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2022年秋アニメ 今田が観ている8本+α

(★2022/12/25時点の感想を反映)
(★2022/12/20時点の感想を反映)
(★2022/12/06時点の感想を反映。『万聖街』の項目を追加)
(★2022/11/28時点の感想を反映。『うる星やつら』『デジモンゴーストゲーム』の項目を追加)
(★2022/11/23 当日時点の感想を反映。ツイッターに書いた感想を草稿としてこっちで清書、というリズムで固まってきました。楽しいですね)
(★2022/11/15 とりあえず形をアップ。抜けてるとこはそのうち埋まるといいですね)
(★まずはラジオポトフの第151回を聴いてね!

1. 宇崎ちゃんは遊びたい!ω

◯4話

■物語や画だけを取り出して「ここがいい」と言うのがむずかしい。それらの組み合わせでできた「語り」がいいとしか。他人の妄想にツッコミを入れ合う、いわばイメージバトルは、鑑賞力・想像力が問われるという意味でぜったいにバカにできない描写だ。見くびってはいけない。『宇崎ちゃん』にはなにかがある。うまく言えないですけど。

3話

2話

1話

2. ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン

◯25話

2023/1/6金曜深夜放送予定

◯24話

■こんなにおもしろいのに原作を一度読んだだけではどうしても展開を忘れてしまう。ナチュラルなジェイル・ハウス・ロック。ただ、ストーンフリーがプリンターとなるこの回の解決策は記憶に焼きついていた。3つしか覚えられないから二進法で。なんと痛快。ここからはずっと盛り上がり続けるぞ。たいへんだぞ。

◯23話

■ジェイル・ハウス・ロック! もともとは、物語の進行速度を読者が調節でき、自在に行ったり来たりさえできるメディア「マンガ」が得意とするたぐいのおもしろさをメインに置いていた回。アニメではどうなるんだろう?と思っていたら、なるほどそもそもが他人も自分も信用できない不条理の味わいだったのか!と。
■重厚な大河ドラマに平気でギャグも存在するジョジョの世界。その味わいは観客(読者)がどこに視点を置くかで変わる。で、アニメの場合、作り手が「ここに視点を置いてね~」という主張をもっともわかりやすく示せるのは劇伴(BGM)だ。
■徐倫とグエスの短いやりとり。1カット中でミステリアスなループの劇伴がカットアウトし、おどけるような「薄い」音の劇伴がカットイン。この移り変わりがいい。あたりまえだがアニメって総合芸術だな~と。

◯22話

■徐倫を信奉する殺人鬼とプランクトンが交わす会話。わたしの知性を見て。応答せよF・F。応答せよF・F。

◯21話

■F・Fの「知性」のエモーション。当然「オズの魔法使い」を思う。姫野にF・Fに、伊瀬茉莉也たいへんな一週間。Bパートの緑色の赤ちゃんの能力の「説明」シーンは個人的にアニメ「ジョジョ」の魅力の真骨頂ではないかと。アナスイ用の枠線が光るピンク色でおもしろい。

◯20話

■アナスイ&徐倫&ヨーヨー・マッによるシチュエーションコメディ回。説明の内容だけでなく「説明する」という行動そのものにおもしろさを宿らせる作品なんだなと改めて。そう思うと、もっとも説明が必要なスタンドを持つアナスイがもっとも「説明する」のがおもしろいキャラであるのは象徴的だ。

◯19話

■徐倫は植物に侵食されるが、それで咲いた花をアナスイがついばんで愛を示す、という展開は「物語がアナスイに侵食された」ように見えた。次回以降ヨーヨー・マッとのトリッキーなドタバタ劇でいよいよ光りだす(はずの)アナスイのキャラ造形。

◯18話

■つくづくアナスイ。「ジョジョの奇妙な冒険」とは、説明ゼリフが説明すら突き抜け圧倒的なパワーであたりを破壊し構築しなおす文学。「アニメ」とは、次々に浮かぶイメージをやはり次々に塗り替えて破壊し超越するスーパー紙芝居。あなたはダイバー・ダウンの能力をうまく説明できますか。わたしはできません。

