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正直者はバカを見ない?!

あるお母さんが、小学生の娘さんのことでこんな心配をされていました。

ウチの娘は、人がいいというか正直すぎるというか、、、
今、クラスのお友だちとGmailなどで連絡を取り合っているようなのですが、誰かが宿題の答えを聞くと、そこに答えてあげている。
10人ぐらいのグループメールなので、スルーすることも出来ると思うのですが、分かる限りは丁寧に答えてあげています。
娘もそれなりにヒマというわけではなく、やることも他に色々あると思うのですが、人が良すぎてしまっているのではないかとふと心配になることも。
一度、本人に「あなたが答えてあげなくてもいいのでは?」と聞いてみたところ、「まあ、でも分かることだし(相手も困って)聞いてるわけだし」という反応。
彼女にはお兄ちゃんがいるのですが、彼に言わせると「バカ正直だよなあ、俺はそういうのはスルーする」と言います。異なる性格ですね。

お母さんとしてはふと心配になるお気持ち、分かる気がします。最愛の娘さんが、この後、複雑な社会で生きていくにあたって

お人好しすぎて、損しないかな。
搾取される側になってしまわないかな。
都合よく使われているのではないかな。

言葉は悪いですが、こんな心配を感じてしまわれる気持ちは、とてもよくわかります。

 GIVER(ギバー=与える人)とTAKER(テイカー=取る人)

GIVERとTAKERという言葉があります。

周囲の人から自分の願いを叶えるためにTAKEすることを最初に考える人と、
周囲の人の役に立てるならそれはいいことだし嬉しいことと考えるGIVER型の人がいると言われています。

両者の中間には、MATCHER(マッチャー)というタイプもいます。

いただいたらお返しをしないと気持ちの座りが悪い。
してもらったことは返報する。
そうして世の中まわっていることを心地よく感じる人です。

逆にいうと、自分の頼みを聞いてくれなかった人には何も返さない。
目には目を、、、的な発想とも言えます。

みなさんは、
GIVER、TAKER、MATCHER、どれに一番ちかいでしょうか。

冒頭の小学生の娘さんは、現在、GIVERが強いとお母さんには見えているのかもしれませんね。

3つの分類には、絶対的な境界線はありません。
時によって揺れ動く人が一般的かもしれません。
定量的に区分けできるものではないので、「傾向」と捉えておくと良いと思います。

また、結果によって変わることもあります。

本人としては自分の願いを叶えるため、相手の力を利用させてもらおうと”TAKE”のつもりで持ちかけたことが、
相手にとって躍進のきっかけ=”GIVE”となることもあります。

この場合、相手は搾取された、取られたという感覚は一切なく、
むしろ助けてもらった、とても助かったという感覚になります。
(相手もGIVEしてもらったと感じるケース)

子どもの頃、周囲の大人は、
「お人好し」という言葉をあまりいい意味では使っていませんでした。

ぼーっとしてるから、人にいいように使われる。
そして、「そうなるな!」「騙されるな」「搾取されるな」ということを強く教え込む大人もいました。

でも、自分が成長し、社会が広がるにつれて
学校、部活、サークル、バイト先での経験、
就職してから仕事を通して様々な人に出会い、失敗も成功も経験して
それを52歳の現在、改めて振り返ってみると、

GIVERがバカを見る?と思えない気がしています。
TAKERが勝利者?とも思えません。

年齢とともに、幸福なGIVERに出会うことも多くなってきた気がします。

出来ることを一生懸命になって人に提供する姿を見たあなたは、
「こいつ、アホやな」と思いますか?
「優しい人なんだなあ」と思いますか?

実は、どちらの印象をもつ人にも共通することが1つあります。
それは、この「一生懸命に人に提供する人」のことを
警戒し戦う相手として位置付けることはないということです。

これは、多様な価値観が混沌とする社会にあって、
かなりの強みになるのではないでしょうか。

「敵視されない」人は、手厚いディフェンスを整える必要がありません。
四方八方からの攻撃に備えて準備する必要がない。

その分、自分の進みたい方向に使うエネルギーが毀損(きそん)されない。

正直者はバカを見る、
その言葉は、本質ではないように感じています。

むしろ、正直者=最強であるかもしれません。

一つだけ大事なことは、
どれだけ正直に素直に、
人にGIVEしてもOKだけど、
それは自分が出来ることの範囲でOKということです。

自分を殺して、犠牲にして、
無理してまで尽くしまくることとはちがう、ということ。

これをやってしまうと、相手の奴隷になってしまいます。
結果、自分を見失ってしまう。

正直者の成功者はたくさんいる

改めて思い返すと、正直者=最強説もあながち冗談ということでもないと感じるほど、正直ものGIVERで、幸福な尊敬できる人生を歩んでいる方は、
実際、何人かいらっしゃいました!

本当に自然体で、部下の力を引き出し、余計な禁止令を出さず、
信じてもらった部下は持てる力を一段超えたところまで頑張る。

何が起きても、非があれば認めて謝罪をし、
隠したり嘘をついたりすることがないので、とにかく人から信頼される。

上席の人、他社のトップから、本来は聞けない本音の話をいともスルッと聞かされてしまうことも多かった。

相手から警戒されない、
そしてそれを悪用することなく
真摯にいるという「あり方」は本当に尊敬に値するなあと感じました。

正直。GIVER上等。大きくも小さくも見せる必要はない。
いびつな無理しない。

こんなことがカギかもしれないとおもいます。



なかなかの男性社会で30年働いてきたテレビマンが、コーチングやカウンセリングで「自分らしく生きる」を支援中。限定少数しか出来ませんが小学生からシニアまで。