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(R6年度)他大学からの神戸大学工学部編入合格体験記

初めまして、 らいにー です。
私はR6年度神戸大学工学部情報知能工学科の3年次編入試験に合格しました。
工学部編入というと高専生の体験記が多く、他大学から合格できるのか不安という方もいらっしゃると思うので、参考になれば幸いです。


自己紹介

・地方国立情報学科 2年生
・受験校 神戸大学工学部 情報知能工学科 (単願)
・TOEIC 755点
・予備校なし
・大学のGPA 3.3くらい

志望動機

現役時、前期で神戸大に落ちて浪人を考えましたが、予備校代は高いうえ来年受かる保証もないのでやめて、後期で拾ってくれた大学に進学しました。
しかし、神戸大への未練はなかなか捨てきれず。。。編入を目指すことにしました。
理系なら院試からでもいいのでは?と思われるかもしれませんが、3年次編入の方が3年からではあるものの学部のカリキュラムに沿って学べるし、院で研究室を変えなくて済む→学部4年から一貫して研究ができるなどとメリットが多かったのです。

受験に向けてしたこと

Studyplusで記録を取っていたので、気になる方は「らいにー」と調べてもらうとヒットするはずです。

1年生

夏からTOEICの勉強を始めました。abceedというアプリに課金して模試を解いたり、単語帳の金フレを周回して少しずつ力を付けました。
試験は隔月で受験して、670(7月)→590(9月)(夏休み中で遊んでた)→700(11月)→735(1月)→755(3月)と少しずつ点数を伸ばしていきました。理系は700点台あれば十分戦えるのでこの755点で出願することにしました。大学入学してすぐに受けたTOEIC-IPが350点だったので、その割には頑張れたかなと思います。

2年生

専門科目に本格的に取り組み始めたのはなんと4月からです。これは相当出遅れていると思うので、受験予定の皆さんは2月くらいには取り組んでください!痛い目見ますよ~。
とはいっても、1年次に数学や物理の講義を履修しており初歩的なことは身についていたことと、TOEIC対策に時間を割く必要がなくなったことで結果的に間に合いました。
・4月~6月中旬まで
「編入数学徹底研究」や「弱点克服大学生の初等力学」を周回して数学と力学の基礎固めをしました。本当は電磁気学も並行して勉強したかったのですが、大学の実験レポートや中間試験に追われてそこまで手が回りませんでした。
・6月下旬~7月中旬
出願の手続きをしたことで編入に対するモチベーションが爆上がり。「弱点克服大学生の電磁気学」を用いた電磁気学の対策と、怖くて手が付けられていなかった過去問を解き始めました。また、この時期から小論文を書くための知識を得ようと、ネットや雑誌などで情報系の記事を探ってました。
・7月下旬~
各教科仕上がってきていたので、「編入数学過去問特訓」で演習を積んだり、今まで使っていた教材をもう一周したり、解いていない過去問をひたすらやったりして苦手分野を地道に克服していきました。

使用教材と対策方法

TOEICはもっと高得点の人を参考にした方が良いので、それ以外の科目について書いていきます。

数学

・編入数学徹底研究
・編入数学過去問特訓(C問題も半分くらい)
・大学編入試験問題 数学/徹底演習(苦手分野のみ)
・過去問13年分くらい

神戸大は線形代数と微分積分から出題されます。
線形代数は線形変換や固有値について問われやすく、トリッキーな問題がでることもあり難易度は高いです(魔方陣とか)。徹底研究と過去問特訓だけではちょっと足りないかもしれないのでもう一つくらい別の問題集をかじっておくと安心です。
一方で微分積分は典型的な問題が出やすく、しかもここ最近は極値と重積分の2問と決まっているので対策しやすいと思います。極値はラグランジュの未定乗数法が使いこなせるのと、ヘッシアンが0になるときに対応できること、重積分は変数変換をスムーズに行えるようになれば戦えます。

Youtubeに過去問の解答解説を投稿している方がいらっしゃるのでお勧めです。問題のアプローチの仕方や良い解答の書き方がわかるので重宝しました。

物理

・弱点克服 大学生の初等力学
・弱点克服 大学生の電磁気学
・過去問13年分くらい

物理はこの2冊を完璧にしましょう。編入試験の過去問を扱っている数少ない物理の問題集で、範囲も網羅されているので非常に優秀です。ただ、2冊とも誤植が多いので取り組み辛いことが難点。また、電磁気学の方は廃版になっておりメルカリで高値で出品されているので注意してください。(私は大学の購買になぜか在庫があったので定価で買えました。めちゃラッキー)
過去問は解答付きのものをメルカリで購入しましたが、ところどころ間違いがあるので他の編入志望の方とやりとりして正解を導き出してました。

専門科目(小論文)

情報知能工学科では、情報系のトレンドや専門知識についての問題が出ます。解答用紙はレポート用紙みたいなものなので、小論文の書き方はあまり重視されてないと思われます。どちらかというと「記述問題」に近いです。ですから、とにかく知識を蓄えて何かしら記述できるようにしておきましょう。
と、偉そうに語ってますが私自身はほとんど対策してませんでした(´・ω・`)情報系の記事をこまめにチェックしていたことと、 あとは試験2週間前から焦ってチャットGPTに過去問を解いてもらったり、情報系の最新技術を教えてもらったりして、それを基にいろいろ検索して使えそうな知識をノートにまとめていたくらいです。ありがとうGPTくん。
もちろん過去問を解いて教授に添削してもらうことが1番良いのですが、お願いする勇気が無かったので仕方ないです。。。

