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その名はエージェント・ランスロット

ウイスキーを右手に銃を左手に、ポッシュなスーツを纏い、華麗に身を翻しスタイリッシュなバトルを繰り広げるエージェントとは映画「キングスマン」に登場するエージェント・ランスロットだ。“キングスマン”とはどこの国にも属さない世界最強のスパイ機関の話だ。2014年に世界で公開、日本では2015年に公開され、海外ファンの中でファンアートが溢れ、未だ公開していなかった日本勢は一体何が流行っているのかとSNSで混乱した。あまりにも……流行っているのだ……一体何が……相変わらず日本公開が遅い為、毎回混乱する。ファンアートを流し見し、日本公開までワクワクして眠れなくなり、私は当時同じくらいの日に公開していたMCUの「アントマン」と同じ日にキングスマンのチケットを買った。

よし、話はランスロットに戻る。いいか、映画「キングスマン」は129分。エージェント・ランスロットが登場するのは冒頭の約5分程度。ここが大事。いくら登場時間が短くとも映画というのは瞬間的な印象が大事だと思っているので、私にとってエージェント・ランスロットの5分間は輝いていた。主役映画だった。初見の感想はこうだ。雪山の別荘に誘拐され軟禁されているアーノルド教授(マーク・ハミル)を救助に来たエージェントが扉をノックして現れたのは……

!!!!わたしの初恋の人だ!!!!!!

もうわかった人は友達になろう。多感な時期に「Pirates of the Caribbean」を見ていたわたしはクラスで『ジャック・スパロウ派』か『ウィル・ターナー派』か二分化されている派閥の中、1人『ジェームズ・ノリントン提督』を推していた。

演じる俳優は英国の【ジャック・ダヴェンポート】彼の父も母も俳優の芸能一家だ。ジャック・ダヴェンポート···当時40歳、身長188cm···パーフェクトキングスマンです!!!(?)わたしの脳内では勝利のラッパが吹かれていた。

「Pirates of the Caribbean」の話をしよう。ヒロイン・エリザベスが何故、ノリントン提督を選ばないのか不思議で仕方なかった。ディズニープリンスみたいなノリントン提督は英國訛りの嫌味なやつで性格は悪いけど、あの若さで提督まで上り詰めた実力と剣の腕と甘いマスク、きらびやかな衣装に負けない美貌、そしてお人好しだ。お人好しすぎて海賊をわざと逃がし、捕えられず、左遷され、元婚約者を命懸けで逃がしてかっこいい所を見せて殺された……泣いた……あまりにも理不尽すぎる……おのれ……わたしの悲しみはカリブの海に消えていった…おかげで三部作までしか見ていない…

話をキングスマンにもどします。キングスマンのエージェントはアーサーを筆頭に円卓の騎士の名前が付けられている。わたしはキングスマンのエージェントがたくさん活躍すると思ったんですよ、そりゃあたくさんベテランエージェントが椅子に据わってらっしゃるからさ。本篇を見ての通りですが···わたしがキングスマンで見たかったのはエグジーやロキシーを目の前に、ベテランキングスマンの華麗なる紳士の活躍だった…マシュー・ボーンは007の監督をやりたかったけどその希望が通らず、007まさにジェームズ・ボンドのような「ランスロット」を惨殺したのではないかという邪推をするほどであった。ランスロットてあれだよね、007のロジャー・ムーアぽさあるよね、大好き···!!

キングスマンの「ランスロット」の活躍は始めにも書いたけどたった「5分」程度なんですよね。なのにこんなにも網膜に焼き付くのは彼の鮮やかな関節技という体術、煌びやかなスーツの着こなし、ハンサムスマイル、そしてとろけるようなメルティーボイス···そう、そうなんですよ。ジャック・ダヴェンポート氏の声って美声じゃないですか、海外ファンからも「Melty voice」って称されてるらしいですし。

これ、ジャック・ダヴェンポート氏がナレーションをしているCMなんですけどイヤフォンで聞いてください。わたしはもう5000000億回ぐらい聞いてるんですけど脳幹まで痺れました。もうメロメロです。メロメロ···おかげで彼の朗読CDも買いました。毎晩眠る時に聞いてたらランスロットに指を1本ずつ切られる拷問を受ける夢を見たんですけどね。いい声ってずるい。

ランスロットの凄いところは、敵陣に乗り込むに当たってノックして扉を開けた瞬間に敵の銃を引く引き金の隙間に自分の指を突っ込んで攻撃無効化するところですね。経験と自信がないとできない。もうここだけで優勝です。しかもですよ。第一声が「お砂糖をお借りしたいのだが、厚かましいですかな?」ですよ。

何?何しにきた??

