参加した記念メダルがもらえる条件がこの「バトルビーコン戦に5回参加すること」となっています。ではどうすれば参加したことになるのかというと、NIAがアノマリーエリア内の対象ポータルに設置したバトルビーコンが発動中のポータルに対して

•レゾネーターを挿す
•他人のレゾネーターをアップグレードする(自分のはダメ)
•敵のレゾネーターを攻撃、もしくは破壊する
•敵のMODを破壊する
•リンクを破壊する
•ポータルをリチャージする

といった行動のいずれかを達成すれば1回参加したことになります。ですから、現地参戦さえすればバトルビーコン発生中のポータルに適当にレゾ挿しをしたり、ポータル密集地で何も考えずバースターをバシバシ撃っているだけでまず間違いなくメダル付与の条件を満たすことが出来ます。

 例外的に、「ポータルへのリチャージ」だけは現地でなくとも遠隔リチャージも含め有効と判定されます。ですので、アノマリー開催地にバトルビーコン設置対象ポータルのマーキングが出た時点で事前にそれらポータルのキーをたくさん集め、アノマリー当日にバトルビーコンが発生しているポータルをキー経由で参照してうまいことリチャージが通り、それがのべ5ヶ所のバトルビーコン戦で成功すれば参加扱いになります。遠隔リチャージはおよそ自分の位置から4,000km以内の距離にあるポータルに対して可能となっていますので、日本国内同士なら大体どこにいても遠隔リチャージが可能ですし、韓国台湾などの近隣諸国くらいなら相互に遠隔リチャージが可能です。この仕様を利用して、

•アノマリー当日は予定があって現地参加はできないので、事前に現地へ行ってキーを大量に仕入れ、アノマリー当日はリチャージのみで参加する
•現地エージェントや知人の伝手でキーを分けてもらい、遠隔リチャージで参加する
•国内や近隣外国のアノマリーにおいて、組織的に現地のキーを大量に仕入れて有志複数名に配り、全員で遠隔リチャージする

などの方法で遠隔地からアノマリーに間接的に参加することが出来ます。特に3番目の手法は「リチャ会」と呼ばれていて、双方陣営が有志を募って開催しているようです。リチャ会は現地で戦っている味方の支援になりますし、国内や近隣アジア各国で行われるアノマリーに行けないけどメダルが欲しい人への救済策のような位置付けになっています。

②シャード戦によるバトル


 俗に「玉入れ」とか「玉転がし」とか呼ばれるものです。
「シャード」と呼ばれる、ピラミッドをひっくり返したような形のオブジェクトがポータル上に出現するので、「ターゲットポータル」と呼ばれる自軍のゴールまでリンクを繋いで誘導し、うまいことゴールさせよう、という競技です。

 今回のアノマリーでは開始1分前の13時59分に陣営ごとのターゲットポータル、つまりシャードが辿り着くべきゴールとなるポータルが一気に指定されます。その後14時6分から15分間隔でごとにシャードが複数個、どこかのポータルにバラバラに出現します。シャードは14時9分から約10分ごとに1回、リンクに沿って別のポータルへ移動を行います。このシャードを効率的により多く自軍のゴールへ引っ張って来れるか、という取り合いになるわけです。サテライトではターゲットポータルが各陣営4箇所ずつ、シャードは段階的に2個ずつ合計20個出現します。プライマリーサイトの神戸ではターゲットポータルが各陣営10ヶ所ずつ、シャードは段階的に5個ずつ合計50個出現します。

シャードがリンクを介して移動するにはいくつか決まりがありまして、
•シャードはレベル4以上のポータル同士を繋ぐリンクのみを有効として移動する
•移動できる有効なリンクが2つ以上ある場合、ランダムでどれかへ移動する
•シャードは過去25分以内にいたことがあるポータルへは飛ばない
•シャードがあるポータルから25分以内に動かなかった場合、次の移動判定タイミングで他へワープする
•ターゲットポータルへ到達したシャードは、その後移動することはない
というのが主なものになります。

 シャードが自軍のターゲットポータルにゴールすると得点になります。プライマリーサイトでは1ゴールにつき6ポイント与えられます。ただし、1つのターゲットポータルにつきシャードは5個分のゴールまでしかポイント加算されず、複数のターゲットポータルに対して均等にゴールさせる必要が出てきます。ちなみに1つのターゲットポータルに対してシャード6個目以上のゴールは可能ですが、ポイントとしては無加算になります。意味はないように思えますが、「敵に奪われてゴールされるくらいならこっちで確保して無得点にしちゃえ」的な判断が行われることはあります。高専のロボコンで性格の悪いマシンがやる戦法みたいなやつですね。ともあれ、この50個のシャードを5個ずつ、10箇所ある自軍のターゲットポータルにゴールさせるのが理論値ということになります。アノマリーの時間内にゴールできなかったシャードは双方無得点となります。

