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フェイクな感じの「木造」。。。

建築・建設業界で「木造」がホットトピックになって久しい。だいぶ以前から地道に木造建築の可能性に取り組んできた方には一時の流行りのように感じられるか、やっと時代が追い付てきたと感じられるかわからないが、様々な取り組みが実際のプロジェクトでも取り入れられて新しい木造建築として世の中に紹介されている。
そんな中、ふと思い出すのが以前担当していたヨーロッパの製薬会社の東京オフィス移転プロジェクトでクライアントに指摘されたこと。都内のオフィス移転・内装プロジェクトで設計とPMを担当していたプロジェクトで、スイス本国から来日した担当者が、「日本は素晴らしい木造建築の歴史を持っているのに、何でこんなにフェイクウッド(木調仕上げ)を使うんだ?パッと見渡しただけで、床や天井の仕上げ、家具などにどれだけ木調のフェイクウッドが使われているか。これには違和感を感じる」と言ったこと。
もっともだと思う。木でない素材を「あたかも木のように見せかける」のは、逆に木に対する冒とくにも思える。要するに、木じゃダメだから(傷みやすいから、燃えるから、汚れやすいから)他の素材を「木っぽく」みせておくね!という小賢しい考えだと思う。それは他の素材もバカにしていて、プラスチックじゃ役不足だから木っぽくお化粧しておいたよ!と言わんばかりである。それぞれの素材にはそれぞれの良さがあり、それを素直に表現することがその素材に対するリスペクトであり、本当のデザインの目指すところなんではないか?
そんな中、あるコワーキングスペースで電源タップの木調を見つけた。これこそ愚の骨頂であると思う。何が悲しくて電源タップが木調にならなくてはいけないのか?
あ、そういえば木造建築の権威ですと世の中ではもてはやされながら、アルミに木調の化粧シート巻いて喜んでいたり、エンジニアリングウッド(集積木構造材)に見せかけて、角材に木の薄皮巻いたりしている建築に携わる方もいるみたいだが、それはやっぱり違うんじゃないかなと思わざる負えない。。。