Racco

企業人事に携わって15年ほどです。人事、採用の日々の活動から感じることを、従業員、経営…

Racco

企業人事に携わって15年ほどです。人事、採用の日々の活動から感じることを、従業員、経営、社会の視点から、考えたことをまとめます。

最近の記事

#158 仕事センスは全体像を任せて磨く 24/5/2

みなさん、こんにちは。 今日は、垂直統合と分業の仕事の渡し方から人材育成を考えてみます。 考えるきっかけは、ある間接部門の取り組み報告を聞いていて、その質疑応答だったりで覚えた違和感です。 内容は、法改正対応の一環として新たに決めた、内部統制プロセスの履行状況に関する定期報告でした。本来は、必須対応事項に対してどのくらい実行できていて、残課題が何か、ネクストアクションを提起するものです。報告内容や質疑応答で気になったのが以下の説明や返答でした。 「必須対応の期限内履行率

    • #157 新しい方法や取り組みを提案することの意味 24/5/1

      みなさん、こんにちは。 今日は、提案するとは?、どんな意味を持っているのか、を考えてみます。 人事部門に所属するわたしのように、間接部門の仕事を担っていると、全社や事業部門に対して企画を提案する機会が度々訪れます。 法令対応などコンプライアンス順守の仕組み化やその活動のリアクティブに提案する場合や、経営や事業を推進ドライブするために、アクティブに提案する場合があります。もちろん営業職をはじめ、多くの仕事でも提案行為があります。 さて、では提案するとは、どう言う意味を持ち

      • #156 顧客満足に関心が偏りがちな受託体質を理解する 24/4/30

        みなさん、こんにちは。 今日は、顧客志向と受託業務の関係性とその影響を考えてみます。 考えるきっかけは、従業員の人材開発を進めるにあたり、事業責任者とゴールイメージを合わせる打ち合わせでの一コマです。 ある事業責任者が、現場責任者とメンバーの1on1を、 「業務、タスクの話がほぼ100%に近いんだよなあ」 と課題の側面を評しました。 別の事業責任者は、現場の責任者の特徴を、 「お客様の課題をしっかり考えて現場を運営してくれています」 とポジティブな意味85%程度に表現し

        • #155 意見を言うことが仲間を集める一歩 24/4/29

          みなさん、こんにちは。 今日は、自分の意見を言うこと、を考えます。 わたしのエントリーでも何度か、自分の意見や考えを言うことについて触れてきました。 デモグラフィー型からタスク型のダイバーシティの組み込み、 心理的安全な場づくり、 集団浅慮にならず、自分の認知を超えるより良い意思決定、 リーダーシップをみんなが発揮してリーダーフルな組織づくり、 など、いろいろな角度から、自分の考え・意見を言うことで、自分のポジションをつくることが仕事の成果にも、個人のキャリア開発におい

        #158 仕事センスは全体像を任せて磨く 24/5/2

        • #157 新しい方法や取り組みを提案することの意味 24/5/1

        • #156 顧客満足に関心が偏りがちな受託体質を理解する 24/4/30

        • #155 意見を言うことが仲間を集める一歩 24/4/29

          #154 傾聴上手な人こそ相手が正解をアテにくると自覚しよう 24/4/28

          みなさん、こんにちは。 今日は、恣意的な質問や投げかけに対して、人はどう対処するか、を考えます。 考えるきっかけは、現場で行われる1on1を観察させてもらったことからです。そして、その様子から、過去にわたし自身が上長との1on1を思い起こしたことです。 わたしは、1on1はキャリア開発や学びのOSとして、有効・有力な場にできる、と考えています。しかしながら、この1on1をその目的に即して運用することは、それなりにスキルとマインドセットを要すると考えています。 では、どん

          #154 傾聴上手な人こそ相手が正解をアテにくると自覚しよう 24/4/28

          #153 映画PERFECT DAYS を観て考えたこと 24/4/27

          みなさん、こんにちは。 今日は、いつもと異なり、映画を観てのインスピレーションや考えたことを共有してみます。 観賞したのは、PERFECT DAYSです。昨年のカンヌ映画祭でも主演男優賞をとった作品です。 さらっとあらすじです。 東京渋谷区の公共トイレ清掃員男性・平山を、役所広司さんが演じます。その男性が、今で言う、ミニマルで清貧な暮らしをされている日常を、繰り返し展開するシナリオです。その変わらない(ように見える)日々に、関わる人とのちょっとした絡みあいによって、日常に

          #153 映画PERFECT DAYS を観て考えたこと 24/4/27

          #152 人材育成はいつ失敗させるかをマネジメントする【2/2】24/4/26

          みなさん、こんにちは。 前回に続き、優秀な若手にどのように育ってもらうか、成長支援するか、を考えてみます。 前回のおさらい 若手かつ女性の課長が任用1年後に退職をしてしまった。 「何者にもなっていない自分へのもやもや」が本人の退職理由であった。 構造的には、任用した上長はじめ、成果を出せる環境を整えすぎていたきらいがあった。 ここからが、今日の続きです。 事業部門としては、全力で引き留めにも走りました。そこから見えてきた問題点を敷衍してみます。 この退職してしまった若手

          #152 人材育成はいつ失敗させるかをマネジメントする【2/2】24/4/26

          #151 人材育成はいつ失敗させるかをマネジメントする【1/2】24/4/25

          みなさん、こんにちは。 今日は、優秀な若手にどのように育ってもらうか、成長支援するか、を考えてみます。 考えるきっかけは、ある若手課長の退職です。事業部門としてもかなり期待をかけていた、若手かつ女性でした。経営層と人事視点ではジェンダーダイバーシティ文脈からも、アイコニックなポジションを求めていた従業員でした。 この課長に退職する背景を聞き、決断に至った理由をわたしなりに考察してみました。 まず、彼女の大きな問題意識は、自分は「何もできるようになっていない」とのことでし

