星野源とぼく

SAKEROCKが大好きだった。
SAKEROCKに出会う前は 人にどんな音楽を聴くのか尋ねられても困ってしまうぐらいに浅く広く聴いていたので、SAKEROCKに出会った時は この出会いのために今まで音楽を聴いてきたんだと思った。
なので、SAKEROCKが解散を発表した時は 今まで経験がしたことのない感情が芽生えた。
『喪失』なんて言うとカッコつけすぎかもしれないけど、本当にそれに近い感覚。
モヤモヤした気持ちが溜まった時に 相談できる唯一の友人が 気軽に電話も出来ない どこか遠くに引っ越してしまったみたいな。

SAKEROCKと並行して活動していた星野源としての音楽も大好きだったけれど、核としてのSAKEROCKがあった上で 放射的に大衆に向かって挑んで行ってる星野源という関係性が好きだったのだと思う。(その関係性は、こちらが勝手に抱いているイメージですが)

ということもあり、SAKEROCK解散後は少しずつ 星野源という人物に距離を感じていた。
きっと そうゆう人は他にもたくさんいるんじゃないか。
でも 解散後の星野源はノンストップで快進撃を続け、ご存知の通り 『みんなの星野源』になり、国民的スターと言っても過言ではないぐらい 本当にたくさんの人を虜にした。
音楽的才能は言わずもがな、演技のスキルも高く 笑いの理解度も高い。キチンとボンクラ感も漂わせ、交友関係も完璧。
ふとした時にテレビでも細野さんや、井手さんの名前を出す。
もう非の打ち所がなさすぎて 同性の嫉妬も買ってしまう。

でもね、でも。
きっとみんな気づいている。
星野源は何も変わっていない。
今はリリースされたものや 作られたものという結果だけを目にするけど、
きっとそこに至るまでの過程で 星野源が試行錯誤し、他にはないものを真摯に探し、面白いものに妥協をしない。
そういったところは何も変わってないのだろう。
よく考えたら 星野源が作る 味わい深いポップスが きちんとチャートを賑わせ続けるなんて この国の希望じゃないか。

どこか人としての隙間を残した上で、人気俳優になり、ヒット曲を産む歌手になり、エッセイでも売り上げランキングで一位を取ったりする。
こらはもう完全無欠。
星野源はもしかしたら 彼が敬愛する植木等に、『21世紀の植木等』になれるチャンスを得たのかもしれない。

この息苦しい今の日本に、真面目に『無責任』を謳う 挑んでいく星野源でいて欲しい。
散らばっていた星野源への思いをまとめてみたら 今もまだ超ファンでした。

もう、本当にありがとうございます。

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