 このシャードによるバトルにもGORUCKの影響があります。先程述べたStealth Opsの方は、なんとアノマリー前日の夕方くらいから開始されます。最近は夜半には終了することがほとんどですが、かつてはほぼ徹夜のようなメニューが課されていました。内容もUrbanより過酷です。このイベントに勝利した方の陣営は、今回このシャード戦において「アノマリー開催中、任意の時刻で2回分のジャンプタイミングを挿入できる」という権利が与えられます。追加で挿入するジャンプタイミングは、元々のジャンプタイミングやシャードの新規出現のタイミングとは重複して設定できません。通常10分ごとのジャンプの間のどこかにエキストラでジャンプのタイミングを挿入でき、しかもそのタイミングは自分たちだけが知っている、というアドバンテージが得られるわけですね。これもアノマリー開始前の12時までに勝利陣営の代表者がNIAに申告しておかなければなりません。自分たちだけが知っているエキストラジャンプをうまく使って、敵の意表をついた移動やゴールが狙えるというわけですね。

 以上2つのルールによるバトルが同時に発生しておりまして、まとめますと神戸では
①バトルビーコン戦のwave最高得点同士の比率で300ポイントを分配
②シャード戦最大50個のうち1ゴールにつき6ポイント、最大300ポイントを分配

の合計ポイントで勝敗が決まります。プライマリーサイト1箇所では600ポイント分の獲得を争い、サテライト2箇所ではそれぞれ200ポイントを奪い合います。それが3ヶ月にわたり全3Phase行われますので、シリーズ通して合計3,000ポイントの配分を争い、ポイントの多かった方の勢力がそのアノマリーシリーズを制したことになります。

◾️では、神戸に向かいましょう

 ルールの説明が終わったところで、早速アノマリー当日の記録を書いていきます。なお、当日は同じENLの仲間である友人AGと一緒に行動しています。彼をINGRESSの世界に誘ったのは私ですが、既に私の生涯獲得AP(当時約5億)を抜き去る狂戦士っぷりを発揮しています。過去にはキネカプの生成実験に付き合ってくれたり、各地への遠征や旅行や遊びでしばしば楽しい時間を共にする、長きにわたって付き合いのある親友です。

 大阪から神戸に向かうのは赤子の手をひねる、もとい阪神がアレするよりも極めて簡単で、JRの新快速に乗るか、阪急梅田から神戸線の特急に乗るか、阪神梅田から直通特急あたりに乗っていれば20〜35分ほどで三宮へ到着することができます。というか赤子の手をひねるのにはかなりの悪意が必要で、なかなか出来ることではありません。

 前日の晩に、「まっすぐ神戸に向かうのは簡単だが、どうにかして面白い遠回りができないか」といういつもの悪い癖が出ていた私は、大回り乗車の特例を持ち出して以下のようなルートを考えていました。

大阪07:23→丹波路快速→篠山口08:36
篠山口08:37→福知山線→谷川8:54
谷川09:00→播但線→西脇市09:28
西脇市09:40→播但線→加古川10:26
加古川10:37→新快速→三ノ宮11:06

「大回り乗車」とはJRにおける大都市近郊区間に設定されているエリア内完結の乗車であれば、経路が重複せず途中下車をしない限りどんなルートを辿ろうが最短経路で移動したものとみなして運賃を計算する特例のことです。このルールを活用すると、東京から神田までの切符を使って立川や高崎や小山を回ることができたり、関西では上記に挙げたようなルートで大阪から三ノ宮に向かうことができます。時間に余裕があれば京都と和歌山を回ってから行くことも可能です。

 といった具合で、「一度通ったルートでもたまに通れば新しいポータルでも生えているだろう、ついでに開戦前の最後の補給でもしながら現地へ向かおう」と考えながら布団から這い出たら朝の10時。遠征時の絶対に朝イチの列車に乗らなければならない状況なんかだとまずこんな失態はやらないんですが、多分頭のどこかで「ゆったり起きてゆっくり真っ直ぐ向かえばいいじゃん」という甘えた気持ちがあったのでしょう。いそいそと支度を済ませ、友人AGに連絡を取って大阪駅へ向かいました。

◾️いざ神戸、そして急なOPR

あまりにもイージーな行路

 大阪駅で12時過ぎに友人AGと合流し、JR神戸線新快速に乗って三ノ宮へ向かいます。新快速はJR西日本が誇る実質「追加料金不要の特急」みたいなもので、先に述べた阪急や阪神と並行する路線で乗客獲得のために熾烈な競争を繰り広げてきた結果、高速で大量の輸送量を誇る存在となった関西の雄と言える列車です。時速120〜130km/hで快走する新快速の車内では確実に高速移動ペナルティが発生し、ほとんどのポータルをハックすることができません。移動中はWayfarerでポータル審査を急いで進めることにします。

 遡ることアノマリー前日夕方、アノマリー紹介ページに急遽、「INGRESSゲーム内ステータスのOPR AgreementsのWeekly実績が50以上の状態で専用フォームに登録し、現地のNL-1331ポータルをハックすると、後日OPR Liveメダルが付与される、フォームに申請できる時間は当日の10〜14時まで」という説明が追加されたという情報が入ってきました。直前になって急遽追加されたリワードのようで、多くのAGが夏休み最終日に駆け込みで宿題をやる学生のようにポータル審査をすることになりました。あまりも急すぎるだろ。