◯17話

■来てるぞアナスイ。原作を傑作たらしめた要因のひとつはスタンド「メイド・イン・ヘブン」の創造だったが、アナスイというキャラクターはそれに並ぶ価値のある創造の成果だと思う。そんなアナスイの声や芝居が完璧。アニメ化されるのを知って、アナスイってどんな声・芝居なんだろうな~と思っていたが、これじゃん。これがアナスイじゃん。CV浪川大輔さん。
■(もう一度見直して)やっぱアナスイめっちゃおもしろい。まず前提として、あの服を着ているだけで一目置かれるはず、つまり一言一句が注目されるはずで、ふつうそんなふうに注目を浴びたら、つぎどんな奇抜をぶちかましてやろうかな〜と考えがちなところを、ただただまともなことを言う。だからおもしろい。これはナンセンスの空気である。さらに剛速球の「愛してる」を言うキャラでもある。ひとりでどんだけおもしろを作るつもりなんだ。しかもあの声だ。まだやってくるのか。

3. チェンソーマン

◯12話

■アキ始まりのアキおさめちょっとレゼ。最終回としての納得感高い。結局構成ばっちり。8話の姫野主観はここのアキ主観と対応してたのかもとすら思った。屋上に落ちて立ち上がりサムライソードと対峙するデンジの一瞬の下手よろけすごい。映画?2期?
■屋上バトルと電車の上の会話は追加要素。アクション観たいし、そのまま「大会」にナチュラルに行けていいかも。餃子大好き姫野とアキ。階段とハイカットスニーカーは原作52話。ここまで飛ぶんだな~。あざやか。

◯11話

■未来を見る目、お猪口に映る岸辺の目、紙袋の中の大量の目、失神前のアキの半目。葉巻と指の見立てはそれ自体がどうこうというより5話の濡れはんことくわえ指の見立てを思い出して頭の中で作品が立体的になるかんじがした。未来の悪魔の声、そうなんだ。ビームと天使の悪魔の声、そうなんだ!
■料亭、京都コンビとアキの車移動、組事務所、どれもキャッチーにおいしくできそうな要素があるのに不要な情報を増やさない上品なカット割かっこいい。いろんな「移動」が描きこまれていたなあ。警察官に対する岸辺のセリフ「貴方達」が「おまえたち」だったなあ。いい回だったなあ。

◯10話

■スキットルに映り込むデンパワいい。小道具のメガネは蹴りで吹っ飛ばすためにもある。寄ったり引いたりのリズムに品があっていいな〜。姫野の手紙そこそこ読めてびっくり。

◯9話

■アニメのおもしろさのひとつは「省略」にあるんだろうけど、護送車内部だったり、過去回にも多々あった「着替える動き」を「追加」するのはアニメ《化》の醍醐味とは言えると思う。人体弾け描写爽快。コベニがサムライソードの腕落とすの速すぎて見えず。カラス飛ばしたのいい。

◯8話

■EDでのアキの墓参りより、姫野の死の前日のごく短い時間を(姫野の主観込みで!)描いたところがすばらしいアレンジ。たしかに生きていた人がたしかに死んだ。丸いチュッパチャップスと床寝するデンジ。そこに丸い月明かりがそそいでいるのもすばらしい。たしかに窓が丸いんだよ(原作では丸いチュッパチャップスと床寝する直後のコマに丸い月が浮かんでいる)。

◯7話

■倒れるデンジを支えるため移動する姫野とか、携帯灰皿からの居酒屋灰皿とか、またはキスの天ぷらとか、画面手前のパワーのからあげとか、とにかくカット間に強い「つなぎ」を入れるんだな〜という印象。デンジを介抱する荒井(趣味:俳句)の人となりを効率よく描くセリフ一連、改めてアニメで観るとめちゃめちゃいい。
■マキマ登場のタイミングでBGM止めてた(6話のパワーのスカし系のギャグでやりそうなのにやらなかった演出)ところと、EDですぐ次の話数に来る(はずの)チュッパチャップスをチラ見せするところと、そしてやはりゲロに対する一連のモザイク処理がそれぞれ興味深い。どういう判断でなされたものだったんだろうか。

◯6話

■姫野とアキの中華屋でのシーン冒頭に真横からのショットを挟んだり、間接キス前にたばこをくるんとする動作を入れたり、原作の、マンガゆえの省略箇所を順当に補完した回という印象だった。そういえば、(これは原作時点であった要素だが)餃子→間接キスというシーンの並べ方には、言語化されてはいないが画面を通じていくぶんか伝わるはずの生っぽい感覚(この場合はキスの口臭)のイメージを濃くするはたらきがあるように思う。
■パワーがみんなの食料を食べちゃってたとこ、あるいはその直後のセリフ「違うが?」のタイミングで、よくある《BGMをぴたりと止める》演出をしないのがすごい気がした。このアニメ、めちゃめちゃおもしろいと思います!