敵はポカーンです。ここでもハンサムスマイルをぶちかました後、一瞬で殺戮モードに転身。殺意2000%の眼差しです。キングスマン コンテスト優勝。ダンスを踊るように敵を仕留めるシーンも素敵。188cmの長身がベージュのスーツをはためかせているのも優勝。そしてここが重要。任務はアーノルド教授の救出。アーノルド教授っておじさんなんですよ。ランスロットはどんな相手でも紳士的。アーノルド教授にも百億万点のハンサムスマイルで「お迎えに上がりました、あなたをお家まで送ります」ですよ、優勝です。

ランスロットて特別なキングスマンなんじゃないかとずっと思ってます。他のキングスマンのエージェントは皆同じようなスーツに眼鏡。標準装備です。なのにランスロットときたら1人だけ派手なスーツに眼鏡はしていない。眼鏡ってエージェントの視界がガジェット担当のマーリンに見えるじゃないですか。ランスロットは心優しいので自分の最期を見られたくなくてしていないのか、それとも自我が強そうなので自分の美学に反するからか···ランスロットの性格は他のメンバーの台詞やランスロット自身の見た目と発言から見て取れると思うのですが、それを想像するだけで楽しい。エグジーの父とライバルだったし、その事をずっと気にしていて自分はリーに誇れる仕事をしているだろうかとか思ってますよ、きっと···エグジーの幼少期からずっとハリーはストーカーという見守りをしてきたけどきっとランスロットもしてただろうな。

ランスロット=ジェームズ・スペンサー

ランスロットはコードネーム。ジェームズ・スペンサーは本名です。ジャック・ダヴェンポートさん、ジェームズ顔なのかな?っていうくらいジェームズって名前が似合う。なんせ「Pirates of the Caribbean」のノリントン提督もジェームズ・ノリントン。もうジェームズって呼んでいい?

正直な話。わたしはキングスマンという映画をちゃんと見てなかったのかもしれない。ランスロットが強烈すぎて。わたしの脳内では「エージェント・ランスロット」というドラマがシーズン5ぐらい進んでいた。スピンオフで「ランスロットという男 」っていう短編作品も出ていた。脳内ってすごい。欲を言えばガラハッドとランスロットの共闘、めちゃめちゃ見たかった!ガラハッドが敵をばったばった倒した後、倒し損ねた敵がガラハッドを狙おうとした時にランスロットがそいつを倒して「腕が鈍ったかな、ねぇ、先生?」とか言って欲しいじゃないですか。ガラハッドとランスロットって13歳ぐらい離れてるからね。

ロキシーとランスロット

本篇でロキシーは「ランスロット」の名を継ぐことになるんですが、ロキシーは優秀でかっこいい女性。そんな彼女を候補生として連れてきたパーシヴァルという男も怖いんですが、代々「ランスロット」というポジションは変わり玉が多かったら面白いなぁと。わたしの脳内ではジェームズの前の「ランスロット」も女性で、彼女はパーシヴァルを候補生としてして連れてきた人で、その後ジェームズ・ランスロットになり、さらにその後にパーシヴァルが「ランスロット」に連れてきたのがロキシーだったら面白い。パーシヴァルって何者なんでしょう。ロキシーとパーシヴァル、もっと見たかったです。どうでもいいですが、パーシヴァルってロキシーのこと「ロクサーヌ」って呼ぶでしょ。妄想だけど。銃弾の雨を傘で防いでから「おやおや、にわか雨ですか」とか言うでしょ。妄想だけど。そんでもってガラハッドと仲悪いでしょ。エグジーとロキシーに修行と称して無理難題ふっかけた後 エグジーに「パーシヴァルに殺される!」とかガラハッドに言いつけられてガラハッドが「いい加減にしないか」とか言うじゃないですか、そしたらパーシヴァルは言い返します。「おや、候補生殺しはあなた方の特権じゃないですか」とか。辛辣です。ハリー・ハートの古傷を抉ってきます。ぐうの音も出ないです。わたしはパーシヴァルをなんだと思っているのか。ほんとに。セリフ?無かった?ほんとに?おかしいな···マシュー・ボーン、そういう所やぞ。ところでパーシヴァル役のアラステアさんは、ほんとにハンサムですよね。好き。

ロキシーとエグジー

あのね、キングスマン2。わたしは楽しみにしていた。ロキシーがエグジーと組んでキングスマンとして活躍する日を…そう、孫の授業参観を見に行くじいちゃんみたいな気持ちで臨んだ。ロキシーを殺す必要ある??????まてよ、死体が写ってないから死んでないな!よし!20年後ぐらいにロキシーが女性の候補生と共に活躍する「エージェント・ランスロット」を楽しみに生きるぞ。

ランスロットは冒頭で真っ二つになりましたけど、すごいよね、真っ二つになってもハンサムなんだもん。真っ二つになっても魅力的なのはランスロットとスターウォーズのダース・モールだけですよ。ほんと。ありがとうございました。わたしの過去ツイートはランスロットだらけです。検索しないでね。身のためです。ランスロットを愛してます。これからもずっと。

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