昔出会った大噓つきの彼女へ

ある製造会社に勤めてた時に出会った彼女。
あなたは今は幸せですか?

わたしが配属されたのは営業部門。
営業さん(すべて男性)のアシスタント。

女性はWさん Nさん Dさん に新人のわたし。

入社してすぐにWさんがわたしに一緒にお弁当を食べようと声をかけてくれたのでお昼休憩をよく一緒に過ごした。
Wさんは出会ってすぐのわたしに身の上話をしてくれた。
彼女の小学生の頃実父が再婚して継母と一緒に暮らすようになった。
継母は彼女に辛くあたり高校に行けず中学卒業後に就職。
その後結婚。しかし結婚がうまくいかず子供二人を引き取り離婚。
元夫から子供の教育費ももらわず女手一つで育てているとのこと。
生活は苦しいけど、楽しく暮らさなきゃ!と明るかった。

彼女とはお互いの電話番号を教えあい、時々夜電話でお喋りをし
営業事務所の人間関係も色々教えてくれた。
Dさんには気を付けて。彼女は男漁りに仕事に来てるのよ。
仕事が全く出来ないくせに。

仕事が慣れてくると事務所内の空気がバンバン伝わってくる。
つまり。
WさんとNさんは仲良くて、二人でDさんをいじめると言うか非難してた。
他の部署の人からもDさんの評判は悪かった。

中年のおばさんは群れたがる。
当時のわたしもその群れに入っていれば安心だった。
傍からみたらそんな群れに入らなければよいと思うだろう。
だが浅はかなわたしは群れに紛れ込んだ。
ただ狭い事務所でましてや飛びぬけて何かの特技や何の才能のない中年おばさんは群れに紛れ込まなければ、居場所がなくなる。
それほどWさんとNさんの二人がDさんに対する態度が酷かったのだ。

ある日Dさんが他の事務所で
「わたしはWさんとはここではこういう状況だけど、本当は仲がいいのよ!昨日の夜だって電話で仲良くお喋りしたんだから」と言ったらしい。
そのことを他の事務所の人がわたしたちの事務所にわざわざ伝えに来てくれた。
みんなでそんなことはあり得ない、Dさんって大嘘つきだと大騒ぎになり
Wさんはその後具合が悪くなり、仕事してたかと思ってたら椅子に座ったまま気を失った状態で後ろに倒れてた。
救急車を呼びまたまた大騒ぎとなった。

その後わたしたちはDさんを責めた。
Wさんがあなたと仲良くするわけがない。
そんな噓をつくからWさんは救急車で運ばれることになったんだと。


暫くしてDさんは仕事を辞めた。


Dさんの代わりの人、Aさんが入社してきた。
Aさんは誰とでも活発にお喋りするタイプの人で
それが裏目に出てNさんとWさんから距離を置かれてた。
Aさん対WさんとNさんとわたしのグループになっていた。

ところが、ある日
Wさんがわたしを目の敵にした。
突然。
昨日までとは打って変わっての態度。

???????

その日から電話の受け応えから営業さんとのやり取りから仕事すべてを見張りわたしを睨みつけるWさん。
NさんとAさんは露骨な態度をするわけではないが、Wさんに気遣ってわたしには話しかけてもくれない。
WさんとNさんとAさんのグループが出来上がってた。


先日辞めたDさんは今のわたしになっていた。


ある日、何故わたしがハバになってしまったのか分かった。
トップの営業さんがわたしを褒めたからだった。
褒めた理由は、わたしが前日の仕事で気になってたことがあったので
次の日、早く出社してチェックをしてたのをトップの営業さんが気が付き
「あこさんが今朝いつもより早く出社してチェックしてたよ。偉いね」とわざわざWさん言ったからだった。


トップの営業さんはいつもWさんを小馬鹿にしてた。
理由はWさんが面接に来た時、総務の人が営業に配属する予定だから営業さんにそれもトップの人に決めてもらおうとWさんの履歴書を見せたら、顔写真を見て若そうだからこの人でいいんじゃないと言いWさん採用。
実際のWさんは履歴書の写真より老けていた。
お金が勿体ないからと手元にあった十何年前の写真を履歴書に貼ったんだとか。生年月日を嘘ついてたわけではなく。
そのことを時々トップの営業さんはWさんには騙された~~と茶化してた。
茶化される度、Wさんも笑ってたんだけどね。



