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パートナービジネスを開始すべきタイミングとは?

皆さんこんばんは。
パートナーセールスの葛西です。

昨年の4月からこのパートナーセールスnoteを書き始めて、本日のnoteが44記事目となりますが改めて過去のnoteを振り返ってみると、パートナービジネスにおいて非常に大事なテーマについてのnoteを書いていないことに気づきました。。。

そう、それは、「パートナービジネスってどのタイミングで開始(検討)すべきなの?」というクエスチョンに対するnoteです。

この質問ですが、最近とてもありがたいことに、パートナービジネスをこれから立ち上げることを検討しているという方々からご相談いただけることが増えている中で、「パートナービジネスを開始(検討)すべきタイミングはどのフェーズで始めるべきか」という質問を本当によく受けています。ですので、本日はパートナービジネスを開始(検討)すべきタイミングについて、書かせていただければと思います。


さて、パートナービジネスを開始していく上で、まず大きくは最低限このフェーズ・状態はクリアしておかないと開始すべきではないという絶対条件と、パートナービジネスの開始を検討し始めるのに良いタイミングという2つに分けられるかと思います。抑えるべき絶対条件、その後に検討開始の良きタイミングという順で書かせていただきます。

パートナービジネスを開始する上での絶対条件

1. PMFできていること

まずは大前提の大前提ですが、PMFできていない段階ではパートナービジネスは開始すべきではありません。まずは自社プロダクトがPMFすることを最優先に動きましょう。
また、PMF前のプロダクト=自社直販のセールスでも売ることが難しい商材であるため、パートナーの営業担当が売れるってことはまずありません。
※万が一、パートナーの営業担当が売れてて自社直販のセールスが売れてないってなったら、それはそれでかなり問題。。

2. 直販でのプロダクトの営業の型化ができていること

自社直販での営業部門において、営業方法の型化ができていない段階ではパートナービジネスは開始すべきではありません。理由としては、営業方法の型化ができていないとパートナー企業の営業担当へ提案方法(売り方)を教えられないからです。
パートナー企業の営業担当の方々は多数の商材を扱っているため、基本的には各商材の事細かな機能や様々なパターンの提案方法を熟知しているわけではありません(本当に商材数が多いため、ごく稀にいる一部の猛者を除いて現実的に不可能)。そのため、「型化」された「わかりやすい」売り方があることが必須です。直販の営業はそのプロダクトに特化したプロダクトセールスであるため詳細知識・売り方を持っているので売れるかと思いますが、パートナー企業の営業担当は営業の型化ができていないことにはまず売れません。まずは自社の営業の型化ができてから展開した方が良いでしょう。

3. 経営陣が主導すること(もしくは経営陣との握りができていること)

パートナービジネスを開始する上で、経営陣の主導または経営陣の協力(経営陣との握り)が得られないのであれば開始すべきではありません。SaaSはどこの企業も最初は直販文化です。パートナービジネスを開始すると、直販側と提案顧客がバッティングする等の直販側と揉めるケースもしばしばありますので、経営陣が主導するまたは経営陣としっかり握って推進できるかどうかというのは絶対条件です。経営陣がパートナーセールス部長やマネージャー、メンバーなどに任せるよ、というスタンスでは絶対にやるべきではないです。それくらいの覚悟がないとパートナービジネスはうまくいきません。


パートナービジネスの検討・開始タイミング

一言でまとめてしまえば、パートナービジネスはキャズム超えに必須の戦略です。ですので、イノベーター・アーリーアダプター層を取り切って、アーリーマジョリティ以降の顧客層の獲得が必要となり始めるタイミングで検討・開始するのが良いでしょう。

4. 自社マーケティングで取り切れるリード数・リード属性の限界が見えてきたタイミング

自社のマーケティング活動で獲得できるリードは、ほとんどが「イノベーター」と「アーリーアダプター」が主となります。「アーリーマジョリティ」や「レイトマジョリティ」のリードを自社のマーケティングで獲得することは非常に難易度が高いです。ですので、このキャズムに差し掛かったタイミング、自社で獲得できるリードに限界が見え始めてきたら、パートナービジネスを開始するタイミングかと思います。
一方で、自社マーケティングでまだまだリードが獲得できる余地が十分にありそうな場合、まだ自社マーケティングで頑張った方が良いでしょう。

5. エンタープライズ企業のリード獲得を増やしたいタイミング

上述の4.に少し内包されますが、自社マーケティングでTOP of TOPのエンタープライズ企業群のリード獲得をするのは非常に難易度が高いです。TOP of TOPのエンタープライズ企業群の開拓を進めていく際に、それらのエンタープライズ企業群に出入りしている企業とパートナー契約を締結するというのは1つのパートナービジネスを開始するタイミングであるかと思います。

6. 地方企業のリード獲得を増やしたいタイミング

上述の4.に少し内包されますが、「アーリーマジョリティ」以降の企業=地方の企業であるということが多いです。自社のマーケティングでどれだけコストをかけても地方のリード獲得は限界を迎えることが多いため、そのタイミングもパートナービジネスを開始すべきタイミングとしては良きタイミングかと思います。

7. パートナーセールスの専任が置けるタイミング

既にパートナーセールスに従事されている方は非常にわかるかと思いますが、パートナービジネスは片手間でできるほど簡単ではありません。そのため、兼任ではなく専任のパートナーセールスが配置できるタイミングもパートナービジネスの開始を検討する(開始を本格化する)タイミングであるかと思います。
兼任で片手間でやっても中途半端に終わってしまい、逆に契約済みのパートナー様に悪い印象を残してしまうことも多いですし、1度悪い印象を持たれるとそこから復活するには多大な労力がかかります(むしろ1度悪い印象が残ると、再度復活しないことのが多いです…)。それであればパートナービジネスをまだやらないという選択肢を明確にとられた方が今後パートナービジネスを本格化することを考えると、むしろ良いかもしれません。
なお、パートナーセールスの専任の配置については、可能な限り、最初は採用ではなく社内人材の抜擢を推奨します(パートナーセールスの採用と抜擢についてはまた改めて別のnoteで書こうと思います)。


まとめ

パートナービジネスを開始していく上で、最低限このフェーズ・状態はクリアしておかないと開始すべきではないという絶対条件と、パートナービジネスの開始を検討し始めるのに良いタイミングについてまとめさせていただきました。主にパートナービジネスをこれから立ち上げるという方の参考になればと考えています。

少なからず、1.〜3.の絶対条件のところがクリアしていない状態では、パートナービジネスは絶対開始すべきではないというのが私の考えです。一方、パートナービジネスの開始を検討し始めるのに良いタイミングについては、もしかすると他にも検討し始めるのに良いタイミングが他にもあるかもしれません。

ただ前提として、パートナービジネスの正攻法が日本にまだ確立されていないため、私の経験とこれまで情報交換をさせていただいた多くのパートナーセールスの方々のお話も含めて、本noteにまとめさせていただいています。
もしこのnoteには書かれていない別のご意見がある方がいらっしゃいましたら、是非そのご意見を教えていただけたら嬉しいです…!

それではまた次回の更新をお楽しみに!


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