ラブデスター名鑑#01楢咲りょうこ&#02坂元タツマ

◆愛◆
ラブデスター名鑑# 01【楢咲りょうこ】
生徒会の三人とは小学校からの幼馴染にして、愛月しのとは大親友の歴史マニア
A組でイジメに遭っているが、逆境にあっても耐え忍ぶ強さを持つ
登場話数4~6話(第1巻)
◆死◆

◆愛◆
ラブデスター名鑑# 02【坂元タツマ】
かつてイジメの対象だったトラウマを持ち、今もその恐怖から抜け出せていないA組の生徒
坂本龍馬のファンであったために楢咲と親しくなるが……
登場話数4~6話(第1巻)
◆死◆

愛は勇気

試験官ファウストにより連れ去られ、理不尽なラブデスター実験に参加させられた月代中学三年生達の中で、
初めて告白を成功させ地球へと帰還したのが彼らだ。

それはつまり、この2人こそが真実の愛に最も近かった存在であるということを示しているのではないだろうか?

登場話数3話の圧倒的スピード感

モブキャラが登場数コマで告白成立して帰還したものを除くと、この登場話数3話での帰還は空良&海野ペアと並んで最短である。
この両ペアに共通する点といえば、実験開始前から好き合っていたという点であろうか。

そう、愛を育むのには時間がかかるのだ。普通は1ヶ月やそこらで真実の愛なんて芽生えないよね。

恐怖を乗り越えた告白

作中説明されている通り、告白の成否を判定する機能は本人の精神コンディションにも左右される。
恐怖という感情が告白を失敗させる壁になると考えると、この二人の成し遂げたことは偉大だ。

告白成功の前例がなく、気分次第で爆死させてくるような試験官が本当に帰還させてくれるのか不明という状況では、そもそもまともな奴は告白なんてしないだろう。

「死への恐怖を目前にし、互いに迷い(ブレ)が生じている」
とか言ってる場合じゃないんだよ、ファウスト、お前が死の恐怖を与えてるんだろうが……

この告白成立で帰還できるという前例は、告白の数が増えるだけでなく、後続の告白成功率の向上にも大いに貢献したはずだ。

二人が乗り越えた恐怖はそれだけではない。
非人道的モブによる衆人環視の最中で、イジメによるトラウマ、死への恐怖、
そして何より実験前の告白ゲームで坂元は楢咲に「好きじゃない」と言ってしまっているのだ。

強制されたものとはいえ、直接そう言われたこと、言ってしまったことで相手に不信感を持っても仕方ないはずなのだが……

恋愛強者、楢咲りょうこ

楢咲女史の恋愛感というか、洞察力は実は作中トップクラスなのではないだろうか?

一度「好きじゃない」と言われた相手が自分を好きであると半ば確信し、自ら告白しに行く……
一見してジウ君を追い詰めた女子たちと似ているようだが、彼女の場合はそこそこ長い付き合いの中でちゃんと見抜いているので格が違う。

そして彼女は主人公組、生徒会の三人が抱える三角関係にも明らかに気付いており、帰還の直前にもしのに助言を残していくのであった。

あの……もうちょっと残ってアドバイス貰えませんかね?
この3人、この後更にいろいろ拗らせるんですよ……大体100話分ぐらい

チュートリアルの終わり

主人公組のキャラクター紹介、月に連れ去られてのルール説明、愚かなモブの爆死、ジウ君の悲劇、そしてこの二人の美しい告白成立を以て「ラブデスター」のチュートリアルは終わる。

一話冒頭のカラー絵のメンツを見ても、この流れは当初から計画されていたと考えられる。
この絵の生徒13人は、生徒会の3人と、楢咲、坂元はいいとして、
3人は登場した話の中で爆死でフルネーム不明、残る5人は見覚え無し……ひっでぇ……
後に主要キャラが無から生えてきたと読者に言われるのも納得だろう。

ラブデスターの美しさと愚かさを同時に摂取できる一巻は非常にオススメである。今なら無料で読めるしね!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?