パターン化した候補しか出ねえんだから審査もパターン化するだろ

 私も夕方から急いでポータルを審査し始めましたが、出てくる候補の5つに3つくらいは今流行りの「地域の掲示板」というやつで、必然的に同じような評価を連発することになるのですが、スピーディーに処理を繰り返していると突然「クールダウン」なるペナルティを受けることがあります。要するに「お前は同じような評価を高速で繰り返している、真面目にやってないだろ、2時間待ちの刑だ」という感じです。同じような候補が沢山出てくるので同じような評価をしていたらbot扱いされてペナルティを喰らい2時間待ちになる、という仕打ちは明日までにReconの実績を50伸ばさねばならない時にかなりの痛手です。その後もクールタイムが明けるたびに慎重に素早く審査を繰り返しましたが、何度か同じようなペナルティを受け、深夜1時にまたクールタイムが発動したので諦めて一旦寝ることにしました。寝坊の原因の一つはこれです。

 OPR Agreementsの実績は自分がポータル審査を1件終えるだけでは加算されません。その審査したポータル対象について、複数人の審査を受け、最終的にポータルとしてLiveすることが決定するか、あるいは否決がされないと1件完了とはならないのです。従って50の実績を得るために単純に50件の審査をすれば良いというものではなく、体感的に約5件の審査をすると時間差で実績が1〜2増える程度となっています。そこから更に半日〜1日待つとジワジワと実績が伸びてきます。よって50の実績を手早く得るためには250件程度の審査を完了しておくと安心できる範囲と言えるでしょう。私がクールタイムに心折れて就寝した時点では実績はまだ20にも満たない状況でした。ですので、Wayfarerチームが来ているポートアイランドの市民広場に着くまでになんとか審査の数をこなして実績50を間に合わせようという魂胆でした。

 新快速に乗って12時30分過ぎに三ノ宮へ到着。ちなみにJRの駅だけが3文字の「三ノ宮」を採用し、阪急や阪神、神戸市営地下鉄などは「三宮」や「神戸三宮」と表記しています。読みは同じです。改札を出てすぐさまポートライナー乗り場へ向かいます。NL-1331日本版キット受け取りと、前述のWayfarerチームの拠点がある市民広場へ行くためです。市民広場にはアノマリー後のアフターパーティーでも行くことになるので、都合2往復することになります。なので通常の運賃を払うより少しお得になるポートライナーの1日乗車券を購入して市民広場へ向かいました。

 市民広場でまず事前に注文しておいたNL-1331のキットを受け取ります。日本版は北米版やニュージーランド版と少しアイテム構成が異なり、ピンバッジなどが付属しておらず、NL-1331日本版メダルカードとパッチやステッカー、それにロードアウトカードがメインでした。なんで日本版だけ内容物ショボくしちゃったんでしょうか。事前販売の売れ行きが良くなかったのか、ランダム封入でロードアウトカードにNianticのジョン•ハンケ氏や川島氏のサイン入りのものが用意されたようです。また、キットの中にこれまたランダムで、アノマリーに関する重要情報(おそらくシャードやターゲットポータルの出現位置)が入っている場合もあったようです。どんなテコ入れ販促だ。キットの受け渡し場所の近くにはNiantic日本法人の村井社長がいらっしゃり、希望者のキットにサインを入れてくれていました。

 キットを受け取ったら次に、Wayfarerチームのテントを訪れました。ここではReconメダルの実績色に応じてグッズがもらえます。実績2,500以上の金だとピンバッヂ、5,000以上のプラチナだとTシャツ、10,000以上のオニキスだとキャップがもらえます。私は金だったのでピンバッヂが貰えました。同様の特典は先月行われたポケモンGOフェス大阪でもあり、その際は金でTシャツでした。INGRESSの方がポータル審査猛者が多いと判断されて特典のハードルが上がったんでしょうかね。

 テントにQRコードが2つ掲示してあり、1つは前述のOPRメダルをもらうためのフォーム、もう1つはアンケートフォームでした。気になる実績はというとまだ30程度で合格ラインを満たしてはいませんでしたので、念のため各フォームのURLだけコピーして控えた上で会場を後にしました。

 ちなみに当初のフォーム有効時間の10〜14時というのは、ちょうどGORUCK Urban Opsが行われている真っ最中であり、チームの勝利のために肉体を駆使して戦ってくれている人たちは会場を訪れてフォームから申請ができないという問題がありました。この点についてWayfarerチームに意見した方がいたらしく、その際にスタッフから「フォーム自体はアノマリー翌日まで有効なので、そこまでに入力してもらえればいけると思って問題ない」との回答があったようで、その情報を聞いた私はまだ可能性があると思い、ひとまず17時まではアノマリーに専念し、また今晩審査を頑張ればなんとか50には辿り着けるだろうと考えって一旦審査のことは忘れることにしました

