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今更だけど、Nikon Df ①

(”画像”としてアップしていましたが、”記事”として編集しなおしました。既読の方は、スルーしてください)

Zfを買う積りが、なぜかDfに……。買ってはろくに使わずに手放して、今回3度目の出逢いです。今度こそ死蔵なるか?

などと言われても、なにせ11年前(2013年)に発売されたカメラです。「Nikon Dfって何? どんなカメラ?」と思われる方も多いことでしょう。ということで、まずは、Dfというカメラの紹介から。

① Nikon Df って?

一言でいえば、センサーがフルサイズ、有効画素数1625万画素の、いわゆる(ミラーのある)一眼レフデジカメです。
さて外観は、というと?


昔のマニュアルフォーカスのフィルムカメラを思わせる直線基調のレトロなデザイン、いわゆるヘリテージデザインですね。
現在ミラーレス機でバカ売れしているニコンZfの兄貴分のような感じ、といえばいいでしょうか。ニコンのフルサイズのデジタル一眼レフカメラの中では、最小・最軽量のカメラでした。
ちなみに重量は765g(バッテリー、メモリーカード込み)。Zfの重量が(同じ条件で)710gですから、差はたったの55gです。
それなのにZfよりもだいぶ分厚くみえますね(汗)。
まあ、それには一眼レフならではの理由があるのですが、その説明は省くとして、正直、機能面においては、ミラーレス機のZfに比べると圧倒的に劣っていると言わざるを得ません。なにせ11年前の機種ですから、最新機種と比べるのは無理がありますよね。
とはいえDfにも、いろいろ良い点があります。
まず、写りがいい。ホワイトバランスのオート1の設定で、とてもすっきりとした透明感のある写りをします。
センサー(ニコンD4と同じセンサー)も高品質なのでしょうが、おそらくホワイトバランスの設定も絶妙なのでしょう。
個人的には、写りよりも、非Ai レンズを含めてほぼすべてのニッコールレンズがそのまま装着できるという点が、最も気に入っている点です。カメラにレンズ情報を登録したり、撮影時にレンズの絞り値をカメラに設定したりなど、ほんの少し面倒な設定が必要ですが、非AiのレンズでもAEが使えたりします。

ところで、「ほぼすべてのニッコールレンズがそのまま装着できる」と聞いて、こんな疑問を抱いた人は案外多いのではないでしょうか。「ニコンFマウントのカメラなら、Fマウントのレンズはどれも装着できるのでは?」と。 
実は、ニコンのデジタル一眼レフ機のほとんどの機種に装着できないレンズがあります。それが、ニッコールオート(オートニッコール)と呼ばれる、1960年台~70年台半ばまで生産されていたレンズ群です。
では、なぜオートレンズは装着できないのでしょうか?
下の画像は、ニコンDfのレンズマウント周りを接写した写真です。

マウントの外に、小さなピン(薄くて小さな板)が立っています。このピンは絞り連動ピンという部品ですが、電子接点のないMFニッコールの絞り情報を機械的にカメラ側に伝える役目をします。実はオートのレンズはこのピンに干渉して取り付けができないんです(ただしAi化の加工がされているオートレンズは装着可能)。
では、次の画像を見てください。

絞り連動ピンが倒れています。Dfは絞り連動ピンが可倒式で、干渉することなくオートレンズが装着できるんです。
ではオートレンズをDfに装着する場合、絞りの情報はどうやってカメラ側に伝えるのか?
先述しましたが、Dfは電子接点のないレンズを装着する場合は、レンズの情報(焦点距離や最小絞り)をカメラに登録し、使う際、今装着しているレンズが登録したうちのどのレンズかを入力する、そういう仕組みになっています。つまりマンパワーでカメラに絞りの情報を伝えているんですね。

「そんなに気に入っていたのなら、なぜ過去に2回も手放したの?」
そんなツッコミを受けそうですが、実はこのカメラ、美点も数多いのですが、使いづらい点が一つあるんですね。
レンズによっては、ファインダーでピントを合わせづらいんです。特にオールドレンズつけた場合に。
先述した通り、僕は非Aiの古いニッコールを使いたくてDfを導入したので、この点は看過できませんでした。それが過去に2度も手放した理由です。
でも、やっぱりアダプターを介さずにオールドニッコールが使えるというのは、何にも増して魅力があるんですね。手放してしばらくすると、買い戻していました。
さて、第2章では、手持ちのオールドニッコールのうち、僕の好きな ニッコール-S オート 50mm F1.4をつけて撮影した作例を並べつつ、写りや使い心地などについての雑感をだらだらと綴ってみたいと思います。

② Nikon Df と Nikkor-S Auto 50mm F1.4 の描写

Nikon Df with Nikkor-S Auto 50mm F1.4
絞り開放付近だと、いかにもオールドレンズらしい、夢の中のような、とらえどころのない描写をします。この作例はブラックミストなどのソフト系のフィルターは使っていません。
 でもこのレンズ、Dfのファインダーではピントの山が見わけづらいんです。
Nikon Df with Nikkor -S Auto 50mm F1.4
 ネット情報によれば、Dfは収差の大きいオールドレンズだとファインダーでピントが合わせづらいらしいんですね。まあ、そんなときには、モニターのライブビューでピントを確認すればよい(ライブビューを使うときにはミラーアップされる)のですが、一眼レフなんだからピントはファインダーで合わせたいですよね。もちろんファインダー内に合焦表示はでるけれど、微妙にピントをはずしたりしますし…。
Nikon Df with Nikkor -S Auto 50mm F1.4
まあ、美人(イケメン)じゃなくても、欠点があっても、一緒にいるとホッとする人、頼もしく感じる人っています。Dfって擬人化すると、そんな感じ?
(ニコンさん、ごめんなさい。でも悪口じゃないですから)
Nikon Df with Nikkor -S Auto 50mm F1.4
ということで、今回はとことんDfを使いたおしてみようと目論んでいます。
Nikon Df with Nikkor -S Auto 50mm F1.4
Nikon Df with Nikkor -S Auto 50mm F1.4
Ai Nikkor 50mm F1.4 
この作例のピクチャーコントロールはビビッド。
同じDfでも、このレンズはピントの山が見やすいです。
デザイン的にも、Ai(&ニューニッコール)のMFレンズは、オートよりもDfにマッチするような気がします。

③「それで、Zfは買うの?」

ええ、いちおう予約はしました。でも5カ月待ちということで、泣く泣くキャンセルしました。
正直に告白すると、購入意欲が下がってきてしまった感もあります。
入手する前に、Youtubeを通じて、あまりにも多くのZfに関する情報(特に「どこが×」という情報ですが)が耳に入りすぎたせいでしょうか。
高額商品だから、購入を決めるのにはある程度、勢いが必要だと思うんですが、その勢いが、情報によって削がれてしまった感じがしています。
まあ、ほとぼりが冷めた頃というか、先行して入手した人たちが飽きた頃、(入手が可能であれば)買い求めるかもしれません。
もっとも、それまでに魅力的な新製品に目移りしている可能性も無きにしもあらずですが。


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