          #151 人材育成はいつ失敗させるかをマネジメントする【1/2】24/4/25

          #150 決断は敵を生むが、先に進む最善の方法である 24/4/24

          みなさん、こんにちは。 今日は、決断することについて考えます。 日常的なタスクの判断や、比較的影響範囲の広い企画・問題解決の取り組み、およそ仕事のあらゆる場面において、この決断することのできないシーンをよく見ます。そしてそれは、役職ポストの上位者であっても、最前線の従業員であっても、およそ変わらないと感じています。 先日、似たような論点についてエントリーした記事もお読みくだされば幸いです。 まず、抽象的な全体感で捉えるとこうです。 何かの課題や現状に対して、 「変えるこ

          #150 決断は敵を生むが、先に進む最善の方法である 24/4/24

          #149 思考様式の学びは使う言葉で確認できる 24/4/23

          みなさん、こんにちは。 今日は、学びについてまた考えてみます。 先日、自社の中期的な経営方針を考える場をオブザーブしている際に、議論の景色から感じたのが考えるきっかけです。 「学ぶ」とは、コンピューターでいうとOSが入れ替わる、更新されるようなもの、と先日112でエントリーしました。 さて、会議では、各事業責任者が2030年過ぎの、担当事業の粗々な長期構想を披露する議題がありました。ある事業責任者のプレゼンテーションを聞いていて、「うん、なるほど」と自分なりに消化してし

          #149 思考様式の学びは使う言葉で確認できる 24/4/23

          #148 質疑応答が研修や会議の学習を高める 24/4/22

          みなさん、こんにちは。 今日は、質疑応答の時間が学びにどう生きるか、考えます。 先日、今年の新入社員向けに人事制度のインストール研修を行なった際に感じたがきっかけです。そして、その気づきは、先日のエントリーにある正統的周辺参加の効果にも通ずる、と敷衍しました。 さて、人事制度の研修講義は、反転学習形式を採用しています。もうかれこれ10年以上経ちます。これは、わたし自身が、何もわからない新卒に「人事制度とは?」と講釈を垂れても、右耳から左耳に抜けていくだろうな、と問題意識を

          #148 質疑応答が研修や会議の学習を高める 24/4/22

          #147 キックオフミーティングと初詣の共通項 24/4/21

          みなさん、こんにちは。 今日は、節目の儀式について考えます。 多くの会社は、4月から新年度が始まります。会計年度がそうでない会社も、新卒を採用している企業は、この4月に入社してくるのが大半と思います。 その年度初めにあたり、当社は会社単位から事業部、各部門、チームのそれぞれの組織単位で、期初のイベントを行ないます。それがキックオフミーティングです。四半期ごとに実施されている企業も少なくないのではないでしょうか。4月の1週目に、わたしの所属する人事部門でもキックオフミーティ

          #147 キックオフミーティングと初詣の共通項 24/4/21

          #146 「裏切られた」に見る、管理職の都合の良い期待 24/4/20

          みなさん、こんにちは。 今日は、期待する、について考えてみます。 少しネガティヴな方向の考察です。ご容赦ください。 考えるきっかけは、ある部長が、退職引き留めの結果報告をされている場面です。引き留めの過程で従業員に対して、部長が感じたホンネの所感についてです。 複数回にわたって似たような言葉のニュアンスやトーンで語っていらしたため、共通項があるのでは、と感じました。結果的に、いずれも退職になってしまったこともあり、考察してみることにしました。 では共通項とは何か、です。

          #146 「裏切られた」に見る、管理職の都合の良い期待 24/4/20

          #145 問題解決は不変=変わらないことは何かを抽出する 24/4/19

          みなさん、こんにちは。 今日は、問題解決を企画することを考えます。 なんとなく頭の中に課題感を持っていたのですが、パッと点と点が繋がった瞬間があったのが考えるきっかけです。 広義の企画、企画とは問題解決を指すといってもよいと考えています。分解して問題を定義する、設定する、課題を解決する、ことだと考えています。その企画を考えるときに、とかく情報をアドオン×2に付加する、効果のビフォー・アフターや違いは何か、と持っていきがちです。そして、解決された際にもたらされる付加価値は何

          #145 問題解決は不変=変わらないことは何かを抽出する 24/4/19

          #144 指導的役割を担う際には過保護に注意 24/4/18

          みなさん、こんにちは。 今日は、上長や先輩、親、先生など指導的役割の人が指示をすること、について考えてみます。 新入社員や社内の人事異動でチームに新しいメンバーが加わる方も多いと思います。初期段階では、課の業務をインストールする上長やOJT役の先輩などは、指示する場面が多くなります。 まず、その型やお作法をプリセットする段階においても、指示をミニマイズすると、より適切な指導効果を生むのでは、と考えます。 理由はこうです。 指導的役割を担う人は、その業務の、その時点におけ

          #144 指導的役割を担う際には過保護に注意 24/4/18

          #143 ルールに従う人と現状を疑い自分で考え直す力 24/4/17

          みなさん、こんにちは。 今日は、現状を是としないマインドセットを考えてみます。 先日、人は好調なときには、自分自身の考えや今のやり方を変えるインセンティブが働きづらい、とエントリーしました。その話とも関係します。 考えるきっかけは、ある事業部門の評価キャリブレーション会議の一場面からインスピレーションを得たことです。 先に、わたしがどんな危機意識を持ったか、です。 それは、抽象化すると、課長・部長のミドルマネージャー層が、 ・自分で考えて判断していない。 ・かなり同

          #143 ルールに従う人と現状を疑い自分で考え直す力 24/4/17