◾️加速する闘志、加熱する端末

 市民広場を後にして再びポートライナーで三ノ宮へ戻ります。いよいよもう少しで戦いの始まりです。今回のCtrlアノマリーの現状を簡単におさらいしておきますと、Phase2が終了した時点でのトータルポイントが ENL 1016:RES 927というなかなか拮抗したポイント配分になっており、最終のPhase3が行われる3都市の結果で最終の勝敗が重要になる局面でした。とりわけ、プライマリーサイトである神戸の配点はMAX600ポイントであり、ここで大きく点差が開く結果となればそれでアノマリー全体の勝敗がほぼ決するような状況です。まさに天下分け目、双方絶対に負けられない戦いがそこにはありました。

 私やENLのAG諸氏の闘志に火をつけてしまった出来事も少し前にありました。武士の情けで名前出しは控えますが、あるRESのAGが神戸地域のIntelMapスクショと共におおよそ次の主旨のような発言をX(旧Twitter)で行ったのです。

「神戸アノマリーは今までとは違う、ここは日常的にRES圧勝の地域です。ENLは死滅しています、歴史が変わるのを見るならここしかありません、集え!」



?  ?  ?


これは大変なことやと思うよ


 事実として、現在の神戸エリア近辺は恒常的にRESが優勢な地域です。人工島の六甲アイランドやポートアイランドからは淡路島や四国へ向けて多数のリンクが張られてCFを形成していますし、神戸の山手側や少し西の須磨エリアでも巨大な多重CFが常設で幅を利かせています。セル内のMUsで競うグローバルスコアも常勝と言って良いでしょう。しかしですね、一番大事なポイントは

それってアノマリーの勝敗に関係ある??

という処なんですよね。
そもそもアノマリーとは「非日常」のイベントであり、

•日本全国、世界各地からAGが多数来訪して闘うイベントであり、地元の数十人レベルで争っている日常的な優劣はあまり関係ない
•今回のルール上、エリア内のMUsは勝敗に関係ないため、巨大なCFで覆うことにあまり意味はない
•巨大CF下でもアノマリー中は8km未満のリンクが可能なため、余程の長距離でなければリンク生成に支障が無い

などの点を少し冷静な目で考えてみると、何を根拠に「ここなら勝てる、勝つならここしかない」と言っているのか全く分からなかったのです。そもそもアノマリーの対象エリアである三宮〜神戸の中心部は先述のCFに覆われておらず、繁華街や鉄道駅の周辺であることから焼いたり焼かれたりのやり取りが激しい、所謂「砂場」とされる箇所なので尚更です。

 当該発言を目にしたAGもかなりの数おられたと思いますが、中には当然のように「普段の盤面や支配率に何の関係が?」や「アノマリーって神戸の人間だけでやるものじゃないんですよ」と意見している人も見かけました。しかし当人は自信満々に「盤面見てみろ、効いてる効いてる」を繰り返す始末で聞く耳を持っていないようでした。

 というわけで、そういうことなら我々の答えはもう「よしよしわかったわかった、分からせてやろう」となるのは必然でして、「勝つならここしかない」とまで言っている場所で敗北を味わわせてやろうじゃねえかという感じの気持ちになっていきました。そうした闘志を漲らせながら我々は三ノ宮の駅構内を通り抜け、ジャンカラ北野坂店へ入店したのでした。

 ……ジャンカラ!?

 私kizokuchanのingressにおける基本プレイスタイルは「つるまない、怯まない、躊躇わない」であり、アノマリーにおいても基本的にはチームを組んで行動することはなく、好きなように暴れ回っているというのが現実です。加えてアノマリー当日の神戸は残暑厳しく、最高気温が33〜34℃になることが予想されており、ヘタに外を歩き回っていると自分は大丈夫でも端末に熱がこもってダメになってしまう可能性がありました。というか8月に大阪で開催されたポケモンGOフェス参加時には実際に端末が過熱で一定時間ダメになっていました。

 というわけで、ジャンカラの一室を17時まで借りておき、ここを拠点とした上で必要に応じて外へ出て遊撃するスタイルを取ることにしました。ジャンカラの部屋にいることでエアコンが効いている、充電ができる、Wifiが使える、ドリンクが飲み放題、気が向いたら歌も歌える、など多数のメリットがあります。

ジャンカラの一室より

 そんなわけでAP6億と5億の人間が13時30分過ぎにカラオケルームに入室。幸いにして部屋の中から2つ以上のポータルがレンジインし、位置ブレによって更にもう2つくらいは触れそうな環境であることを確認できました。昼飯もまだだったので早速フードメニューから各々好きなものを注文して腹ごしらえ。腹が膨れたら気分が良くなったのでお互い1曲ずつ歌うことに。友人 AGは景気づけに「覚醒」というタイトルの曲を披露していました。hydeのevergreenでも歌えばよかったかな。

 ちなみにこの辺りで、「Stealth OpsはRESの勝利、Urban OpsはENLの勝利」という情報も入ってきました。つまりRESはシャードのエキストラジャンプタイミング2回を挿入でき、ENLはバトルビーコン7waveのうちどこかのwaveの素点を2割増しにできるということになります。

◾️タゲポだ!真下にいるぞ!!

