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デフォルトとスマイリーフェイス

 Xデー。それは6月1日にもくると言われていた。米国がデフォルトし、世界経済が破綻すると言われていた。具体的なメカニズムは私にはわからない。ただ、「大変なことだ」という気迫だけは感じ後悔のないように好きなものを買い集めた。我慢していたラーメンやソーダ、そしてハーブティー。そこは保存食だろとつっこまれそうな、緊急時にはまったく役にたたない庶民的な嗜好品ばかりである。ああ、食べておけば良かったと後悔したくないという精一杯のいい訳を盾に、是非温かく見守っていただきたい。最後の晩餐みたいなものだ。
 ツイッターのトレンドを追っていると危機はほぼ毎日やってくる。宇宙船が落ちた、マイナンバー全口座ひも付けで預金封鎖、または母子手帳ひも付けで徴兵だ、サイバー攻撃で金融システムが崩壊する、大三次世界大戦が勃発する、脱ドル化で経済危機だ、などなど。むしろ危機がないと物足りなくなってしまう恐怖かりたてマシーン中毒みたいになっている。
 ただ翻弄され続けて気付いたこともある。私は日銀総裁でもFRB議長でも総理でも大統領でもない。できることは一票を投じるか何かを買うぐらいである。以前は追い剥ぎにあってもスキルがあれば生き延びられると、資格などに注目していたがそのほとんどの資格がAIの登場で役に立たなくなることを知ってからは脳裏には浮かばなくなった。と、なるとかなりの非力である。
 「メメントモリ」ー結局はそこにたどりつく。いつ死ぬかはわからない。明日かもしれないし、100年後かもしれない。その時後悔のないように生きようということだ。お金の事も今回のインフレで骨身に感じた。通貨の価値が弱くなる事もあり、物の値段がドンドン上がることを知った今、やりたい事はできる内にしておいた方よいと。ただ一文無しになっては先が不安なのでバランスよくではあるが。と、もはや今となっては遅いのだが将来老人になったとき、ヘルパーさん(若いと想定する)にそうアドバイスしておきたい。そして余り心配ばかりしても人生が空虚なものになってしまうので今を生きることも大切だということも伝えておきたい。
 量子力学的には今が変われば未来も過去も変わるらしい。これも経済同様難しいことは分からないが、ただ今幸福だと過去の暗い思い出も様相は変わる感じは想像できる。またもし未来も良い方に変わるのならば今をハッピーに生きることに専念した方が得策である。
 Be happyという文字がかかれた黄色いスマイリーフェイスのTシャツを目にした時「じゃかあしい、ほっとけ」と思った頃もあるが、案外正しいのかもしれない。ハッピーでいる、それが自分の為にも周りのためにもなる一番の、いわば「義務」なのかもしれない。そのBe happyにつけ加えるとしたらBe happy, for that is all you need to do (ハッピーでいよう、それ以外大事なことはないのだから)だろうか。恐怖情報に翻弄されたあとの教訓であった。

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