試験

前日

緊張で一睡もできないまま前日を迎え、11時くらいの新幹線に乗ってお昼に新神戸に着きました。三宮周辺で予約していたホテルにチェックインして荷物を預けたあと、連絡をとっていた他学科の受験生の方と合流して下見に行きました。はじめて編入受験生に会ったのでテンション上がったな~。学科が違っても数学物理は同じ試験なので互いに知識の確認をし合えて良かったです。
ホテルに戻った後は問題集をさらっと見返して23時には寝ました。

試験1日目(筆記)

9:00~10:30      数学
11:00~12:00 物理学
13:00~14:00 小論文

朝は6時半には起きて身支度をしました(1日目は私服で大丈夫です)。7:55に阪急に乗って三宮から六甲に移動し、そこから神戸市営バス16系統に乗って神大国際文化学研究科前で下車しました。試験会場の工学部学舎まではうりぼーロードを歩きました。会場が5階で階段を上るのが辛く、8:25くらいに着きましたが既にほとんどの受験生がいて、その人数の多さに驚きました。ネガティブなことを考えても仕方ないので、倍率が高くても大丈夫と頭の中で言い聞かせながら試験に臨みました。
数学の試験終了後、受験者が前年度より多かったせいか解答用紙回収に時間がかかり物理の試験開始が上記の時間より20分くらい遅れました。小論文もその影響で15分くらい開始が遅れました。(物理終了後、学科ごとに異なる試験室に移動したので他の学科がどう対応したかは知らないです)

以下手ごたえ ↓ (配点は情報知能工学科のものです)

数学(120点満点)
問1:実対角化可能な行列か調べる問題 8割
問2:一次独立性を示す問題 10割
問3:極値(ラグランジュあり) 10割
問4:重積分 5割

重積分で積分する関数をがっつり間違えました。

物理(120点満点)
問1:力学 ※記述形式 7割
問2:電磁気学 10割

力学は計算ミスしてるんだろうなっていう問題がありました。合格したのでひょっとすると合っていたのかな?電磁気学は易化しました。

小論文(60点満点)
7~8割
生成系AIの仕組みや社会への影響についての内容でした。初めに生成AIについての英語の記事を読んで解答する問題が1問ありましたが、TOEICの勉強をしていれば対応できる難易度だったと思います。6月にニュートンという雑誌の生成AI特集を読んでいたのでスラスラかけました。

TOEIC(100点満点)
755なので75点かな

合計8~8.5割

試験2日目(口頭試問)

13:00~(ひとり5~8分、面接官は5名)

口頭試問といっても普通の面接でした。前日の小論文の試験室に集合して受験番号順に面接室に呼ばれました。荷物を持って面接室に行くので華美な鞄は控えた方がいいと思います。

質問されたこと ↓
・志望理由
・研究したいこと
・受講したい科目
・現在の大学ではダメな理由
・現在の大学での学習内容
・卒業後の進路(修士か博士か)
・併願しているか
・もし落ちたら院試で受験するか

志望理由を話すときに一度頭が真っ白になって30秒くらい沈黙してしまいました。しかし面接官の方々がおだやかに見守って下さったので最後まで話すことができました。その後の質問は詰まらずに答えられたのですが、過去の体験記で頻出だった「試験の手ごたえ」が聞かれず、さらには「もし落ちたら院試で受験するか」と聞かれたので正直落ちたと感じていました。
試験後は神戸の観光をして気を晴らしました。

余談(倍率について)

工学部全体の志願者は140人 ※座席表から確認
(内訳:建築16、市民工13、電電35、機械36、応化10、情知30)

実際の受験者はさらっと見て工学部全体で約110人、情知は約25人でした。詳しい人数は募集要項に載るのであくまで参考程度に。
昨年度に比べ受験者が30~40人増えています。編入試験が認知されてきて人気が高まっているのかもしれません。また、やはり高専生の方が多いなという印象を受けました。

ということで、合否発表と照らし合わせると情知の志願倍率は6倍、実質倍率は5倍ほどになります。自分の番号の前後がほとんど落ちていて、編入は狭き門だなと痛感しました。

さいごに:受験を考えている方へ

編入はメンタル勝負です。特に大学生は1~2年って一番遊べる時期じゃないですか。そんな中ひとりもくもくと受験勉強を大学の授業と並行しながらするのは予想以上に大変です。(バイトやサークルもあるし)
周囲に同じ境遇の人は絶滅危惧種ですが、XやStudyPlusには編入志望の方が多くいらっしゃいます。ひとりで抱え込むのではなく、共有できる相手を見つけておくと最後まで諦めずに頑張れると思います。
ちなみに、「物理の点数は重要視されない」みたいな話がありますが、配点で既に各教科の重みは付けられているのでそんなことはありません。惑わされないように注意してください。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
受験生で質問がある方は遠慮なくXでDMください!!

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