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3D立体ボードゲームを使って「立方最密充填」を学ぶ(2)

さて、続きです。
とりあえず、ゲーム盤のへこみにサイコロを置くとこうなるわけです。説明のため、ゲーム盤のくぼみはたった3個で図にしてみました。

DasSpielのくぼみに、サイコロを置いてみる。

これじゃあ、エッシャーのだまし絵ですよね。
どこが凸で、どこが凹か、見れば見るほどわからなくなります。見ているだけで、どんどん頭が混乱してきます。
とりあえず、図のなかに凸凹を書き加えましたので、なんとか頑張ってイメージしてください。

凸凹と書いたことで、分かりやすくなったでしょうか?

さて、Das Spielの写真をもういちど見てから、それをCG化してみました。
と、言っても、3DCGを構築したわけじゃなくて、ただ単純にひし形を組み合わせて、平面的に絵を描いただけですけれど。

この図だと、3次元的にどういう位置関係でサイコロたちが積み上がっていくのか、さっぱり見えないので、サイコロのりんかく線だけを残して、透明化してみます。すると、こんな図になります。

りんかくだけにした図

ピンクのサイコロ3個が作る△の中心に緑のサイコロが乗ります。▽形状の中心には、緑のサイコロは乗っていません。
これと同様に、緑のサイコロ3個が作る△の中心に青のサイコロが積み上がります。(▽の上には乗りません)
同じく青のサイコロ3個が作る△の中心に赤のサイコロが積み上がります(▽の上には乗りません)
と、こんな法則のもとで、サイコロは整然と・秩序を保って積み上がっていきます。

ここで、ピンク、緑、青、赤、の4色の空間位置の関係に注目してください。
ピンクと青とは、この図を見るとき、重なっていませんよね?
そして、青の上に乗った「赤のサイコロ」、これはピンクと「ピッタリに重なって見える位置」に来ていますよね?

化学の教科書か、あるいは結晶学の教科書にこう書いてあったはずです。(教科書を出すのが面倒な人はWikipediaへ行きましょう!)

六方最密充填では
A-BーA-B-・・と2層の平面構造が繰り返している

面心立方格子では
A-BーC-AーB-C-・・と3層の平面構造が繰り返している

と、いうことでした。サイコロをキチキチに積み上げた構造物は、4層目の「赤」の時に、ようやく最初と同じ平面構造に戻るわけですから、繰り返し単位はA-B-Cの3層。つまり、「面心立方格子」になっているのでした。
パチパチパチ! 証明終わり。

これで終わったかに思えますが、まだ明日に続くのです。

ゲームシステムのデザイナーって、何なの?どういう意味? そんな疑問は、私の記事群によってご理解いただけるものと期待してます。 ラジくまるのアタマの中にある知識を活用していただけるお方、サポート通知などお待ちしています。