まさかの敵本陣真っ只中

 そんなこんなで14時直前、いよいよ戦いの始まりだと思ったその瞬間、そいつはやってきました。なんとレンジインしているポータルの片方に巨大な青いマーキングが。そう、直下のポータルがシャード戦におけるRESのターゲットポータルになったのです。急いで窓から外を覗いてみると、おそらくRESらしき集団が既にスタンバイ。もしかしたら、NL-1331キットにランダムで封入されている有利情報にターゲットポータルの指定があったのかもしれません。そうと分かった瞬間我々のやることは決まりました。「このターゲットポータルを切れ目なく攻撃し、可能な限りシャードのゴールを阻止する」です。ターゲットポータルはENL用とRES用が分かれており、当然ながら自軍用のタゲポは自軍がキャプチャして、なおかつレゾネーターが8本挿さっているフルデプ状態でなければリンクの生成が出来ません。ですから相手のタゲポのレゾを欠けさせたり、あわよくばキャプチャして奪ってしまうとシャードを導いてくることが非常に困難になります。アノマリー開始時にはお互いに1,000発近いXMPを持参、加えて物資が不足した場合にはSTOREに武器商人セットがあります。

 我々は思い思いにバースターをぶっ放し、ついでに隣のポータルにバトルビーコンが入った場合はそちらにも参戦して力の限り暴れました。ターゲットポータルは14時の時点ではENLがキャプチャしていましたが、オーナーがJARVISであることからRESの免疫管理であることは予想がつきました。案の定、14時5分ごろにADAによって反転が行われました。このまま行くと15時5分ごろには再度ウィルス反転が可能になるわけですが、RESの中で統制が取れているのか、15時過ぎごろからレゾやシールドの追加がぱったりと止み、ENLにキャプチャさせたい意図が読めたので我々は放置していましたが、たまたま通りかかったENLのAGがキャプチャしてしまいあえなく15時5分過ぎに再度反転して取り返されてしまいました。全員が全員コントロール下に置かれるわけではないので、こういうことはしばしば起きるんですね。

囲い込みに成功

 その後もターゲットポータルを中心に激しい戦いが続きました。途中で免疫管理中に設置されたビーコンが終了し、すかさずベリーレアバトルビーコンを投入した勇者がいました。ベリーレアバトルビーコンでは5回のバトルが行われ、バトル終了時に必ず反転が起きるので生成したリンクが一旦全て消えます。その意味でシャードのゴールは非常に難しい状況です。しかしこのわずかな間隙をついてRESはシャードのゴールを決めました。敵ながら見事でした。

一進一退の攻防

 途中、ターゲットポータルの周辺にそのターゲットポータルのキーがポロポロと落ちることがありました。おそらく何度もリンクが切られて外側からのリンク用キーが不足し、外に持って行かせてリンクを再構築しようとしたのかもしれません。しかしここは激戦地。地面に落ちたものを放っておくなどという間の抜けた行為が許される環境でないことは火を見るより明らかです。落ちたものはとりあえず拾っておきます。代わりに2人で全くアノマリーに関係ない他県の山の山頂やららぽーと福岡のνガンダムや北海道の廃駅のポータルキーなどを同じ地面にばら撒いて少し撹乱を狙ってみました。

ゴールを許してしまった

 本戦も終盤に差し掛かり、奮戦も虚しく足元のターゲットポータルには5つのシャードがゴールしていました。1つのターゲットポータルでは理論上満点のゴールということになります。しかし窓の外を見る限りこのポータルにかなりの人数が関与していたようで、良い方に考えれば我々が際限なく撃ち続けたバースターが彼らを食い止め、1秒でもゴールの瞬間を遅くすることに貢献したと思えばここに留まった甲斐はあったのかなと思います。

 ターゲットポータル周辺でやることがなくなったので、16時過ぎにジャンカラを退店し三ノ宮駅の南側へ向かうことにしました。状況に応じてバトルビーコンの加勢を臨機応変に行うためです。チーム戦では押されている箇所にこういう助太刀が入ると形勢が逆転することはよくあります。私はこういう動き方が好きなので、状況を見極めた上で動き回って色々な箇所に加勢で入るスタイルをよくやっています。

 三ノ宮駅北側から海側へ向けて歩き、レンジインしたBB対象ポータルに助太刀をする、という行動を繰り返しながら神戸花時計に到着、ここでNL-1331ポータルをハックします。NL-1331はINGRESSにおけるキャラバン車両みたいな存在で、イベントのある箇所に現れ、そこには臨時のポータルが発生し、これをハックすると「NL-1331 Meet up」の実績が1増えます。また、OPR Liveメダル獲得の条件の一つでもあります。今回は車自体は来ておらずポータルだけがそこにありました。車は心の目で見ろ、ということでしょうか。

◾️結果発表、そして

 この日のために持ち込んだバースターやレゾネーターを吐き出しに吐き出した夕暮れ17時。Ctrlアノマリー神戸が終了しました。参加された皆さんお疲れ様でした。アノマリーの後は昼間に訪れたポートアイランドの市民広場でアフターパーティーが行われ、その中でアノマリー自体の結果も発表されますので、そちらへ移動することにします。既に神戸の海岸近くの税関前あたりまで南下しており、アフパの開始時間まで少し余裕があったのでポートライナーに乗らず歩いて会場へ向かうことにしました。