◯5話

■今週もすごかった。たとえば、胸パットがデンジの足元に落ちるところ。たとえば、マキマさんとのシーンすべて。はんこの演出がおもしろすぎる。
■原作と比較しながらまた観た。パットが落ちるのはやはりパワーの足元→デンジの足元になってるっぽい。もしそうなら…………あ、演出の始点、というか主観?をデンジ側にできるのかな。すごいな。
■マキマとのシーンでの朱肉に濡れたはんこの表現すごい。これ、マキマに噛みちぎられた(と、妄想された)指のイメージだと思う。原作に無かった要素。なんだこのアニメめちゃくちゃおもしろい。原作と見比べて、アニメでの変更点がなぜ変更されたのか考えるのが楽しい。
■壁についた悪魔の血で8階だと示す演出はキャッチーで爽快。劇伴おしゃれすぎて笑う。そういえば『平家物語』のEDも毎週笑ってた。あまりにかっこよすぎて。

◯4話

■アニメで追加された動作やシーンがことごとくいい。風呂に入らない→トイレを流さない、の順序を逆にした意図はなんだろう。パワーへの期待感が高まりきった瞬間にパワーEDに行くのもすごい。おもしろい作品にすることと、人気のある作品にすることへの貪欲さというか。

◯3話

■動くってすごい。声ってすごい。朝のアキをたっぷり見せる判断すごい。
■画がすごいのはもちろん、脚本・セリフもみずみずしく、つねになにかねらっていて、どの話数も映画のオープニング30分のようだ。アキがいきなり「デンジはおもしろくないですよ」と2つ3つ前のカットのセリフに呼応したことを言い出すのが文脈的ジャンプカット?みたいな感覚でおもろ。

◯2話

■アクションシーンさすが。そうか、徐倫よりパワーちゃんのほうが日常芝居なのか〜(どちらのキャラもCV:ファイルーズあい)
■つねにフックたろうとするセリフ選びに映画脚本っぽさを感じる。斧で首をぶった切るシーンの情報の充実度すごい。画と動きのかっこよさにデンジやアキの背景が有機的についてくるイメージ。スピード早め情報多めの展開を比較的まっすぐな演技ですっきり見やすく整理するバランス感覚もすごい。

4. 名探偵コナン 犯人の犯沢さん

◯12話

12/20深夜放送済

◯11話

■ここへ来てすごい出来。ただ早口で駆け抜けるだけじゃなく、麻酔銃の針をモチーフにすることで視聴者の興味を惹きつけ、そのまま展開に乗せて最後の無言演出まで一気に連れて行く10分…………10分? まじですごいな。
■画とセリフと物語とそれ以外、どれをどの程度動かせば(=止めれば)視聴者がついてくるかを熟知してる感。そういえばOPのダンス演出も、めちゃくちゃ動かしてるわけじゃないのに毎回ずっと見てしまう。カメラの動かし方と編集のタイミングにコツがある気がするな〜

◯10話

■過去回が圧縮的な演出だとしたら今回はひたすら速い演出。息子の様子を見に上京してきた母とそれをつい疎ましく扱ってしまう息子との「いい話」を高速で披露。元ネタ作品でよく見るあの重い両開き扉が閉まる描写を「犯沢さんが帰宅した際に閉めたであろう扉のイメージ」と重ねていたのおもろ。

◯9話

■たまたま見かけたジンのファッションを参考にしたがためコナンに追われ、それを撒いて逃げ込んだ路地で安室透たちに遭遇。フィクション作品でこんなに《街の狭さ》を感じたのは、まじで『ギルバート・グレイプ』以来。

◯8話

■短い尺、詰め詰め演出の中でこそあえてたっぷり時間とって見つめ合う犯沢さんと犬のくだりまじですごい。「沈黙」という語りの選択肢を選んだ演出に感動。アニメ(映像表現)っていろんなことができるんだなあ。ほんとにいい。

◯7話

◯6話

◯5話

◯4話

■犯沢さんのキャラクター的特徴と、声優・蒼井翔太の声の特徴が噛み合ったアニメならではの演出おもろ。大地丙太郎のコメディ演出は完成されたひとつの映像像語。2022年秋にしっかり存在感を見せる至福の15分足らず。

◯3話

◯2話

◯1話

■めちゃめちゃおもしろい。パロディだからこそ地に足がついた演出が効いてる、と思ったら大地丙太郎さんが監督。原作(『犯沢さん』のほう。コナンじゃなくて)は読んだことないけど、さては原作もアニメも「誠実な」おもしろさと見た。

