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4年付き合ってきたスマートスピーカーのこと_スマートスピーカーアドベントカレンダー2020

スマートスピーカーアドベントカレンダー2020
12月19日担当の株式会社サイバード Voice UI部の元木理恵です。

私は、企画・VUIデザイン担当なので、技術的なことは、明日のアドベントカレンダー担当の弊社の篠崎に任せて、私が今、スマートスピーカーに対して感じていることから、今後どう考えて向き合っていくのか、ということを書こうと思います。

2020年は、例年にない年になり、「こういうご時世ですから」という言葉が頻繁に使われた特殊な年でした。

その中でも、新規事業であるスマートスピーカーのコンテンツの企画開発をやり続けさせてもらえたことに、会社に感謝したいと思います。
ありがとうございます!

PoCから始まったスマートスピーカーのコンテンツの企画開発も、気づけばもう4年。長きにわたり、じっくりと向き合って来たと堂々と言える期間になってきました。

そもそも、やはりスマートスピーカーは当たり前ですが、「スピーカー」の形で世の中に放たれました。

Voiceファーストな世の中にこれからはなっていく、と真剣に事業にしようとしていた私たちは思いましたし、実際そういう未来を夢見ていました。

しかし、結果的に2020年時点では、私たちがする経験は、Voiceファーストというよりは、Voiceトリガー。

Voiceをトリガーにすることによって、何かしらが動く。
それはディスプレイ付きの端末であれば目に見える画像なりテキストが表示されるであろうし、スマートホームと連携していれば、カーテンが開いたり、電気が点いたりします。

Voiceで全てが完結することがVoiceファーストの世界ではなく、Voiceをトリガーにして何かが動く世界が、今、目の前に広がっている、ということです。

そうなった時に、ヘッドレス端末(ディスプレイが付いていない端末)においては、最初にただ話しかけるだけの存在に成り下がっているのではないか?という指摘を受けるが、話しかけた先が音声にまつわるものであれば、ユーザー体験としての満足度は高いでしょう。

「アレクサ、ビートルズの音楽をかけて」でビートルズの曲がシャッフル再生される体験は素晴らしいものだし、毎日のように使うものになっています。

我々サードパーティーは、スマートスピーカーのコンテンツを企画開発する際に、スマートスピーカーという額縁を使って、どういう風にやりたいこと、やるべきことを実現するか、ということを考えてきました。

しかし、そうではないのかもしれない、と最近思い始めています。

音声で聞いても長かったり、覚えられなかったり、あまり意味をなさないものであれば、スマートスピーカーのコンテンツである必要はありません。

一般的にユーザーはその体験に対して「これ、スマホでも良くね?」となった瞬間に、スマートスピーカーに一瞬で興味を失うし、我々もそこにコンテンツを供給する意味がなくなってしまいます。

スマートスピーカーという額縁にあったコンテンツを供給すること。もしくは、そうでないならば、完全に割り切ってVoiceトリガーに徹して、アウトプットは別で表現することが、重要なポイントなのではないかと考えています。

使った人が「これ、いいね!」という成功体験を語りたくなるものでしか、サードパーティーのコンテンツは使ってもらえないし、生き残れないのだから。

そう考えると、「こんなご時世だから」こその人々を取り巻くデバイスとその利用比率は変わってきています。

自分自身に置き換えて考えてみても、リモートワークをするようになってから、圧倒的にスマートフォンを使う時間が減り、パソコンに向かっている時間が長くなりました。

それはそう。移動することが少なくなったから。

移動することが少なくなり、パソコンに向かっている時間が長くなると、人々の要求は変化し、また供給するコンテンツも変わってきます。

Voiceトリガーで、リモートワークをしている人に役立つものを新しく生み出すことができれば、夢にまで見たキラーコンテンツになりうるかもしれない。

そのあたりが、これからのビジネスのヒントになってくるのではないかと感じています。

これからも会社が、我々に新規事業をやらせてもらえる限り、今の体制は続きます。

ここらあたりで、誰もが認める大きな結果を出しておく必要がある、と気を引き締めて、2021年を迎えたいと思います。

本年もお世話になり、どうもありがとうございました。
2021年もどうぞよろしくお願い申し上げます。


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