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【思考実験】人間の知能を超えたAIは株式市場を支配するか?②

常に全ての投資家を上回る成績を残せる、完璧な投資判断を下せるAIが生まれることはあるか?答えはNoである。なぜなら株式市場は将棋や囲碁と異なる不完全情報ゲームであり、市場心理との闘いでもあるからである。

市場にある情報は、数値だけでは測れない文字情報に溢れている。また、未だに株価と因果関係が未知な経済的状況にも左右される。そのため、市場参加者の評価する会社価値(株価)にはブレが存在する。

株式投資は人気投票的な側面を持つ。また、空売りや成長株に賭けるなど他者を出し抜くためにあえて不利に見える戦略を採用する者さえいる。

経験的に、株式市場のマジョリティが見ている方向とは逆の売買をする者が大きなリターンを得ると言われている。これは、ポーカーで言う攻撃的なプレイヤーばかりのテーブルでは消極的にプレイし、消極的なテーブルでは攻撃的にプレイせよというセオリーと一致する。

但し、理想的なAIが全く役立たずということにはならない。現在の株式市場は、参加者それぞれが限られた市場に関する情報を持ってゲームを行っているが、誰でも同じAIを使えることで、全ての株式の価値がより平等に評価されるようになると予想できる。つまり、安すぎる株や高すぎる株が見つかりにくくなるだろう。

次回は、具体的な投資戦略を採用したAIの出現で市場にどのような影響が出るか?考えていこう。

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