5. 機動戦士ガンダム 水星の魔女

◯12話

2023/1/8放送予定

◯11話

■無重力ふわふわ喧嘩カップル。たしかに人は羊水に浮かぶ赤子のときすでに無重力体験をしている。ヴィムもデリングの胸に体重乗った突き入れればよかったのに。

◯10話

■「スレッタ、忘れった」はどちらかと言えば苦手だけど、それがスレッタのやりたかったことだとすればあっというまにぐっとくる。これは脚本うまいなあ。人がなにを大切に思っているかという話は承認の話ともつながるかも。義足の歩みに当然「第一歩」的エモーション。魅惑のエラン。

◯9話

■めちゃめちゃよかった。アクセス数増加を喜ぶ地球寮はそっくりそのまま話題性への目配せを欠かさない脚本を持ったこの『水星の魔女』という作品のことだと思った。グエルとスレッタの会話中に灯る街灯のタイミングすごくいい。スレッタが街灯の影に隠れたりするのもまたいい。プロスペラ(今回セリフなし)の涙のしずくよ。このショットのためにいままでヘッドギアをかぶっていたのではないかと思うほどにいい。

◯8話

■スレッタが言うように、観ているこちらも「部活みたいだな~」と、チーム(ワーク)が構築され始めるのを眺めるおもしろさを感じ始めつつ、そのおもしろさはこのあと血なまぐさい展開になったときにも発揮されてしまうんだろうな~、と早くも残酷さの匂いを感じとった。スレッタの「うちのミオリネさん」発言。プロスペラ・ミオリネ・スレッタで会談しているときの、狭いところをすり抜けていくスレッタの横歩きなどおもろ。

◯7話

■株式会社ガンダム、バンダイナムコグループなんだろうか。あ、ベネリットグループか。

◯4話

■決闘の不合理性との距離のとり方が『ウテナ』との最大のちがいではある。まあそれはそれでこのへんで。作品がおもしろいかどうかの前に、話題性の生み方に上手さを感じる。いま「前に」と書いたけど、おもしろさと話題性はそれぞれ単独に存在するものだろうか。思考の中ではそう考えることもできるが、事実上は不可分かもしれない。

◯3話

■決闘で「逃げちゃだめだ」みたいなことぶつぶつ言った直後、ロケットパンチみたいなの飛んでなかった? ちょうどいまMXでは『エヴァ』と『マジンガーZ』が連続の時間枠で再放送中です。

◯2話

■ミオリネがスマホに父親届いた父親からの連絡をいったん父親の部下?に読み上げさせ、で、改めて自分でそれを読むという流れがちょっと引っかかった。二度手間っぽく見えて、流れがよどんだ気がしたというか…………べつの案ないですか。ぼくのほうからはいっさいありません。

◯1話

■こうなったら毎週いろんな名作アニメを彷彿とさせる「彷彿アニメ」になってもらいたいな~

6.新世紀エヴァンゲリオン(再放送)

◯12話

12/20放送済

◯11話

■停電ドタバタ物語。光源キラキラな序盤は停電の暗さとのギャップを出そうとしてるのかな〜。ジブリが作った回らしい。キャラの顔が別人だけど、その顔で徹底されるからいい。簡素だけど派手な動きの使徒。あ、冬月の「ぬるいな」が。次回予告は「みんなで観てね」と。

◯10話

■暗い部屋でひとりアスカのセリフ「やだなあ」をものまねすることも多い『マグマダイバー』回。初登場から3週連続でタイムリミットサスペンスに挑む働き者のアスカ。キャラ全員の顔がちがうのはだれか偉い人でも見に来てたのかな。だからいつもとメイクがちがったのかな。ロープウェイに加持さんと同乗してたの誰だっけな。まじで。

◯9話

■アスカシンジのユニゾン回。コンテ樋口真嗣、演出水島精二だったんだ。例の62秒もすごいが、序盤の学園コメディぶり、キャラの画や冬月のやれやれ芝居にから生まれる「みずみずしさ」も味わいどころ。え、来週はもう「マグマダイバー」か。アスカが登場直後からすさまじい活躍ぶりだったことがわかりますね。

◯8話

■甲板に足のついた落ち着きのある演出。そして弐号機の躍動。アスカの存在で学園ドタバタにも振れるようになったとは言えるかも。初戦ですでにユニゾン&タイムリミット要素あったのか。ケンスケの撮影素材見たい。たしか旧劇場版には無い話数じゃなかったっけ。あ、予告がサービスサービスになってる。

