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創作活動とサステナビリティの視点からみるハラスメント問題

昨日TwitterのTLに流れていたこのツイートからご紹介します。

続いて、本体のnoteの記事がこちら。

高松霞さんは、以前からこの問題に取り組まれて度々ツイートやnoteで情報の発信をされていました。

結社をはじめとする創作集団(その関係性の延長としての個人間を含む)におけるハラスメントについては、個人的に思うところもあり、私も過去の高松さんのnote投稿にコメントを寄せたことがありました。

私ごとですが、最近、俳人協会の「俳句文学館」12月号に「俳句界とSDGs」と題した文章を寄稿しました。そこでは紙幅の都合であまり多くを語れなかったのですが、ハラスメント問題は創作界にとって非常に重要な課題だと感じています。

高松霞さんとのやり取りの中で、自分用にまとめたメモがあったことを思い出し、こちらに残しておきたいと思います(自分で書いたものですが、地の文と分けるために引用タグをつけています)。

題/創作活動とサステナビリティの視点からみるハラスメント問題(坂西涼太)
結論として、創作界全体がハラスメント対策を喫緊の課題としてとらえること、問題解決のためのスキームを作ることが必要だと考えます。そのためにはそれぞれの組織の中で、《ハラスメントの定義づけ》や《被害予防のしくみ作り(相談窓口の設置)》等を行い、違反者の処遇(退会処分等)を決めておくことが重要です。そしてなにより「ハラスメントは許さない」という旗幟を鮮明に打ち立てることです。
「そこまでする必要があるのか」「昔はこの程度は問題視されなかった」そんな声も聞こえてきそうです。ここでは、問題の所在を一般的な視点と個別的な視点とに分けて考えてみたいと思います。
1.一般的視点から
創作界における一般的な課題にサステナビリティつまり持続可能性の問題があります。今後も活動を継続する結社や団体では、ハラスメント対策を講じることはもはや不可避の課題だと考えられます。なぜなら、この点をなぁなぁにしていながら「若い人が入ってくれない」と嘆くのは盛大な自己矛盾であるからです。世代交代が果たせなければ、結社の活動はやがて終焉を迎えます。つまりこれは組織や集団のサステナビリティ問題ということができます。
2.個別的視点から
サステナビリティ問題は個人活動にもあてはめて考えることができます。個別的、つまり個々人レベルで見た場合にもハラスメントは大きな問題であるわけです。ハラスメント行為は冗談やおふざけでは済まされませんし、当然に民事上の不法行為に当たりうるものです。ただちに刑事罰を問われるかという刑事上の責任とは別に、民事上の損害賠償責任を負うことがあり得る、ということに留意すべきです。つまりこちらは個人的な活動のサステナビリティ問題と言うことができます。
3.まとめ
共通して言えることは、その行為により深く傷ついている人がいるということ。そしてそうしたハラスメント行為の結果として活動を抑制あるいは終了してしまう創作者個人、結社や団体等の創作グループが存在することは大きな問題(損失)だと言えます。
もちろん結社や団体において作品の批評や意見交換を行うこと、その延長で個人間の交流が生まれることは問題ありません。ただしその場合でも作者の人格に対する攻撃にならないかは慎重に配意する必要があります。また、親睦を深めることとハラスメントが容認されるかという問題は混ぜこぜにしてはならないことにも注意が必要です。
ハラスメント問題で若い人を遠ざけてしまっては、その組織は早晩自滅の道を辿るしかありません。先人たちの努力と未来を担う若者の期待を裏切ることの無いよう、くれぐれも留意が必要だと思います。

もちろん、個々の集団ごと、個々の人間関係ごとに実情が異なり温度差があることは当然ですが、問題が先鋭化してからの対応ではそこには必ず被害者が存在することにもなります。

まずはこうした問題について、実態や実態に対する危機意識、そのために何ができるのだろうかという意見や思いを共有するところから前進できないものかと考えています。

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