鋼の錬金術師

ナレーション(洲崎)「錬金術は物質を理解、分解、再構築する科学なり」
ヒャーワード(西)「牛乳80グラム、バター10グラム」
ナレーション(洲崎)「無から有を生ずることあたわず、何かを得ようと欲すれば、必ず同等の対価を支払うものなり」
ヒャーワード(西)「卵10グラム、砂糖大さじ一杯」
ナレーション(洲崎)「これすなわち等価交換なり」
ヒャーワード(西)「ベーキングパウダー5グラム、パンケーキミックス100グラム」
ナレーション(洲崎)「錬金術師に禁忌あり、そは人体錬成なり」
ヒャーワード(西)「よーし、最後にこれを錬成陣の上に置いて、行くぞ、それ!」
SE(洲崎)「バチバチバチバチ、バチバチバチバチ」
ヒャーワード(西)「なんだ!?」
赤ん坊(洲崎)「オンギャーオンギャーオンギャー」
ヒャーワード(西)「えっ!赤ちゃん!?」
SE(洲崎)「ズババババーン!」
ヒャーワード(西)「なんだ、この扉は!!」

扉の向こう側の人(洲崎)「よお」
ヒャーワード(西)「だれ?」
扉の向こう側の人(洲崎)「よくぞ聞いてくれました。オレはお前らが世界と呼ぶ存在、あるいは宇宙、あるいは神、あるいは真理、そしてオレは、お前だ」
ヒャーワード(西)「………どういうこと?」
扉の向こう側の人(洲崎)「お前は錬金術師の禁忌である人体錬成に成功した。これまであまたの錬金術師が挑み、失敗してきた人体錬成にだ」
ヒャーワード(西)「あのー……」
扉の向こう側の人(洲崎)「なんだ?」
ヒャーワード(西)「私は……パンケーキを作ろうとしただけなんですけど」
扉の向こう側の人(洲崎)「ん?」
ヒャーワード(西)「パンケーキを作りたかっただけなんですけど」
扉の向こう側の人(洲崎)「お腹の中で死んでしまった赤ん坊とかでは無くか?」
ヒャーワード(西)「パンケーキです。パンケーキが食べたかったんです」
扉の向こう側の人(洲崎)「まぁいい。禁忌を犯したんだ。お前に見せてやるよ、真理ってやつをな」
ヒャーワード(西)「あの……パンケーキは?」
扉の向こう側の人(洲崎)「パンケーキは出来なかったんだよ!取り敢えず、真理を見ろよ!」
ヒャーワード(西)「うわぁ!ものすごい量の情報が直接頭にぶち込まれて来る!頭が割れそうだ!これが真理!?」
扉の向こう側の人(洲崎)「どうだった?」
ヒャーワード(西)「そうだ、私のパンケーキの作り方は間違っちゃいなかった。でも足りないんだ、サラダ油が!」
扉の向こう側の人(洲崎)「それじゃあ、通行料を支払ってもらおう」
ヒャーワード(西)「通行料?」
扉の向こう側の人(洲崎)「そっ、通行料。等価交換だろ錬金術師。モミ、モミモミモミモミ」
ヒャーワード(西)「うわぁ!おっぱいを掴まれたぁ!痛い痛い痛い!クソッ、こんなことがあってたまるか!畜生、持っていかれたー!おっぱいをツーカップほど持っていかれたー!パンケーキを作りたかっただけなのにー!」

ナレーション(洲崎)「〜数年後〜」

ヒャーワード(西)「遅いぞ!アヤフォンス!」
アヤフォンス(洲崎)「待ってよ、姉さん!相変わらず、姉さんはお胸が小さいね」
ヒャーワード(西)「うるせぇ!アヤフォンス!お前を作った時に扉の向こう側に持っていかれたんだよ!」
アヤフォンス(洲崎)「取り戻せるといいね。胸を」
ヒャーワード(西)「あぁ。その時はお前も一緒だぞ、アヤフォンス」
アヤフォンス(洲崎)「うん、絶対Eカップになろうね」

ナレーション(洲崎)「こうして2人の胸を取り戻すための戦いが始まった」

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