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楽園映画4 DIVA(ディーバ)(パリ・フランス)

若者は恋愛しなくなったという。それはフランス映画を見なくなったからさ

私が少年の頃は、フランス映画というのはかなり大きなジャンルとして展開されていました。でも、フランス映画ってちょっと堅苦しいイメージですよね。代表的なところではジャン・リュック・ゴダールとか。もっと若い世代にとっては、フランス映画なんて見たことないという人も多いでしょう。私が思春期の90年代ごろは、とにかくゴダールとかトリュフォーとか難しい映画を見ては、眠気を催す映画を、これこそが芸術であるなんて背伸びをしながら見ていました。今になって思えば、ジャン・リュック・ゴダールなんか見るぐらいならディズニーの映画をもっと見ておくべきだったと思わなくもないですが、とにかくそういうお陰で我慢強い大人になったような気もします。ここまであまり誉めてないですが、面白いフランス映画というのはあって、そして、面白いフランス映画は、とんでもなく面白いです。ディーバは、掛け値なく、ド直球のフランス映画であり、素晴らしい映画です。

ディーバは私が思うにフランス映画の金字塔の一つです。1981年作品。実は作者である私が生まれた年で、ということは42年も前の作品です。この予告編にはそれほどセリフも説明も多くないのに、なぜこんな古い映像を永遠と見てられるのでしょうか。それがフランス映画が持つ魔力であり、毛嫌いする人もぜひディーバを見て打ちのめさせられて欲しいものです。

私はお酒を飲みません。若い頃は車も運転できなかったしお金も希望もありませんでした。そんな私ですが、恋愛だけは一丁前にできておりました。今の若者は恋愛しない人が増えてるらしいです。それはもったいない。なぜ日本の若者は恋愛しなくなったのでしょうか。私からの回答は、日本の若者がフランス映画を見なくなったからです。フランス映画には、男女の間にまとわりつくあらゆる感情が描かれています。若者にとって恋愛で傷ついたり声を荒げたりするのはみっともないかもしれません。その気持ちはわからなくはないです。でも、その理屈で言えばおじさんやおばさんの恋愛はもっとみっともないです。若い恋愛には救いがあります。フランス映画の中で恋する若い男女は、いつも感情的で、声を荒げ、それでもみっともなくはありません。フランスは先進国では珍しく少子化を食い止められた国でした。それは政策のおかげかもしれませんが、私に言わせればフランスにはフランス映画があったからです。

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