◯7話

■「巨大ロボットアニメ」の継承に真正面から挑む回。がゆえのシナリオと演出の安定感とも言えるかも。科学と人情、行政と民間、有人と無人など。兜甲児のド根性はパイロットではなくミサトに受け継がれた格好。JAお披露目パーティーの花輪に「イクハラ」の文字が。次回、ついにアスカ来日。

◯6話

■ヤシマ作戦回=笑えばいいと思うよ回。省略の黒と物語内の停電が呼応する。ひろびろ司令室。コンテ摩砂雪。停電例で示される山口県宇部。意外とあっさり系?の「笑えばいいと思うよ」だが、緒方恵美のエモーションを内に秘めた芝居はさすが。

◯5話

■ゲンドウもレイもリツコもあきらかに表情が豊かに。なんならゲンドウは若い(実際に時間軸もちょっと前だが)し、レイは無表情キャラではない。話数でこうもちがってたんだな~。いまのとこ予告に「サービスサービス」は無い。

◯4話

■シンジの物理的心象的時間的な距離表現いろいろ回。なんせヤマアラシのジレンマなので。諦念まじりにただのミリタリーオタクを自称していたケンスケがその後第3村で活躍せざるえなかったことを思うとやるせない。電車内でのシンジ(本人は動かずまわりの乗客だけが動く)と、ケンスケとシンジが中にいるテント(時間経過によりネルフの大人たちに囲まれる)とが、なんとなく同ポジ演出的な味わい。

◯3話

■ケンスケとヒカリのちょっとしたやりとりに「この後まさか第3村まで一緒に過ごすとはな~」と思ってしまうとか、観てる側だけの感慨がずっとすごい。毎週1話ペースでゆっくりじっくり観ることでこそ振り返れるあれこれがある。たとえば、トウジの関西弁って改めて聞くとそんなに目くじら立てるほどめちゃくちゃじゃなかったんだな~とか。

2話

1話

7.マジンガーZ(再放送)

◯12話

12/20放送済

◯11話

12/13放送済

◯10話

■超巨大ロケットパンチ「鉄腕ダイアン」がビルを盗むという導入。現代の怪談的扱いでおもろ。しかし、その後ダイアンは全身での登場のみ。ただのユーモラスでかわいいキャラ(機械獣)に。ちなみに鳴き声はゴジラそのもの。

◯9話

■スケール感を無視した異様なムードの中で上半身と下半身をちぎり分けられる兜甲児、あしゅら男爵による三博士催眠(やはり女性の声で!)、バラバラになっても再生する機械獣など、全体が不穏なムードですばらしい。バイクアクションもあり。50年前はちょうどボーリングブームかな?

◯8話

■大魔神像のまわりを周回するボスたちの遠景から即タイトルに行くのかっこいい。アフロダイAに戦闘能力を持たせるべきかうんぬん。女性兵士&軍拡論議がからみあうたいへん今日的な問題提起。そういえばあしゅら男爵は雌雄を併せ持つ存在だ。一人称?が「われわれ」なのがいい。
■とはいえオチの感覚はさすがに古い。大魔神がアフロダイAを蹴り飛ばすシーンなど、ロボットアクションにハリボテ感がなくなっているの興味深い。

○7話

■兵器があるから戦争が起きるのか、戦争が起きるから兵器があるのか的なの問いの強力さと怖さ。ドクターヘルお休みの中、画面演出や民衆扇動に抜群のセンスを見せるあしゅら男爵は、おそらくル・ボン『群衆心理』を読み込んでいる。扇動するときは美女(あしゅら男爵の半身)の姿なのがまた生々しい。それにしても群衆は単純である。

◯6話

■いよいよ巨大ロボットバトルが本格化。ここに欠かせないのは、ようやくさまになってきた甲児の操縦技術と、ロボット同士がぶつかる際の重く金属的な効果音だ。直接攻撃ではなく敵の背後からひざをつかんで転ばせるために撃つロケットパンチ。来週はあしゅら男爵の大謀略らしい。

◯5話

■マジンガーもアフロダイも動きが人間みたい、というか、人間たちの動きが人間っぽくないということか。そんな状況で「ゴースト」という複製のネタを扱うからもう、いま観ると示唆に富みまくり。あしゅら男爵はあいかわらず展開の屋台骨。