絶景、神戸大橋

 ポートアイランドへ向かうには神戸大橋を渡る必要があります。道路やポートライナーの両脇に歩道がありますので徒歩でも渡ることができます。橋上から見る神戸の海や夕暮れも乙なものです。

 神戸大橋を渡り切るとポートアイランドの北端に降り立ちます。そこには公園があり、下から神戸大橋を見上げることができます。この橋はFateで印象的な場面にも出てくる橋のモデルになっていて、それゆえこの公園でレイヤーがよく撮影をしています。また釣り人もかなりの人数がここで糸を垂らしています。

これでもかとマキナ

 で、我々はと言いますとこの公園でアノマリー終了直後に大量発生した「マキナ」こと赤ポータルの殲滅に勤しんでいました。アノマリー終了後の17時あたりから神戸市内の各所にマキナが発生しており、このマキナはアノマリー後の特別仕様なのか、白ポの状態であれば1分もしないうちに赤ポに変化する性質を持っています。また、通常のマキナよりも大量のレゾネーターをドロップします。同じ仕様は2022年12月のエピファニードーン横浜の終了後にも発生しました。

 今回はさらに、赤ポータルを焼いて中立にした後キャプチャするとReclaimerの実績が増えますが、それについては「1つのポータルにつき、1人のAGが獲得できるReclaimerの実績は1回限り」のようでした。今回の特別仕様では、赤ポータルを焼いた後の最初のキャプチャ1回のみReclaimer実績が増えるということですね。

 つまり、2人がこの仕様についてとるべき最適解は、
「赤ポを焼いて1人が1レゾを1本挿しして実績獲得、誰かがそれを焼いて挿し直してくれるのを待ち、さらにそれを焼いて白ポのまま少し待ち、赤ポになった時点でまた焼き、もう1人がキャプチャして実績獲得」となり、
これを各ポータルに対して行うことで両名ともReclaimerの実績を効率よく伸ばすことができました。まあ最後の方は見境なく焼くだけ焼いてドロップした4レゾを大量に拾っていただけになったんですけどね。アノマリー後の補給としては上々だったと思います。

御存知 風船おじさん

 そんな感じで少しずつ島内を南下しながら徒歩で市民広場に到着、アフターパーティーの会場は既に闘いを終えた多数のエージェントが集まっていました。アフターパーティーは18時30分にスタート。まずはNianticの川島氏がご挨拶。続いて両陣営PoCの紹介、ENLIGHMON氏が狙ったのかマジボケなのか、例の風船を前後逆に被って登壇しました。さらにMISSION DAY担当AG、頒布会担当AGなどが紹介されました。アノマリー初参加だという人に挙手を求めたところ、思ったより多くの方が挙手されて川島氏も喜んでいました。

 そしていよいよアノマリーの結果発表。壇上にはNIAのブライアン•ローズ氏やジョン・ハンケ氏も登場。ブライアン氏が結果を英語で読み上げ、川島氏がその場で和訳して伝えてくれます。

バトルビーコンの結果、2割増しは効きますね

 シャードバトルの結果はENLが30ゴールで180ポイント、RESが19ゴールで114ポイントでした。50個出現したシャードが両軍合わせて49個ゴールしたのは凄い事ですね。ビーコンバトルの結果は、ENLがwave4の素点2271に20%のブーストを掛けて2725、RESがwave7で最大得点933でしたので、この素点の比率で300ポイントを分配し、ENL223:RES77となりました。

 以上より、神戸アノマリーの結果は
ENL403:RES191でENLの勝利となりました!

勝利!!

 サテライト開催のランス(フランス)ではENL116:RES80でENLの勝利、タコマ(アメリカ)ではENL137:RES63でENLが勝利しました。以上よりCtrlアノマリーPhase3の総獲得ポイントはENL656:RES334となりました。な阪関無。そしてPhase2までのポイントと合計すると…
ENL1672:RES1261 となり、CtrlシリーズはENLが制しました。

「The Enlighteeeeeeeeeen!!」神戸の勝者を高らかに叫ぶブライアン氏。緑色のライトに包まれる会場、拳を天に突き上げるENLの同志たち。今まで何度も日本国内の違う場所でこの空気を体験してきました。勝利の瞬間の歓喜は何度味わっても良いものです。

 その後、新たにリリースされたモンハンNowの紹介があり、アフパ後にアイテムが貰えるプロモーションコード付きのカードが配られることが発表されました。さらにマキナの活動に変化が現れたことが報告され、その後マキナは自然減衰し、あるいはAGに焼かれて消滅して、約3週間の間は世界から姿を消すことになりました。

アフパ終了後はNIAスタッフとAGの交流タイム。川島氏やハンケ氏等とBioカードを交換したり、サインを貰ったりゲームについて思っていることを伝えたり、記念撮影をしたり、あとはアノマリー中はそれぞれの行動に専念していたAG同士がここでやっと一息つけてお互いの労をねぎらったり、遠方でなかなか会えない人達が再会を喜んだり…
そんな光景を見ていると、まだまだ完全な収束には至ってないとはいえ「ようやくここまで戻ってきたのだな」と思わずにはいられませんでした。我々も各スタッフとカード交換して記念撮影を行い、これからもこんな風に皆が集まってワイワイできることを願って会場を後にしました。

