見出し画像

愛知県西尾市がスギHD会長に便宜、ワクチン供給は不平等であってもいいから効率よく迅速に

愛知県西尾市がスギ薬局を経営管理するスギホールディングス(スギHD)の会長夫妻に特別な便宜を図ったと話題になっています。本来であればインターネットやコールセンターを利用して申し込む必要がありますが、それをせずに特別なルートで予約を取得したそうです。

読売新聞によるとスギHDの秘書から役所に直接的に打診を行ったのが発端です。その連絡を受けた役所の担当者は断ったのですが、それを聞いた副市長が特別的な予約を指示したそうです。その一方で杉浦会長は健康上の理由で接種を希望してないというのだから訳が分かりません。本人不在の空中戦で副市長ほか関係者が処分されただけの騒動となりました。

この騒動の記事は様々な要素が絡んでいる故に興味深く拝読していました。まずは大企業と地方自治体がいかに近い距離にいるかというのを知れました。普通の感覚であれば「うちの会長を特別扱いして下さい」なんて発想は出てきません。それを例えダメ元であっても役所に直接的に打診してしまったのだから驚きです。いや、むしろそれくらいの行動力があるからこそ大企業たり得るのでしょうか。それを聞いた副市長が特別扱いを実行してしまったのも驚きです。地方自治体が大企業に足を向けきれない一面だと解釈しました。

この騒動がバッシングに繋がったのも驚きました。多くの人が苦労してワクチン接種の予約をしているのに不平等だということです。心情的にそうなるのは理解できます。西尾市の実態は分かりませんが、自治体によっては予約が混雑して大変だと聞くからです。しかし、杉浦会長を上級国民だと揶揄するほどまでして騒ぐことなのかという違和感はあります。

不平等というのであれば、既に年齢で区別されているのも捉えようによっては不平等です。例えばとある自治体では84歳が接種不可で85歳が接種可能という事態となっています。84歳の田中さんが85歳の鈴木さんと比べてリスクが低いという保証はありません。同じ65歳でも所属している自治体によって接種が可能だったり不可能だったりします。これは捉えようによっては不平等です。また、ネットや電話での予約の得手不得手の能力差、秘書でなくとも手助けしてくれる人が居るか居ないかという点も不平等となってしまいます。挙げだしたらきりがありません。

感染症を収束させるという観点で最も重要なのは、少しでも早く多くの人がワクチンを接種することだと考えています。それに必要なのは効率化です。予約枠を確実に埋めていき、供給されるワクチンを余すこと無く接種させるのが最重要命題です。それ以外はどうでも良いと私は考えています。役所から連絡取りやすい人がいるのであれば、こっそりと直接連絡をとってスケジュールを組むのは全体の効率化の観点でいうと選択肢のひとつだとも思います。実際は優遇措置をするとバッシングされると分かったので、役所の余計な仕事を増やさないためにもすべきではないのでしょう。

ワクチンに関する一連の騒動は期待感の表れとも読めます。私も期待しています。効率よく的確にワクチン接種が進み、1日でも早く感染症が収束する日が来るのを願っています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?