◯4話

■人間との比較で描かれる巨大ロボットのサイズ感おもろ。校舎の窓から甲児を指でトントンするアフロダイA。ただの道路を歩くマジンガー。あしゅら男爵はストーリー進行におもしろ画面の構成にあいかわらず八面六臂の活躍。まるでスーパー座長。予告の「ゴーストマジンガー」に期待感。

◯3話

■なぜか前に出てこないドクターヘルの代わりにあしゅら男爵がなんでもやる。いつも通りのあしゅら男爵らしいの画面作りのおもしろさに、物語のテンションを維持するための状況説明まで担当して大活躍。ボスの登場はスパロボ世代?に親近感。

◯2話

◯1話

■あしゅら男爵、自分のおもしろい見せ方熟知しまくり。初対面の相手に対してドアの開け方を調整してまず顔半分だけ先に見せたりとか。というかこのアニメめちゃめちゃおもしろいな~。MXで毎週『エヴァ』の再放送と同じ日にやってます。

8.ブルーロック

◯13話

2023/1/7深夜放送予定

◯12話

ひとり練での成長の楽しさおもろ。花いちもんめシチュエーションおもろ。このあとも作劇にミステリーの手法が用いられると予想。序盤で姿を消した鈴村健一がまた出る気がする。あるいは実は野球選手を育てるたくらみだったとか。

◯11話

■一次セレクション修了。サッカーを破壊するというふれこみのはずがはずが気づけばど真ん中のサッカーをしてたりする奇術的作劇だったので、ここへ来て館ミステリ要素の登場は頷けるばかり。本来スポーツに直接ドラマ性は無く、観客の脳に生成されてるだけだよな~とみたいなことを(ポジティブな意味で)思いました。

◯10話

■上昇志向の発端が過去に受けた悪意への対抗心というのは説明としてわかりやすいけど、モブにしても(いや、モブだからこそ)「悪意だけのキャラ」を描写するのは恐ろしいかんじもする。いまさらだけど、闘気みたいな表現おもろ。狐坂高校というネーミングか~

◯9話

■ふと気づくと、かなりまっとうなサッカーを、いや、すくなくともサッカーアニメをやっている。本編で立たせまくったキャラがそのまま CMのナレーションをするのは健康だと思う。坊主頭の五十嵐の顔面ブロックおしゃれ。神谷浩史の「ブルーロック」の言い方を自分で真似してみるが声がちがいすぎておもしろくできない。

◯8話

■久遠にちょっとだけエクスキューズが与えられていた。まあ、必要かも。わたし的に2022年秋アニメナンバーワンED曲ですが、この使われ方(本編ラストに重ねてイントロど頭から入れる)だと効きが弱い気も…………え、これ臥牙丸が歌ってるの!?

◯7話

■いまさらだけど、『ハイキュー』とのちがいを上げるなら「悪意」のありなしかもしれない。それは久遠や鰐間兄弟といった「悪役」ではなく、モブキャラの女子生徒が千切豹馬を揶揄して言う「あれ天才じゃなくなった人じゃない?」に象徴される「悪意」とか、あるいはそういう発言をするモブキャラを存在させること自体に宿る「悪意」のことだ。いい悪いではなく、単純な作品比較として思った。

◯6話

■久遠の裏切りにびっくりしたことに自分でまたびっくり。番宣段階では「通常のサッカーアニメとちがう」的なふれこみを見かけた気がするが、よく考えればサッカーアニメに見せかけていきなりミステリーになったりしてもおかしくないのかも、と可能性のことを考えているのに気づき楽しくなった(この作品が今後そうなると思っているわけではないです)。

◯5話

■絵心甚八の「ソースとマヨネーズ合う~」の「う~」の芝居おもろ。絵心側のシーンはどうしても前のめりで観てしまう。神谷浩史。ところでサッカーアニメにおけるドリブル表現史ってないのかな。

◯4話

■あれ? これもう、ふつうにサッカーしてるのでは? 気づくと従来のサッカーマンガやサッカーアニメになってきている。だが、唯唯諾諾とやるだけのサッカーと、自分たちでゼロから見つけたサッカーはちがう。てことは、ただサッカーをやるだけでこの先ずっとおもしろくなってしまうってことか?