長い間ここで仕事してるわたしはいつも小馬鹿にされ、なぜ入社間もない彼女が褒められるのか?とWさんが思ったのか。
それがきっかけでわたしはWさんの目の敵になったようだ。


全く関係のない人から聞いた話だが、
Dさんの前の人も同じように辞めていったらしい。

つまり、Dさんの前の人、Dさん、わたし。
WさんとNさんのグループから同じことを繰り返しされてきた。
なにがキッカケだったかは別の理由があれど……
常に誰かを攻撃しているとWさんとNさんは仲が良かった。
言い方が変だけど、誰かを攻撃していると二人は仲が良い。

WさんはわたしにいつもNさんの悪口を言っていた。
夜電話をしてきては、悪口を言う。
彼女はスポーツの特待生で大学に入ったのが自慢で
中学しか出ていないわたしを馬鹿にしてるの。
Nさんの旦那も知ってるけど、云々。子供のことも云々。
Nさんのプライベートのわたしが知らなくてもよいことを教えてくれる。
でも、仕事ではとっても仲が良い。
Nさんとはあまり話をしたことがないからWさんのことを実際どう思ってたかはわからないが、二人はそういう関係なんだろう。
Wさんとの夜の電話はずーっと続いていた。
目の敵認定された後も不思議な事に、彼女から電話がかかってくるのだ。
「今日あこさんにあんな態度とってしまったんだけど、本当は違うのよ」
「Nさんの手前そうせざるを得なかったの」
夜な夜な電話がかかってくる。

Dさんが辞める前に「Wさんと夜は電話で仲良くお喋りしてるの」と言い
その後Wさんが卒倒したことがあったけど、あれは本当だったのだ。
彼女はDさんにも同じことをしてたんだ。
あの時救急車騒ぎになった時、ヒステリックてんかんだったと聞いた。
その時は嘘を言われてパニックになったんだと思っていたが
違っていたんだ。
夜な夜な電話して、昼間とは別のことを言ってたのがバレそうになって
パニックを起こしたんだ。
Wさんは以前はよくヒステリックてんかんを起こしてたらしい。
Dさんの時は久しぶりだったんだとか。


毎日Wさんに睨みつけられて一挙手一投足まで見張られてるような毎日。
それなのに夜に電話がきて謝罪。
そして次の日はまた睨まれる。
息をするのさえできなくなる。
我慢する必要なぞない。その場を離れた方が良い。

辞めることにした。


辞める当日
Wさんがこわばった顔でこっそりわたしに言う。
余計なことを言わずに辞めてね。
わたしはこれからもここで仕事を続けなければいけないんだから。


こんなこと他の誰かに言っても信じてもらえないだろう。
継母に虐められ苦労して育ち、母子家庭子供二人抱えて
平日は会社で仕事をして
土日は近所の美容院で掃除の手伝いをして
でも、わたし頑張って生きてるのと笑顔で話すあなた。
そんなあなたが、そんなことをしているだなんて。
誰も信じない。
もし言ったとしたら、あなたはまたヒステリックてんかんを起こすでしょう。そしてわたしは周りから嘘つきと非難されてしまう。


Dさんが辞めた後に入社したAさんとは彼女から声を掛けてもらい
退社の時連絡先を交換していた。


退社後、二回ほどAさんとランチをした。
WさんはAさんに、わたしと最初出会った時の流れと同じように
自分の身の上話をし、電話がかかってくるようになったんだとか。
彼女に気を付けてと全てを話をしたら
二回目の時、今わたしはあこさんと同じようになっています。
何がキッカケかはわからないけど、ある日突然始まり
そして昼間攻撃されて夜謝罪の電話がきます。と。


もう二十数年前の話。


こんな人もいるんだとあまりにも衝撃過ぎて
般若のような顔で睨まれて辛かった思い出が生々しい間は
恨んだりしてたけどね。

今はそんなことがあったんだなぁ。程度。

今日ここで書き出したらもうどうでもいいや、ってなった。




Wさん。
今は幸せですか?


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