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回転の魔術師、オスカー・ファン・ディフェンターさん(2)

せっかくオスカーさんの作品の話題が出ていますので、この際、ラジくまるが「好き」と思ったオスカー作品を、さらに追加でご紹介します。

オスカーさんは、作品のほとんどが立体パズルです。
その中でも傑作だと言ってしまいたいモノは、どれもこれも「回転アクション」ものです。
ボドゲのほうは、たまーに「余暇」として作ってる感じです。

やはり、どうしてもご紹介しておきたいのはBinary Arts社(現Thinkfun社)の「Metro」っていうパズルです。
機関車の青と赤を、停車場にピッタリ入れるのが目標です。

これは問題3。全60問。
箱(絶版だし古いしで傷んでいます)


機関車は両方ともに「ゴール時に上を向いていないと正解ではない」とマニュアルに書いてあることが、Brain Teaserになっています。
これ、難易度「高」なパズルですよ。

*パズルとして重要な点なので書いておきますが、列車の向きを変更してくれる黄色の「転車台」は左右に「たった60°」行ったり来たりにしか回転動作しません。
60°ずつカクカク回転できるという意味ではないですよ!
つまり、120°、180°、240°などの、グルンッと大きな方向転換は、黄色の転車台では不可能だということなんです。おまけに、この黄色の転車台、なんと列車が上に乗ってない時は動かないんです!これも重要。

たった60°を行ったり来たりしかできません。超不自由な動き。

このように、動作の制限が「すさまじい」せいで、なかなか青&赤の機関車が目標の場所に行ってくれません。

ラジくまるは、かなりの長い期間、このパズルに悩まされ続けております。
どっちかっていうとツライ・・・・。勘弁してほしい。

もうひとつ、オスカーさんの作品「Transmission」をご紹介します。
写真をご覧ください。2018年頃だったかと思いますが、試験的に発売されたnestorgames社のパズルシリーズのうちの1つです。

「機械工学」に強い人ならすぐ気が付いてくれると思いますが、実際に、ギア(歯車)4個をこんな位置関係に組んだら、普通は「スムーズには回らない。回転途中にカクカクして引っかかったり、あるいは突然急停止する恐れがある危険な組み方です」ですよ。
ほんとです!
*嘘だと思ったら、自動車に詳しい人とかに質問して確認してみてください。
*「(現場のことを知らないような)えらい人にはわからんのです。あんなものは飾りです。」

でも、ある組み合わせで4つのギアを置いた時だけ、4つのギアが引っかからず、クルクル回ります。その組み合わせを探してみてください。というパズルです。
ちなみに単純計算すると、約1000通りの置き方の組み合わせを総当たり調査すると解けるだろうと推定されます。
しかし、「総当たり法」は、パズラーとしてはスマートじゃないです。
そこで、今はまだギアの形状をみながら、総当たりじゃない方法で解く「別解」はないか?を考察中です。
*考えるのに飽きたら「総当たり法」を使っちゃうかも。

ともかくも、回転パズルを作らせたら右に出るものはいないだろうと思われる、オスカーさんをご紹介させていただきました。

ところで、どうしてもボドゲの話題につなげたい気持ちがあるので、少しだけ「回転」のシステムを持つゲームをご紹介。

nestorgames社のVault
回転はゲーム盤面では見えませんが、「棒高跳び」のムーブメントなので垂直方向にコマが飛び上がって回転が発生した、というテイになっています!

https://nestorgames.com/rulebooks/VAULT_JP.pdf

Squaredance 1996 (以前の記事でもご紹介しました)
これは45°ずつで、右に・左に回転してます。


90Grad
これは、先のSquaredanceみたいに、コマを回転するわけじゃないんです。でも、直線状に並んでいるコマの数を数えた後、その並んでいる向きから90°垂直の方向に「コマの数のぶんだけ」進む。
ということでプレーヤーの気持ちが90°方向転換してるよ、ということで。

やはり「回転」は動作の見た目が楽しいです。
皆様のゲームつくりの参考になればうれしいです。

ゲームシステムのデザイナーって、何なの?どういう意味? そんな疑問は、私の記事群によってご理解いただけるものと期待してます。 ラジくまるのアタマの中にある知識を活用していただけるお方、サポート通知などお待ちしています。