◯3話

■やっぱりボールに質感がしっかりあるのがいいと思う。重そう。たしかにサッカーをゼロから作りなおすとき唯一頼れるたしかなことは、そこにボールがあることだけかもしれない。

◯2話

■神谷浩史の「◯◯か~い」がすごかった。リアルでもコミカルでもない虚構のキャラに虚構の血液をそそぎこむ「か~い」である。『ハイキュー!』とは似て非なるベクトルのネーミングが興味深い。えっ、鈴村健一もう終わり? もっと観たいのに。

◯1話

■こういう話なのか! ボールの質感がいいが、いまのところもはやサッカーじゃない。これを観ることで『ハイキュー!』を捉えなおすこともできるかも。脚本は岸本卓さん。神谷浩史さん鈴村健一さんのうるおいすごい。脚本と画面と芝居の充実ぶり。

+1.デジモンゴーストゲーム

◯57話

■かなりよかった。暗さといい設定といいエクソシストっぽいムードでおもろ。いましがた観た舞台を会話とスマホ写真で処理するのと、車内にガンマモンを置いて霊障的な描写を断続的に見せるのもうまい。宙の不安そうな芝居が記号的でないのもいい。

◯56話

■作画の美しさが物語(潔癖症スタート)的に必然性がある気がしておもしろい。「寮長として誇らしい」は重要なセリフ。物語の推進力でありキャラの描写にもなってる。クズハモンほぼプロスペラ。毎回切り口いろいろだからこそ「飛躍からどう無事に着地させるか」が味わいどころだと思う。けっこう力技なところ含めて。

◯55話

■猫が人間を操る構図じたいはおもろ。ただ、バステモン→猫→人間という操りの連鎖に距離があるせいか、なんとなくすっきり見れない。なんか過去に因縁ありそうだったけどどうなんだろう。《飼い主の恵み情けは猫の為ならずおのが心のマタタビと知れ》とのこと。

◯54話

■他人の視界をジャック「できてしまう」というサイコホラー的導入ながらそちらの路線はそれほど掘られず、恒例の生理的気味悪描写(今回はフジツボ寄生)をほどよく混ぜて力ずくで友情に落とす剛腕展開。ずっと苦しんでいる宙の画はシンプルにおもしろいが、なにより田村睦心の芝居がすごい。いまさらですが竹中直人のサービス精神あふれる予告はいつも楽しい。

◯53話

■知識王とのクイズバトルという題材おもろ。バアルモンの「こりごりだ」のニュアンスのつけ方うまおもろ。櫻井孝宏vs石田彰か。《知にこだわれば角が立つ/勝負に水させばたたられる/とかくこの世は驚きばかり》とのこと。

◯52話

■頭身高めのかっこいいカッパ(デジモン)との戦いおもろ。環境汚染の安易な否定で終わらせず、終わる直前の「人間の世界はデジモンのために作られていない」のセリフで(生物)多様性への思いを馳せる。ほんと志の高い作品だな〜

◯51話

◯50話

■思い通りにならず癇癪を起こす幼稚さ&やつあたりが軸で、《自分と同じオカエシを求める》という特徴はほぼ使ってない。ような「人間がみんないない」「あいつらがなんかして」このざっくり認識&言葉えらびでこそ可能になる展開のスピード。バトルっぽいバトルおもろ。

◯49話

■魔女に憧れる者は魔女に、そうでないものはネズミにするぞ〜、というわかりやすい切り分けがお話の強度を高めてる。眼球を口に含む生々しさ。

◯46話

■「注文の多い料理人ね」とか「蓼食う虫も好き好きなれど、いかもの食いもときにまたよし」とか言ってた。全体としては鬼太郎リスペクトか。毎週お話の怖さと描写の生理的な怖さでちゃんとトラウマを作りに行ってて好感。1話から観ればよかった。

+2.うる星やつら

◯11話


◯10話
■もはや副音声が通常音声?というねじれた工夫を初め、こまごまとした構造や演出によるドタバタAパート。に引き立てられるようにして描かれたBパートのセンチメンタルが圧巻。とくに神谷浩史のコメディ~シリアスの的確な行き来はすごい。画とそれが互いの引力で結びつく。これがアニメの力なんだな~。おもろ。
■初代ラムの平野文がラム母を演じていて、ここまで平野文の完コピ的アプローチをしてきた上坂すみれラムとの共演シーンが実質ダブルラム状態になっていたのがおもろ。声優は全員めちゃめちゃうまいが、作品のノリにぴったりフィットしつつもさらにその枠を広げるようとせずにはおれない過剰さを入れる宮野真守は独特の功労者。

◯9話

■新キャラ・レイと既存のキャラ・ラン(先週登場したばかり)が絡んだ瞬間にようやく美しきマンネリの萌芽が感じられてうれしい…………いや、それって1981年版を観ればいいだけでは。ED曲後のエピソードのあるなし・長短にどんな効果があるかは単純に知りたい。

