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106.「さしすせそ」を使う理由

唐突にタイトルに数字を付けていくことにしてみた。
単純に「毎日やってる感」がでるの、なんかいいな!と思ったので。

ここ最近風邪の話ばかりでうるさくてすみません。もう咳がこじれすぎて久しぶりに疲弊しておりやす。なんか集中できないよ!

とりあえずありとあらゆる咳に効くものを試していこうと思う。
それまで飲んでいた、咳とたんに良い漢方「五虎湯(ごことう)」はワシにはたぶん効かんかった。1日きっちり3回飲まないのが良くなかったのかな。

さて

タイトルを「さしすせそを使う理由」としたのは、お盆休みに実家に帰って”料理”について思うことがあったので吐き出しておこうと思いまして。


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うちの両親は全然料理をしない(特に母親)。父親は昔、中華料理屋で働いていたので料理上手だけれど、最近は進んですることはない様子。

実家に帰ったある朝、家にお中元でもらったらしい、うどんやそうめんがたくさんあったので「そうめんやるか。」と思い、家にある材料を確認して薬味と肉を少し買い足した。

そうめんをするとき、いろんなトッピングをそろえるのが好きだ。その日はシソ・みょうが・オクラ・梅・トマト・茄子の素揚げ。いいでしょう。夏でしょう。

しかし料理をしないこの家で、材料を余らせてしまってはいけないので、買っていた肉と余った材料で一品を作ろうとしたとき、家にある調味料を探してみて驚いた。

しょうゆ・さけ・みりん・酢・みそ 何もない。

塩はある。砂糖は未確認。あるのかな、固まってそうだな。厳密にいえば醤油はある。が、「刺身醤油」だとか、「たまごかけ醤油」だとか、主な使い方が示されてしまっている醤油しかなかった。

昔、調味料置き場になっていたところを開けてみると、
「油しかないやんけ!!」状態。健康サララ。

ここまで調味料がないことは想定外だったので、茫然としながら冷蔵庫を開けると、開封して少ししか使っていないであろう”焼肉のたれ”があった。

私にとっては、焼肉のたれがあること自体が珍しかったので、結局焼肉のたれだけで一品を仕上げた。

何を作っても味は焼肉味だ。


ここで気が付いたことがある。
料理をしない実家と、自炊をする我が家では、冷蔵庫に入っているものが正反対なのだと。

私の家にはないものばかり、○○醤油も焼肉のたれもめんつゆもダシの素も味の素も香味ペーストもチューブのショウガ・にんにく類も。


とはいえ、そんな実家で育った私も、一人暮らしを始めたときの冷蔵庫は同じようなものだったので、偉そうに人の事を言えたものじゃない。
そうした出来合いの調味料を使わずに過ごせるようになったもの、それを教えてくれる師匠の存在があったからだ。

シンプルに言うと、付き合っている彼なんだけれども、そんな話は苦手なので割愛させてください。料理だけでなく、師匠の教えには本当にたくさん学ばせていただいている、、、いつもありがとう!!お師匠様!!!

そんなわけで、我が家ではほとんど全て、原料の組み合わせや、素材を刻んだりすりおろしたりして使うようになった。


ただ出来合いの調味料のメリットはなんといっても、失敗しないこと・簡単であること。だと思う。


でもね、

出来合いの調味料では、作れるものも限られてしまう。

もちろん調べればいろんな工夫ができる使い方もたくさんあるけれど、ベースの味は変えづらいし、たくさん工夫してみようと思う人は、出来合いの調味料ばかりをそろえたりはしないと思うので、結局出来上がるものは違う材料の同じ味。

そして実際、焼肉味の一品をこしらえて食卓を囲んだ時、家族に「美味しい」と言われても全く嬉しくはなかった。
そりゃうめぇだろうよ。ただのそうめんと焼肉味の炒め物だぜ。ここで自分を褒められる要素は「材料選びのセンス」くらいだ。

料理をしなくなった実家、外食の刺激で自炊の魅力を完全に感じなくなった親。健康面でとても心配ではあるけれど、家を出た外野の言葉は、当人の心に響かないのが現実です。

失敗しない・簡単である調味料を使う事自体は悪いことではない。私も使っていたし、便利だし、忙しい毎日のお助けアイテムだと思う。

でもそればっかりになっていると「それ以外の味」を作り出しづらくなって、”創作力”のようなものが失われてしまう気がする。

実際、師匠のお陰で調味料が充実した我が家は、すこし手間をかけてもにんにくやしょうがは素材から使ったり、何を作るにしても極力原料としてそのままのものを使うことで、工夫が生まれて、試行が生まれて、新しい料理が生まれている。

それが美味しければ最高だし、失敗しても学びがある。「次はこうしてみよう」「これは少し減らした方が美味しくなる」「あれを入れて味を変えてみるのもいいかも」という”創作力”がどんどんついてくる。

こんな風に、せっかく作るなら「自分の作った味」で美味しいと言われたい。その方が何倍もうれしい。

私はまだ独身で家族もいないので、こんな悠長なことが言えているのかもしれないけど、こういう気持ちを一度でも自分の中に落としめたことはとても嬉しいし、重要なことだと思っている。調味料は出来る限り自分で作りたいと思っている師匠のお陰っす。

思い返せば昔は父も、そうやってワクワクしながら作っている背中を見せてくれていたことがあったな、またあんな風に作ってみてほしいな。


ここまでいろいろ言うてますけども、私は断言でするほどの料理好きではないし、平日は変えるのが遅いので週末に作れるだけ作るくらいの頻度です。

それでもうんと自炊は楽しくなったので、料理が苦手な人ほど、便利調味料と併せていろんな素材を使ってみてほしいな。



ちなみにそうめんを桶に入れて食卓に出したら、桶に小さな穴が開いていて食卓はビショビショ。文字通りの流しそうめんとなりました。

おあとがよろしいようで。


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