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非SEが半年でE資格を取得した体験談

はじめまして、rakuryと申します。
2024年2月にE資格を受験し、無事に合格しました。記憶が新しいうちにまとめておきたいと思いましたので、初投稿です。資格取得のコツというより、考え方や背景の記載が多い点はご容赦ください。
同じく、非SEの人でE資格に挑戦したいと思っている方の参考になれば幸いです。


前提情報

非SEといっても前提知識は重要だと思いますので、試験時から"約"半年前(2023年6月頃)の状況を記載します。

  • 中小企業診断士、ITストラテジスト(IPA)保有

  • 情報システム関連は構想検討や課題整理などの上流工程のみ実務経験あり

  • コーディングは素人。マクロの自動記録を少し触ったことがある程度

上流の資格としてはそれなりのものを持っている自覚はありますが、大学は数学ができずに文系に入ったくらいなのでいわゆる文系の非SEです。

取得を目指した背景

では、なぜそのような人間がE資格の取得を志すに至ったか、ですが、これは完全にChatGPTの衝撃によるものです。

話題になりはじめた2022年の年末くらいから触りだし、業務に使えそうだという実感を得ました。
構想検討や課題整理という仕事は、フレームワークは多くありますが、結局はリーダーシップ、暗黙知、コミュニケーション能力などの泥臭いものが支配する世界だと思っています。
それ故に属人化がひどく、変なプライドを持っている人間が多いと感じますが、この生成AIはそういった頭脳労働系の仕事に風穴を開ける存在だと思いました。

「これは早く活用しないとまずい」「AIに仕事を奪われる、ではなく、どう奪わせるかを考えないといけない」と思い立ったその頃、ちょうどサービス開発系の部署に異動になり、本格的に検討を始めました。

その流れで知識・技術の習得を検討した際に、最初はG検定の勉強に取り組みました。

勉強スケジュール

ここからは、G検定の勉強をきっかけとして複数の資格勉強を挟みつつ、どのようにE資格の勉強を進めていったかを書いていきます。

2023年6~7月 G検定

動機としては「とりあえずAIとは何かを知ろう」のレベルです。公式のテキスト、問題集、SkillUpAI社のアプリを使って勉強しました。
AIについては完全に素人なので、モデルの多さに辟易しながら、なんとか一巡終えて、最後の方はアプリを繰り返し解きました。

結果は9割前後の高得点で合格。今思うと、当時の理解レベルはもはや何も理解していなかったに等しいレベルだと感じますが、資格試験自体は得意ですので、難なくクリアしました。

G検定の合格通知メール

2023年8~10月 python基礎認定・データ分析試験

正確に言えばE資格を取ろうと思ったのはこの時期です。当時、業務上のChatGPT使用がGPT3に制限されていたことで、文字数制限の壁に度々ぶち当たりました。そこでAPIなら会社ルール的に問題なくGPT4を使えることがわかり、その活用を検討します。

しかし、APIなんて言葉は知っていても使ったことはありません。そこで以前から興味のあったpythonに手を出す決意をします。
加えて「AIについてももっと勉強しよう」、「E資格ってやつがpython求められるっぽい」、「じゃあどうせなら一気に勉強しよう」という軽い気持ちで、AVILEN社の講座に申込みます。

ただ、基礎から勉強したいという気持ちが強く、pythonエンジニア認定基礎試験・データ分析試験の勉強から始めました。ここの勉強法は王道なものです。両方とも8割~9割くらいで順調に合格。
加えて業務でAPIを叩く必要があったため、ChatGPTにコードを書いてもらって、そのデバッグをChatGPTと一緒にやる、方法で実践をしていきました。
※なんだかんだこの1年で一番勉強になったのはこれかもしれません。

※認定基礎試験はudemy+WEBの無料学習サイト。データ分析は上記教科書を一通り+WEBの無料学習サイト。

2023年10~12月 E資格講座(AVILEN社)

数学は数ⅡB止まりですので、応用数学・統計の勉強もこの時期に実施。「全人類がわかる機械学習講座」を通じて、pythonやG検定範囲の復習とセットで取り組みました。

さて、数学も相当に苦労したのですが、ここからが大変でした。そこまでに勉強してきたことと、講座修了に求められる「コーディング演習」のレベルが違いすぎるのです。
参考図書として使った『ゼロつく①・②』は素晴らしい書籍かつ必須ですが、それでも初心者にはハードルが高かったです。

深層学習もコーディングできるレベルでは理解できておらず、pythonも初心者で、たまにでてくる参考論文も英語で馴染めない、という三重苦でした。もちろん、ゼロつくはじめ日本語での解説もあるにはあるのですが、コーディング演習の穴を埋める決定打にはなりませんでした。

そのような苦難を乗り越える原動力となったのが、勉強のきっかけでもあるChatGPTでした。このタイミングでChatGPT-Plusを契約し、わからないことをひたすら聞きまくりました。
書籍・ネットと違って、自分の知りたいことをピンポイントで知ることができるし、人への問い合わせと違って「いつでも・すぐに・何回でも」質問できるというのは学習者にとって最高のパートナーです。

ChatGPTの力を借りることで、何とかコーディング演習、プロダクト開発を終えて、無事年内に修了試験に合格しました。

※4/24追記:以下のような記事を書いたのでよろしければ一緒にどうぞ。

2024年1~2月 AVILEN模試・仕上げ・当日

E資格ホルダーの同僚から「講座修了できたら合格できる」という言葉を聞いていた通り、その後は順調でした。
理解の浅い点は引き続きChatGPTに聞きまくりつつ、AVILEN社の模試、講座のトレーニング問題、黒本などを1~2週やりました。

※黒本は実際の出題範囲とズレが生じているのですが、自身の理解度を確かめる意味では非常に役立ちました。

当日の試験内容には規定として言及できませんが、直前までの勉強の順調さとは裏腹、手応えは無かったです…。

E資格の合格通知メール

とはいえ、受かれば結果オーライです。基本の深層学習をきちんと勉強しておけば大丈夫ということかと思います。

振り返り

深層学習のコーディングはかなり大変ですし、APIレベルの「生成AI活用」ということであれば実務には全く使わないので、非SEが取る必要性は低いです。
補足をすると上記の同僚はAI関連のSE職ですが、実務との関連性もそこまで高くないようでした(もちろん、領域によって違うと思います)。

しかし、コーディングできるレベルで深層学習を理解している、またコーディングしないとしても各モデルの特性や課題を理解しているということは、活用を検討する上で大いに役立っています。
※例えばGPTのベースであるTransfomerについては、コーディングはないもののモデルの各プロセスにおける処理や計算式などが問われます。ChatGPTを使っていて「なんか出力がうまくいかない」ときのプロンプト工夫の当たりをつける上で有用です。
そのためにE資格を取る必要があるのか?と問われると「うーん、そこまでは…」となりますが、勉強して良かったことは間違いないです。

今後、さらにこの方向性でスキルアップするとしたら、Kaggleへの挑戦とかかなと思いますが、実務的にはAPIの組み込み止まりで、やってもLangchainの活用くらいかと思うのでしばらくはお休みします。

以上です。最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。
非SEだけれども、数学、コーディングから初めて勉強したい、という方がいらっしゃれば応援します。知りたいことがあればコメントしてください。

なお、一つだけアドバイスをするなら「ChatGPT-Plusは絶対に契約してください」、です!



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