◯8話

■ランちゃん登場。新キャラ紹介回はあと何回くらいあるんだろう。へんな言い方だがマンネリ化してからを早く観たい。客なし体育祭だ。老い描写が妙にマイルドで異様。人格持った花瓶はその場限りの使い捨てギャグツールにしては贅沢なアイデアでいいな~と思ったらすぐまた使っていた。

◯7話

■偉大な原作があるからなのか、画面がきれいだからなのか、または芝居の安定感からなのか、とにかくこの「余裕のあるかんじ」はどこからくるんだろう。時差ありで立ち上ってくる泡の字おもろ。書き文字演出を続けている作品だからこそ有効になるアプローチ。あ、櫻井孝宏さん。え、蛙亭中野さん。

◯6話

◯5話

■5話というより250話のような味わいにしようとしているのだろうか。でも5話だ。たしかにどうしても過去作の時間を背負ってしまう企画ではあるだろう。ラムの魅力を再発見するあたる。電柱のてっぺんの叙情。飛び立つラムの手をとるくだりは演出しなおした『世界中がアイ・ラヴ・ユー』のようでおもろ。

+3. 万聖街

◯6話

■もう最終回? ド派手なアクションや物語由来のエモーションではなく、ただただぼーっと口を開けて観ていただけで気がつくとここまでひっぱられていた感(いや。アクションもエモーションもありはします)。つまりすげえ。この作品はたんに「画やキャラがいい」では済まない。脚本に書き込まれたさまざまな機微・テクニックの解像度も尋常ではない。おすすめどうこうの次元にはもうない。単純な事実として、ここがアニメの現在地。
■よかった/すごかったところを挙げだすときりがないので挙げない。続編製作も決まったらしい。日本語吹替版独自の要素であるところの櫻井孝宏の激うまナレーションは、ナレーター本人がバックのアコギまで弾いていると思い込むことでおもしろさを増すわけですが、今回はピアノも弾いていてなおのことおもろ。

◯5話

■いや~、すごいわアイデアの質も量も。日本語吹き替え版を観ているが、声優が上手いのは当然として、とくにナレーションがつねに「正解」を出しつづけていて驚異。たしかに『羅小平戦記』のルックで非ファンタジーを観てみたいとは思っていて、見たいものを見ているんだけど、5話ぶんを観終えたいま言えるのは、エンターテインメントで殴られて失神させられた気分ということです。これより前にそう思ったのは『トイ・ストーリー3』です。

◯4話

■すごいすごい。なんというか、「コンテンツ成立させ力」がすごすぎる。ぱっと見の力も、底力も持ち合わせているかんじ。脚本において説明が必要になりそうなとき、それをもたつかせずにクリアしつつ、さらに付加価値を増すことさえできるのがギャグのひとつの力だと思いますが、それすらも余裕でこなしていて圧巻。何度も書きますがナレーションの櫻井孝宏うますぎ。
■ナレーション部分はバックにアコギが流れているんですが、それを櫻井孝宏が弾きながらナレーションを入れていると思い込んで観るとおもしろい。

◯3話

■動きとお話のアイデアの質の高さやナレーションの上手さにやっと慣れてきたこのタイミングで、万を持してニック(中村悠一)初登場。意外にタイトな芝居でおもろ。櫻井孝宏のナレーション時のBGMのアコギ。あれも櫻井さんが弾いていると思い込んで観るとおもしろいですよ。

◯2話

■ギャグの切り口のバリエーションと品のよさ、かわいげ、むろん画と動きのクオリティ、テンポ、情緒や雰囲気に逃げない潔さ、すべてが一級品の商品価値。合間のナレーションはEテレのショートアニメのそれのようで、たったひとことでその次元にたどり着くすさまじいうまさ。うま~
■これたぶん、みんないったん『万聖街』観たほうがいい。なんかこう、牛丼を一度も食べたことがない人には「食べるといいですよ」としか言えないかんじ。結局好き嫌いあるにせよ、牛丼という存在や構成要件、価格感は知っておくに越したことはないと思います。1本1本短くて食べやすいしね。

◯1話

■へえ、ショートストーリーの連作なのか。いずれのエピソードも一切油断のないハイクオリティっぷり。サービス精神がすみずみまで行き届いているかんじ。わたしなどに残された褒めしろはいまのところ「狼男登場回の小鳥とか落雷の間がよかったですね~」とか?

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