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バンダイとプレイボーイとのコラボ(珍品)3号 追加情報発生!(3)

一昨日から続く連作の3つめです。
記事の出典は「ゲームの世界 知と遊びの博物館」です。文献詳細は前々日の記事を参照ください。

出典原本「Games of the World」は、いちおうは、Frederic V. Grunfeldが書いた、という事になっています。しかしその実態は、ゲーム史に詳しい人たち、例えば Léon Viéさん達の文筆を、本人らの許諾を得たうえで編纂して使用している。とも、書いてあります。
簡単に言えば、多人数による執筆なんだ、と考えてもらえば大丈夫です。

この本では、まったく・カケラも、すぐ下に示す図のゲーム盤のことを論じていないし、このゲーム盤の写真も、一切、示していません。ところが、その一方で、Léon Viéさんの書いたこんな表現の文章が引用されています。

Léon Viéによる「ウシカモシカ」のルール表現を一部だけ引用します。以下の通りです。
「They must not, however, place two men next to each other in the same line.」
プレーヤーは、自分の色の2つのコマを隣り合って置いてはならない。ここでいう「隣」とは、同じ線に沿って隣り合うという意味である。

この本が出版された当時、アメリカやオランダにおいてポピュラーなゲーム盤は、すぐ上に例示した通りの、灰色で示した形状か、あるいは薄茶色(黄土色)で示した形状か、これらの2通りのどちらかでした。
この歴史的事実をふまえた上で考察するとき、Léon Viéは、自作のゲーム「ウシカモシカ」を説明するにあたり「薄茶色のボードのほう」をイメージしていたと断言できます。

このような考察から、「ウシカモシカ」は、この後すぐに紹介するルールが正式版であり、バンダイ・プレイボーイの盤で遊ぶのは、ウシカモシカ原作者のLéon Viéとしてはあんまり嬉しくなかっただろうな。と理解できるのです。

Wildebeest (African antelope)  ウシカモシカ  2 players 
      created by Léon Vié
(おそらくこちらが原作のルールだと強く示唆されている)
勝利条件:
相手のコマの個数を2個以下にしたら勝ち。
用具:
標準型ソリティア盤。ただし「ナナメ線が引かれているタイプ」
金・銀それぞれ11個ずつ。合計22個のコマ。

Wildebeest

準備:
ゲーム盤上に何もないところからスタート。
遊び方:
第1フェーズ:コマを置くだけのフェーズ
互いに1つずつ、任意の空いているマスにコマを置いていく。
ただし、自分の色のコマ同士は、隣接させてはいけない。ここでいう隣接とは「線でつながってすぐ隣の」という意味。
全てのコマが置き終わったら、第2フェーズへ移行する。
*注:互いに激しく妨害しあって、11個のコマを全部は置ききれなかった場合も、そのまま第2フェ-ズへ移行する。

第2フェーズ:相手のコマを取れるフェーズ
自分のターンにできることは、自分の色のコマを線に沿って隣のマスに1歩進ませること。

自分の色のコマが、「線に沿って」直線状に3個並んだら「ウシカモシカ」パターンの完成。
「ウシカモシカ」が完成した時は、ゲーム盤上にある任意の相手のペグを1個取れる。
複数の「ウシカモシカ」が同時にできても、相手のコマは1個しか取れない。

明日は3つめ&4つめのゲーム2つまとめてご紹介する予定です。

ゲームシステムのデザイナーって、何なの?どういう意味? そんな疑問は、私の記事群によってご理解いただけるものと期待してます。 ラジくまるのアタマの中にある知識を活用していただけるお方、サポート通知などお待ちしています。