Alexa Day2019登壇で幾つになっても人間は成長出来ると知る

「アウトプットするまでがAlexa Day」とAlexaチャンプの伊東さんがおっしゃっていたが、アウトプットするのは楽ではない。

まず、今回は出張と引っ掛けてAlexa Day2019に初めて参加させていただき、それが終わった途端に、自分の代休と有休をくっつけて、どこかに旅行に行ってしまう様な人間にとっては、常にバックパックに入っているPCを開くことがどれほどのエネルギーが必要なことか。

それは、登壇用の資料を作ったり、ソースを集めたりするよりも、ハードルが高い。とはいえ、自分の中で一つまた階段を上がった様に思った登壇だったので、きっちりとアウトプットをしておこうと思う。

まず、2018年の年末だったか、2019年に入ってすぐだったか。Alexaチャンプの伊東さんから今回のAlexa Day2019への登壇のお誘いがあった。

去年の今頃の私は、Alexa Dayの存在すら知らなくて、登壇デビューすらしていなかった。

たった1年で人間は変われば、変わるものだ。

Alexaスキルの企画・会話設計を会社で仕事として、多数やってきたが、やはり感じるのは、「ユーザー体験が最も大切である」ということだ。

ユーザーがそのスキルを使うことでどの様な体験が得られるか、その体験を得て、ユーザーはどう感じるか、また使いたいと思うのか。

そこを最も大切にして、スキルを作っていかないと、ユーザーは誰もついてこない。

よく言われることに「それは音声でやる意味があるのか?」ということがある。単純に既存のWEBサービスや、アプリサービスの置き換えであれば、スキルとして作る必要はない。

もちろん、新規の市場への挑戦、技術的先行者利益が得られる等、取り組みを行う理由は他にもあるが、それも全て言ってしまえば「作り手の都合」「作り手のエゴ」である。

自分たちが作ったスキルは、まずユーザー体験を第一にしていたかどうか。それを自分の喉元に刃を突きつける様な、あえてそんな登壇内容にすることを決めた。

それは、多くのスキルを作ってきた人間が、一旦ここで己の所業、そして他の人たちの偉業を振り返り、今後のスキルの企画制作に活かしていかないと、市場がどん詰まりになると考えたからだ。それが作ってきた人間の責任である。

伊東さんも、そんな重い感じで私に登壇を依頼してきたつもりはないと思うのだけれども、やはり受けるにはそれくらいの覚悟をしないといけないのではないか、と思ったのだ。

登壇内容は「隣の芝生は青かった?!VoiceUI/UXデザイナーがスキル解剖して気づいたいくつかのこと」


「他人の作ったスキルを解剖して再構築することで、見えてくる何かがあるのではないか」ここに着眼し、まずソースを集め始めたのだが、またそこで葛藤がちゃんと襲ってきた。

他の人が作ったスキルを解剖していくと、人間というものは不思議なもので、「アラ」ばかりがまず目につく。

どうしてこんなふうに作ったのだろうか・・・こういう構造にすることでユーザーがどう感じるかを想像したのだろうか・・・

本音をそのまま言うと、こう言う感情ばかりがまず湧き上がってきた。

このままで良くないなと思った時にふと浮かび上がった考えがあった。

目の前に出された料理について、美味しいとかまずいとか言うことは、誰でも出来る。

自分の感じたままをそのままぶつけることは簡単だ。

でも、それを何もないところから生み出す苦労を慮った時に、責任を放棄した発言、心がない発言は、決して出来ないのだ。

母親が愛情を込めて作ってくれた料理を「まずい」と言える人間はクズである。

それは、スキルにおいても同じだと考える。

誰かが一生懸命、やったこともないことをAlexaの音声デザインガイドを隅から隅まで読んで、そこに書いてあることを咀嚼して、自分の肚に落としてから、企画、会話設計、開発をしていったスキルなのだから、母親の作ってくれた料理と一緒である。

私の今回の登壇内容は、自分に湧き上がってくるクズそのものの悪しき感情と戦い、それをねじ伏せる事から始まったのである。

一度そう言う修羅の感情をねじ伏せると、自分の考え方がどうにも菩薩の様に浄化されると言うのも、今回の経験で私が初めて体験した事である。

「お友達のいいところを見つけよう」

そう初めて教えられた子供の様に、解剖したスキルのいいところがどんどんと見えてきた。

そうすると、まるで自分がそのスキルの企画・会話設計をしたかの様にだんだんと錯覚してくるのだ。

入り込むとそこまで行く、と言うのがよくわかった。

「この部分のスキルフローをこうしなければいけなかった理由は、このAPIを使わないといけなくなったからなんだよなあ・・・」

といった風に。もちろん想像でしかないのだが、作った人の苦労を自分のことの様に感じる様になった。

そこからの解剖と、スキルフローの再構築は、時間はめちゃくちゃかかったが、楽しくやらせていただいた。


普段、「元木さんは会社の仕事、本当にやってるんですか?」と疑われるくらい、毎日をコミュニティ活動や勉強会などの学びの場などのアウトプットとインプットに費やしているが、年が明けてからも変わらず、むしろ加速している様な状況の中で、登壇資料をまとめるのは、本当に修行の様だった。

「Alexa Day2019を成功裏に収めるためには、私のこの登壇をいい加減なものにすることは決して許されない」

その気力だけで、最終的には資料完成まで持っていった気がする。

引用や他の人の作ったスキルの解剖が資料の半分以上を占めるので、インターネットでの公開ができない部分があるのだが、下記が私の登壇資料となる。


これからも、Alexa及びVoiceUIの発展のためには、私の持てるものは全て費やして行こうと思う。

来年は「Voice Con Japan」と名称を刷新し、さらに市場拡大に拍車がかかる明るい未来が待っている。そんな機会にまたお声がかかる様に、2019年の活動を充実させて行こう。

そして、幾つになっても、人間は成長できる。

そう感じた今回の登壇だった。

聞いてくださった皆様、そしてこの様な機会を与えてくださったAlexaチャンプの伊東さん、岡本さん、そして運営に携わったスタッフの皆様。

本当に素晴らしい経験でした。ありがとうございました。


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Rie Motoki

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