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No.2 “面河”とはどのような山村か?

 みなさまこんにちは。面河地区で地域おこし協力隊をしているくわなです。前回は私の自己紹介で終わってしまいましたので、今回こそは「面河(おもご)」のことをお話しできたらと思います。

 今回は、初めて面河地区を知った方でも、ざっくりと面河のことがわかる「概要編」としてお送りいたします。



面河地区ってどこにあるの?

 さっそく面河の所在地からご紹介していきます。

 面河地区はオーストラリア……ではなく、四国4県の一つ「愛媛県」の、

(画像はFrameillustさんより)
「四国とオーストラリアは形が一緒」とよくいじられます。

 松山市を含む”中予地区”の南の方にある、上浮穴郡「久万高原町(くまこうげんちょう)」の、

(画像は素材ライブラリーさんより)
愛媛は東予・中予・南予の3つに分けられます。


 北東部分に位置します。

(画像は久万高原町おでかけMAPより)
久万高原町は旧面河村・柳谷村・美川村・久万町で構成されています
どこかシイタケっぽい形

 かつては面河村として観光業や林業を中心に栄えていましたが、2004年8月の合併により、現在は久万高原町の一部となっています。

 松山市の中心部から車で約1時間20分、面積157.81㎢(東京で言うと大田区・世田谷区・江東区を合わせたくらいの広さ)のそこそこ広い山村です。そして、その面積の34%を広大な国有林が占める、自然豊かな地域です。

 集落は標高約450m~600mの範囲に点在しており、冷涼な気候が特徴となっています。
 四国は温暖なイメージがある方も多いと思いますが、冬には数十cmの雪が積もることもあります。


どれくらいの人が住んでいるの?

 面河地区には令和5年12月現在で421人の方が住んでいます。(戸籍が面河地区にある方の人数なので、実際に住んでいる方はさらに少ないと予想されます。)

 先ほど面積の比較で登場した大田区・世田谷区・江東区の人口は、合わせると約222万人となります。両者を比較すると、面河地区は”約5273分の1”の人口!!
 この数字をみると、いかに人口密度の少ない地区であるかが分かります。そして、そのうちの59.1%が65歳以上の高齢者。いわゆる過疎高齢化の影響が顕著に表れていますね……。

 実は面河地区にも、かつて5000人近くの人が住んでいましたが、現在は10分の1以下にまで減少。このように推移していった経緯については、また別の機会にお話しさせていただきます。

人口減少が進み、現在は常駐者がいない集落もあります
(写真は河の子地区・令和5年2月撮影)

どんなものがあるの?

 少し暗めの話題になってしまいましたので、ここからは地域にあるすてきなものをかいつまんでご紹介させていただきます。

○食べ物編

 まずは食べ物編。

 昔からの特産品として、お茶アユ・アマゴの塩焼きこんにゃく味噌芋などがある他、最近は面河烏龍茶おもごジェラートなどの商品も登場しています。
 おもごジェラートは地元の果物やミルクなどをふんだんに使っていて、松山在住の大学生がわざわざ食べに来てくれることも。ちなみにくわなはイチジク推しです。

おもごジェラート(ダブル)
パッケージのデザイン等は松山南高砥部分校の皆さまによるもの

○観光地編

 続いて観光地編。

 面河の観光地と言えば、昭和8年に国の名勝地となった渓谷「面河渓」や、昭和30年に石鎚国定公園が指定された西日本最高峰の「石鎚山」、昭和38年に完成した「面河ダム」などがあります。
 先述の通り、面積の34%が国有林というだけあって、自然豊かな観光地を楽しむことができるのはもちろん、地区内のあちこちでもそれを体感することができます。

 そしてこれらの観光地は、面河地区の“歴史”を紐解いていく上でも、重要なカギを握っています。今後の記事でも登場すると思いますので、ぜひチェックしてみてください。

アイコンの背景にも設定している面河渓・五色河原
面河渓だけでもたくさんのスポットがあります

○生き物編

 最後に生き物編。

 自然豊かな面河地区ですが、面河渓や石鎚山を中心に数多くの生き物も住んでいます。

動物は、おなじみのイノシシシカサルウサギタヌキの他に、かつて面河村時代に村獣に指定されていたモモンガや、天然記念物のヤマネも。

植物では、キレンゲショウマや、アケボノツツジ、昨年話題になった牧野富太郎先生が、昭和6年に発見したオモゴザサなども自生しています。国道や県道に近い場所で、ネムノキモミジなどの広葉樹やマツ類が多くあるのもポイント。

昆虫では、愛媛県レッドデータブックに載っているオモゴミズギワカメムシイシヅチヒメハナカミキリイトウフトアブ、15年少々前に新種として話題になったタカネルリクワガタなど、ほぼこの近辺でしか発見されていない貴重な種がいます。
 集落付近でも、昔ほどではありませんがミヤマクワガタ(街中ではレア)と出会える確率は高め。時折りアカアシクワガタスジクワガタを見かけることもあります。ノコギリクワガタは短歯型・長歯型問わずいて、くわなお気に入りのコクワガタはたくさん見つかります。それから友人の話ではヒラタクワガタも……(以下割愛)

タカネルリクワガタ(愛媛県レッドデータブックより)
この発見は、当時小学生の私を大いに熱狂させました


 ほんの少し昆虫(というよりクワガタ)に熱が入ってしまいましたが、さまざまな生き物と日常的に触れ合えるのは、個人的に面河地区の大きな魅力です。


面河全図

 ここで紹介した以外にも面河にはたくさんの魅力がありますが、そんな面河地区にあるものをざっくりとまとめた地図がこちら。

活動の合間を縫って、1年以上かけて作成しました
今後も更新される場合があるので、都度お知らせします

 赤い点線は明治以前の二つの村境で、青色の点線で区切っているのは大字(自治会)、オレンジ色の文字は地区内の事業所などで、あとは小字、一部の旧事業所、林道などを書き加えています。
 今後の記事でも活用していく予定ですので、ぜひPDF版でもチェックしてみてください。


まとめ

 本日はここまで。
 紹介しきれていないこともたくさんありますが、大まかに面河のことを知っていただけたのではないでしょうか?
 またの機会に伸ばしてしまった話題も多くありますので、今回挙げたトピックは、どこかでご紹介させていただきたいと思います。

 次回は、少しマニアックな話題に触れたいと思いますので、コアな面河ファンの方もぜひお楽しみに!



【参考文献】


・面河村誌(1980年・面河村)
・閉村記念誌 刻を超えて(2004年・面河村)
・行政区別世帯人口調べ 令和5年12月31日現在
・年齢別人口調べ 令和5年12月31日現在
愛媛県レッドデータブック RED DATA BOOK EHIME (pref.ehime.jp))
【ホームメイト】東京23区の区別 人口一覧 (homemate.co.jp)



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