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葛つぐり

葛苧(くずお)まで進めば、次は『葛つぐり』というものを作っていく作業になります。 

まずよく乾燥させた葛苧を、細く割いていきます。 
この割くこまかさは、織り上げる布の種類や用途によって変えていくのですが、僕は何もよくわからんので1~2mmの細さに割いていきました。 



後に判明しましたが、1~2mmというのは葛布の中でも一番細かいくらいらしく、初めてやるには難しかったです。 

でまぁ、簡単に言うと細く割いた繊維同士を結んでながーくながーく繋げていくだけなのですが、これが結構大変。 

やはり採った時期が季節外れでよくなかったのか、そもそも葛の質がよくなかったのかわかりませんが、プチプチプチプチ切れてしまいよるんです。 
50cmくらいの長めの繊維でも、結ぼうとしたら切れて、また結ぼうとしたら切れて、を繰り返してるうちに残り10cmくらいになったので結局捨てる。みたいな事が頻発します。 
そのうち学習して、結ぶ前にまず爪でひっぱって切れやすい繊維かどうか確認しながら、切れない部分を使って少しずつ結んでいきます。 
感覚としては、結果使えた丈夫な繊維は全体の1/4程度だったように思います。 

繊維同士を結ぶと言いましたが、結び方がちゃんとあります。 
結んだあとの切れ端が同じ方向を向くという特徴のある結び方、その名も『葛結び』といいます。 
たぶん同じ結び方で他の呼び名もあるんでしょうが、葛結びという名前がまだ残ってることから、葛布づくりの歴史を感じます。 

丈夫な繊維を取り出して、葛結び、また繊維を取り出して、葛結び、これを永遠繰り返します。 
ここからどうするのかというのは、ネットで調べた所によると割り箸や鉛筆などの棒みたいなものに8の字に巻き付けていき、両サイドと真ん中を軽く縛ったあと棒を抜き取り、真ん中らへんから端っこの葛を取り出す、とありました。 
もうなんかやり方が全然わからなさすぎるし、適当にやってダメにしてしまった時のリカバリーが大変すぎると判断し、完成版の葛つぐりを1つネットで購入してみることにしました。 


こちらが購入した葛つぐり。 
調べた限りでは大井川葛布さんだけが日本で唯一葛つぐりを販売していました。 
希少価値を考えるとこれで税込み2700円は安いものです。 
届いたつぐりを見て、ようやく理解できたので見よう見まねでやってみました。 

本当は、結んでいった葛は大きい桶の中に円形に敷いていって上から大豆をふりかける、という作業があるのですが、大きい桶も大豆もなかったので省略しました。 

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