「あつまれ どうぶつの森」の攻略本がバカ売れしたことから、攻略サイトの在り方を考える

こんにちは。あつまれ どうぶつの森に時間を吸われ続けているラビです。

先日、「あつまれ どうぶつの森」の攻略本が発売され、あまりの人気ぶりに大きな話題を集めました。インターネットの発展に伴い、衰退していった攻略本ですが、「今の時代にここまで売れるのか……」と僕も驚きました。

その背景として挙げられているのが、企業系攻略サイトの存在です。

もともと攻略サイトというものは個人、もしくはグループで運営されるものでした。現在のように、広告費や有料コンテンツで収益を上げるシステム自体がなかったので、趣味として運営されている方が多かったと思います。

そしてインターネットがさらに発展していくと、不特定多数が攻略に参加し、一つのWebサイトを作り上げる「攻略Wiki」に移り変わりました。とはいえ、全体を管理する管理人は存在しましたし、収益を上げるシステムもまだありませんでした。

「企業系攻略サイト」が誕生するようにきっかけは、Webサイトを見てもらうだけで収益を上げることができるシステムが整備されたからだと思います。つまりは攻略サイトは金になると分かってしまったんですね。

しかし、弊害もありました。
一つは攻略することが仕事になってしまったことです。趣味で運営されていた攻略サイトは、趣味であるからこそクオリティが担保されていた部分があります。好きだから熱意を持って取り組む、当然ですね。しかし、仕事である以上、やりたくないこともやらざるを得ません。熱意の無い状態で攻略サイトを作ろうとしても、従来の攻略サイトにクオリティで劣ることはしょうがないと思います(仕事なんだからしっかりやれという見方もできますが)。
また、広告費はアクセス数に比例するので、アクセス数稼ぎのためのレイアウトが主流となります。つい押したくなるようなタイトル、細かすぎるページ分け、ページを開いても内容が無い……。これらは利用者にとっては煩わしいものですが、アクセス数を稼ぐという面においては優秀です。

では、なぜ個人系攻略サイトや攻略Wikiは衰退してしまったのでしょうか。企業系攻略サイトに不満を持つ人は多く居て、需要はあるはずです。収益に関しても、もともと無収益でやっていたのですから、関係が無いように思えます。

僕は個人系攻略サイトや攻略Wikiは企業系攻略サイトとは関係なく、衰退する運命にあったのだと考えています。

個人系攻略サイトの全盛期の時代、インターネットを利用できる人は限られていました。今のように気軽に利用できるものではなかったのです。そして、さらに少数の人だけが情報を発信できました。そのため、高いハードルを潜り抜けた優秀な人材が攻略サイトを運営していた、と言えるでしょう。

インターネットが身近なものになり、情報発信できる人が増えると攻略Wikiが誕生しました。不特定多数が攻略に参加するためには、不特定多数にとってインターネットが身近である必要があります。ですが、それでも攻略Wikiという媒体が無ければ、情報発信はしづらい。そのため攻略Wikiに人が集まったのです。

そして誰でもインターネットに触れることができるようになった今、情報発信も誰でも簡単にできるようになりました。TwitterやFacebook、Instagramなど気軽に情報発信をする時代です。わざわざ攻略サイトを作らなくても、攻略Wikiに参加しなくても、攻略情報を発信できるようになったんですね。

僕は、攻略していた人は攻略情報を共有したかっただけなんだと思います。結果的にとても便利な攻略サイトが出来上がっただけで、攻略サイトを作りたいわけではなかったのではないでしょうか。

しかし、攻略情報を見たい我々にとっては非常に不便。TwitterやFacebook、Instagramは検索しづらく、体系的にまとまっているわけでもないからです。体系的にまとまっているのは企業系攻略サイトだけであり、そのクオリティの低さにイライラさせられるのです。

そういった人々の受け皿になるのが攻略本だったのですね。この時代に売れるのも納得です。

ここまで書いておいてなんですが、どうぶつの森の攻略本は攻略サイト全盛期の時代でもバカ売れしてました。カタログとして超優秀なんですよ、どうぶつの森の攻略本は。家具やアイテムが画像付きで一覧になっているものはどの攻略サイトを見たってありませんでした。「あつまれ どうぶつの森」が歴史的大ヒットになっているのですから、その攻略本がバカ売れするのも当然と言えば当然。いいオチが付きましたね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?