◾️勝って飲む酒は美味いか

 アフパの会場を後にした我々は再びポートライナーの駅へ向かいました。おそらく多くのENLの方は近くのホテルのホールを貸し切って行われた祝勝会の会場へ向かったことでしょう。しかし貪欲な我々はこう考えました。

「せっかくポートライナーの1日券を買ったのだから終点の神戸空港まで行ってみようじゃないか、ユニーク稼ぎついでに」

 というわけでこの時間から空港へ向かう人なんかそうそういる訳もなく、乗客もまばらな神戸空港行きに乗って終点の神戸空港へ移動。途中駅の「計算科学センター駅」は3年前まで「京コンピュータ前駅」でしたが、スパコンが富岳へと変わり、今後スパコンが変わるたびにいちいち駅名を変えてられないので前述の駅名になりました。

 神戸空港に着いたら当然やることはユニークポータルの回収です。そしてせっかく空港へ来たのでターミナル内を歩いてみたり、展望デッキへ出て離発着する飛行機を眺めたり、その展望デッキにあった巨大なブロッコリーのオブジェクトをポータル申請してみたりして楽しい時間を過ごしました。帰りのポートライナーは始発とはいえ、飛行機で到着し神戸市内へ向かう旅客とタイミングが被ってしまうと殺人的に混んでしまうので、少しずらして乗車し三宮へ戻ることにしました。

勝利の美酒

 三宮へ戻って来たので2人で小さな祝勝会をするべく駅近くの居酒屋に入店。既に時刻は22時半、遅くとも終電で大阪までは戻らないといけませんので猶予は約1時間で、サクッと飲み食いすることにしました。キンキンに冷えた生で乾杯して今日の感想を話し合い、明日の行動予定を大まかに決めてお造りやつまみを次々と腹に収め、小一時間で退店。終電で大阪に戻って解散となりました。上田以来約3ヶ月ぶり、熱狂のアノマリー当日はこうして幕を閉じました。

◼️MISSION DAY

 日付は変わって9月17日(日)、イキのいいAGは0時を回ったあたりから動き出しているのをログで確認しながらゆったりと起床。元気があれば早起きして前日計画していながら寝坊して諦めた大回りコースで再び神戸入りする予定でしたが、疲れていたのかぐっすり寝てしまい普通の時間に起きてしまいました。今日は再び神戸へ向かい、MISSION DAYに参加します。

 MISSION DAYはその名の通り都市にまつわるミッションをプレイして街の魅力に触れてもらおうというイベントです。MISSION DAY専用のミッションが18個ないし24個作成され、イベント当日の0時〜24時の間に6つのミッションをクリアするとMISSION DAYの実績が一つ増えます。ミッション自体は後日も残りプレイ可能ですが実績を増やすためには当日中の6個クリアが条件です。大抵は駅や中心部周辺で比較的イージーなミッションが6つ設定され、色々なテーマに沿ったコースや少し郊外まで範囲に含めたチャレンジなコースなどが設定されます。軽くやっておきたいなら簡単な6つをやればOKで、コンプ欲に抗えない方はみっちり全コースやる、というような感じです。

 神戸においては三宮〜神戸間をほぼ海岸線に沿って歩いたり南京町を経由することで簡単に6コース達成できる構成と、山手側の北野や異人館周辺などを巡るコースなどが設定されました。大阪在住の自分としては神戸は庭のようなものでほぼ知り尽くしており、昨日減った分のインベントリ補給も兼ねて海側の簡単なコースをゆっくり回って6コースを達成することにしました。また、税関前近くの施設でAG有志による頒布会も開催されており、ミッションのルート上で立ち寄り可能なので時間があれば寄ることにしました。

 MD神戸では全部で18のミッションが設定され、6個ずつで「ようこそ神戸編」「異人館編」「ディープ神戸編」と分かれていました。このうち「ようこそ神戸編」が比較的お手軽なルートで、三宮駅前から南下して花時計を通り税関前を経由、旧居留地や南京町を抜けて再度海岸沿いをハーバーランドへ向かうものです。ミッションは全てAny Orderでどちらから始めても良いようになっています。そこで今回は異人館編に含まれている湊川神社のミッションから始めて、通常とは逆ルートで三宮まで向かいながら6ミッションをクリアすることにしました。

 昼過ぎに神戸駅の北側にある湊川神社で友人AGと合流、そのまま神戸駅に戻りながら湊川神社ミッションをクリアして駅を通り抜け、ハーバーランドの方へ向かいます。ハーバーランドから海岸沿いに移動してメリケンパークへ移動。休日だけあって各種催し物もたくさんあり、人がかなり多かったです。そんな中ポートタワーの近くにある円形広場で大道芸人の方が芸を披露されているのが目に留まり、それがかなりスキルの高いものだったのでついつい長居をして見てしまいました。

