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近道、茨道

この前のアレがじわじわ読まれている。
ありがたい。

わたしは感想はここでは書きません。ただアレですね。『読書感想文』をね、書こうと思います。


わたしは夏休みの読書感想文がとても苦手でした。

国語の成績は良かったのですが、意外かもしれないけれど、わたしは実は論文やレポートも苦手で、文章自体にも苦手意識がありました。

読書感想文、あるあるだと思うんですけど、ただ要約したあらすじみたいな文章と自分の感想を挟んでだらだら書いてしまう。これ、ちがうらしいんですよね。

賞を貰った同級生が読書感想文を体育館の壇上で読み上げる。
本の内容と絡めて、おばあちゃんが入院した話を書いていた。
なにそれ!そんな書き方するの?聞いてないよ!と思った。それが正解なのかよ!と。

初めからそう言えや!あらすじを書くものじゃありません!とか言われてもわかんないって!と思いました。
そうやって正解を提示されたところで、そんな上手いこと感動エピソードなんてないので、その後もやっぱり苦手でした。

小学校の図書委員会が主催していた『名場面コンテスト』という本のあらすじと絵を描いて紹介するというものは毎回一等賞を貰ってました。

要約文は書ける。あと絵は描ける。でも自分がない。ということですねぇ。耳が痛いねぇ。

今わたしが書きたくなったのは、あらすじじゃなくて〝読書感想文〟かもしれないと思ったわけです。〝名場面コンテスト〟はまたね。待っててください。
そもそも〝読書〟ではないんですが笑

自分のつくりたいものをつくるためには、知ってもらうためにはどうしたらいいんだろうと考えた結果、選んだのがアイドルになることでした。

その結果、今こうやってあなたがなんでもないわたしの文章なんか読んでくれているのかもしれません。

元々アイドルや音楽が好きだったから、
でも好きだったからこそ自分にはできないと思っていました。

リスクは高いし、評価をされるのも人目に晒されるのも怖いし、メリット/デメリットたくさん考えて、それでも近道だと思ったんです。

作品の価値って、純粋にそのもの自体のクオリティの高さか、作った人自体の人気という付加価値があるか、どちらかなんじゃないかと考えていたので。

だって、わたしが時間を掛けて描いた絵より、有名人の下手くそな落書きの方がよっぽど評価されている!悔しい。その人に価値があるんだもんね。仕方ない。

実際に近道かはわからないけど、思っていた通り茨の道でした。

練習をしてもお金にならない。
ライブに出るだけじゃお金にならない。
むしろお金なんか消えていくばかりですね。
時間もなくなるし。

下積み時代の芸人さんの苦労話よろしく、地下アイドルも相当厳しい。結局実家が太い奴の方が強いのか……とか、絶望することもあるよ。
めちゃくちゃ夢のない話をしてすみませんね。

さらにアイドルなんか期限も短い。長く続ければいいってもんでもない。わたしは大体のことは縁と運とタイミングだと思ってるんだけど、本当に考えさせられますね。

それで、成功?できる人はそれを見極められる人だと思っていたのだけど、それ以上に、それを大切にできる人であることも重要なのかもしれないと思った。


表現の場所はお金じゃ買えない。

人との巡り合いもお金じゃ買えない。

活動のメリットとして考えたもののひとつに、
普通に生きていたら出会えない人たちとたくさん出会えるから。というのも大きくありました。

今わたしが歩いているのはどんな道なんだろうね。


振り返ってみて、しょーもな!(でも当時は楽しかったよね)と思ってしまう時代もあれば、
毎日辛くて仕方なかった日々もあるわけですね。

小・中学校はいい思い出がないなとか、
高校時代はそれなりに楽しかったけど部活辞めたくないのに辞めちゃったし、
大学時代は学科の友達から逃げるようにサークルで過ごしたけど、今でも交流がある人はひとりも居ないし、フリーター時代も社会人時代も、封印しようかな忘れようかなとか、黒歴史扱いしていたけど。

でも、改めてどの時だって本当は必死で生きていたはずで、自分だって否定することはできないなと思ったかな。

その時夢中になれるものがあったり楽しかったならそれでいいし、
楽しくなくても頑張ってたならそれでいいじゃんって、少しずつ認めてあげられたらいいな。

高校生の頃、初めてライブハウスに足を踏み入れた。

それからというもの、毎週のように高速バスに乗って、山手線に乗り継いで、家に帰る頃には1時を過ぎていたけど、それが楽しかった。

その頃の気持ちが強すぎて自分の亡霊が制服のまま山手線の渋谷駅のホームに取り残されているんじゃないかとずっと思っていた。
でも、気付いたらそんなのも忘れていたな。

渋谷駅の景色も変わったよね。そんなのはまた別の話なんだけど。
いや、求められていた〝感想文〟ならこんな関係ないわたしの心境でも語っても褒められるのか?

15年ぶりに開いた本、タイムマシーンそのものだった。

文字から想像する景色は当時のわたしには見えないものばかりだった。
まず15年も生きていなかった若造……
いや、こどもにはわかるわけがないわね。

生まれてからの10年はきっと人生の中で一番長い10年だもの。
人間のあれこれが構成されるであろう思春期に出会ったものに魂が影響されるなら、きっとデカい。それからの15年、あっという間、なわけないな。

10年ぶりに思い出してまた歩み寄ることができるってすごいことなんだよな。
日々も景色も移ろっていって、その中で好きなもの嫌いなものが増えて、でもその間ずっと、アクセスしたら必ず笑わせてくれた場所であり続けてくれたってことだもん。デカいよ。

すっごく楽しみにしてたことが終わっても、悲しい最悪な出来事が起きても、
やっぱり変わらず日々は続いていくのも不思議なもんです。

時々楽しくて、時々立ち止まって考えて、それが人生なのかなとちょっと見えてきた気がしました。

そういえば、アイドルを始める前に気まぐれに友達と占いに行ったら「今までの人生かなり辛かったと思うけど、この先は光しかないから大丈夫!」と言われ、感極まったのですが、闇しか見えませんでした。笑

長い目で見たら光だったのかなと思えるように、まっすぐ歩いていけたらいいなと思います。

いや〜、年齢も忙しさも言い訳にできねーな!と思わされました。真剣な人ってかっこいい。

アディオス。


來世

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