基本的にミッションルートは砂場になります

 その後メリケンパークから南京町、旧居留地を経て税関前に到着。税関前からフェリーターミナルまでは「日本一短い国道」ミッションがあり、国道2号の交差点から神戸港までの国道174号線の総延長187mの区間を歩くものです。本来国道2号が三宮で海側に左折せず、線路に沿ってまっすぐ西進していた頃は三宮駅前から神戸港までが国道174号線でしたが、国道2号線のルート変更によって距離が短くなり、税関前交差点から北側の区間は兵庫県道30号になりました。もともと日本の国道は伊勢神宮や大都市や港へ向かう道路に設定された経緯があり、短くなった今でも車線はかなりの数があり、物流のための重要な道路であることに変わりはないようです。

頒布顔の会場

 AG有志による頒布会は17時までだったのですが我々が到着したのは17時10分ごろ、大道芸の華麗な技の数々に見惚れてすっかり遅くなってしまいました。会場では片付けや搬出作業が行われていて、AGもわずかながら残っており交流をしている様子が見えました。会場を後にして、日本一短い国道ミッションを手早く完了。これで計6ミッションとなり、無事にMISSION DAYの実績が1つ増えたことを確認。あとはゆったり帰るだけとなりました。

 後で聞いた情報ですが、頒布会の会場にWayfarerチームのスタッフが来場していたらしく、その場でOPR Agreementsの週間実績が50を超えている画面を提示するとAG名を控えてくれて、後でOPRメダルが付与されるということになっていたようです。私は再び開いたフォームに必要事項を記入して送信済みでした。なんだか情報が錯綜している上にWayfarerチームの対応もまちまちでよく分からないので、一旦忘れて後で問い合わせなどをすることにしました。

◼️帰りも稼ぐのだ

 神戸でやるべきことは粗方終えて、あとは帰るだけとなりました。普通に考えれば三宮駅まで戻ってお好きな電車で大阪まで帰ればいいだけなのですが、昨日からのアイテムの消耗もどうにかしたいのと、ここまでアクティブに動いてきたんだから延長戦があっても良かろうということで友人AGに一つ提案をします。それは「阪神バスで帰ろう」ということです。

帰りも元気にバスグレス

 ちょうど近くの神戸税関前バス停から阪神バスが出ておりまして、これがなんと三宮駅前を経由した後、ひたすらに国道2号線を東へ向かって走りその終点は阪神西宮駅という代物。本数も十分で1時間に3本はあり、乗車時間は約1時間、運賃は驚愕の230円。国道上を走る路線バスですから沿線のポータル触り放題なんです。これは乗らない手はないということで始発の税関前から乗車。ときおりいいスピードで走る区間もありますが、バスなので出ても50km/h程度とINGRESS的には申し分ない範囲での軽快な走りを続けたバスはほぼ定刻通りに阪神西宮駅に到着。駅前のフードコートで晩飯を腹に納め、そのまま阪神電車に乗って梅田までスムーズな帰還。そして解散。ちなみに阪神西宮からはさらに阪神尼崎までバスが走っていまして、阪神尼崎駅前からは各方面にバスが伸びており、例えば宝塚まで1本で行けたりします。

◼️で、OPRメダルは?

ちゃんと稼ぎました

 さて、紆余曲折あったOPR Liveメダルですが、アノマリー後少し経ってから付与されたという人を数名見かけるようになりました。但しそのほとんどはアノマリー当日にフォームから申請した方や、翌日のMISSION DAY時にWayfarerスタッフへ直接画面を見せて申請した方のみでした。その後しばらく日が過ぎても一向にメダルが付与される気配がないため、アプリ内にある問い合わせフォームから事情を説明し調査を依頼しました。その際に証拠のスクショも添付したことを覚えています。

調査を受け付けると返事が来てから約2週間後に無事OPR Liveメダルが付与され、実績の追加を確認しました。結論から言うと上記2通りの方法以外で申請した人は、こちらから能動的に問い合わせをしないと対応がなされないようです。また、問い合わせをしたのにメダルが付与されない方もいたようでした。

 いずれにせよ、①アノマリー直前でかなり難易度の高い条件提示、②GoRuck参加者への配慮がない受付時間設定、③スタッフによって対応の回答が違うこと、④その後の対応も場当たり的であり漏れも多かったこと、等があり、全体としてなかなか褒められたものではなかったように感じました。最近では機械的にポータル申請が弾かれたり信じられない申請が通ったりとチグハグでそっちも問題になっているようで、Wayfarerチームにはもう少し上手く運営してもらいたいものですね。

◼️まとめ

 久しぶりにほぼ地元と言っていい場所で行われたアノマリーで、気軽に参戦し気軽に一生懸命楽しめましたし、地元ながらまだまだ知らない場所や魅力が埋もれているものだなという発見がありました。やはりINGRESSの本質の一つは「知らない場所へ行く」だなと改めて思えました。これからも全国各地のアノマリーやイベント、MISSION DAYなどにフラリと現れては全力で楽しみたいと思いますので、次のレポをどうぞお楽しみにお待ちください。

それでは皆様、よきINGRESSライフを!

〜了〜




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