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将棋ウォーズ対局日誌 その6 序盤で簡単にやられる

 今回は、序中盤であっさり簡単に必敗形になり、ボコボコにされて負けてしまった本当に情けない負けについてご紹介です。

□角換わり腰掛け銀での定跡型

 本局は、10分切れ負けで、私が先手番で画面下側です。

 角換わり腰掛け銀の定跡型の将棋で、いま▲4四歩→△同銀と指された局面です。後手の4一飛車が、先手の4八金を遠くから狙っていて、4四の銀が4筋から動けば、すぐに金取りとなります。

 2筋から銀が動いたため、▲2四歩から2筋の飛車先の歩を交換して、以下の図となりました。

 とりあえず、交換出来るときに交換して、飛車先を軽くして、後手玉にプレッシャーを与えておこう、相手の指し手をみてからどうするか考えようと思っていました。

 ここで、後手から、必殺の1手があります。

上図より△3三銀と指され、下図となり愕然とします。

 「あっ、飛車金の両取りだ、終わった。。

”金は引く手に好手あり”といいますが、今回は、”銀は引く手に好手あり”でした。いやー、完全な自滅、自爆です。。(仮に両取りを防いで▲2八飛車と一旦引いても、今度は△3九角打ちでやっぱり飛車と金とりの両取りです。)

 それにしても、こんな単純な手を気づかないとは。。

 上図のような局面は角換わり腰掛け銀という戦型では、普通に想定される定跡型の範疇であり、まず知識としてこの形になったら飛車先の歩を交換してはダメと知っていないといけないですし、仮に全く知らなかったとしても、このくらい読んで分からないと話にならないレベルです。

 そのくらい角換わりを分かってない、そのくらい読みが浅いということがはっきりして、かなりこたえます。。

□角換わり将棋での力戦形での乱戦

 本局は10分切れ負けで、私が後手番で画面下側です。

 この将棋も角換わり将棋です。まだ序盤の局面で、いま先手が▲4五角と「筋違い角」を打った所です。かなり珍しい手で、奇襲戦法というか、定跡から外れた力戦形の戦いになります。

 補足ですが、初形の角は、2ニや8八にいます。この4五角は、この先に馬になって移動しない限りは、2ニや8八の升目には行く亊が出来ません。このような通常の角の行ける場所とは違う升目、筋に行く場所に打つ角を「筋違い角」と呼びます。また、敵陣に角を打ち次に馬が作れるわけではなく、敵陣以外の盤面に打つ角を生角(なまかく)と呼びます。さらに、自陣に打つ角を自陣角と呼びます。”遠見の角に好手あり”という格言もあります。敵陣へ向けて遠くから打った自陣角が働いて勝つことが出来ると、とても気持ち良いです。

 角は、5五の位置に行くと一番駒が働きます。5五の角を中央の非常に良い位置にいる意味で、”天王山の角”と呼びます。5五だと角として最大の16升の箇所に角の利きが出来るからです。しかし、4五角のように筋違いに角を打った場合は、最大でも14箇所にしか角の利きがありません。筋違い角を打つのは、少し勇気がいる行為です。”角筋は受けにくい”という言葉があるくらい角による攻めが決まると厳しいのですが、打った角が働かないとひどいため、序盤や中盤に生角を打つ場合、その角を働かせることが出来るかどうかが勝敗に直結します。

 本来、こういう珍しい手、奇策のような手を指されると、まずかなり警戒すべきです。なぜならば、相手には何か秘めた狙いがある、この形での豊富な経験がある、スペシャリストかもと考えることが出来るからです。

 そして次に、少しありがたいな、先に楽しみがあるなと心の余裕と落ち着きを感じるべきです。なぜならば、プロ棋士を始め、多くの人がそう指さないということは、そもそもそんなに有力な指し方ではない、正しく対応が出来れば、こちら側が良くなる可能性が高いからです。

 本局のような場合は、「先手の一歩得(角は先に打ってしまった)vs 後手の持ち駒の角(一歩損した)」のどちらの損得が勝るのかという戦いになります。

 後手側の考え方としては、戦いが持久戦となり、長引いた方が有利になり易いです。後手だけが角を手持ちにしているため、先手は常にどこかに角を打たれる手を警戒し、スキが無いように注意が必要で、その制約を受けるため、先手だけ自由に駒組みが出来ないからです。

 逆に先手番としては、得した一歩、打った角を働かせて、積極的に仕掛けていき有利な局面にしたいと考える所です。

 双方の思惑から少し進んで、以下となりました。

 上図は、先手が飛車を8筋に振って向かい飛車にした局面です。本局のように、一度飛車先の歩を突いて居飛車と思わせてから、振り飛車にすることを、「陽動振り飛車戦法」といいます。

 「あれっ、これはまずくない?、いやもう。。

 なんと、この飛車回りを全く想定しておらず、これで普通の手では、もう8筋からの逆襲が受かりません。警戒心が足りませんでした。

 自然な手を普通に指して自然に良くならないとおかしいと思っている私は、これはもうダメだと諦めてしまい、この後は普通に指して為す術もなく、ボコボコにされてしまいした。

 いま冷静にこの局面をみると、例えば△7四角打ちとか、ここからでもちゃんと受ければ、まだ大丈夫な気がします。対局時には、手持ちの角が武器なのに、角を打ったら自分の一步損だけ残るとか、自然な指し方が一番とか、読みでは無く感覚論のようなわけの分からない感じでした。

 上図が、先手の狙いが大成功した局面で、得した一歩で▲8三歩と打った局面です。先手は、得した一歩、打った角、回った飛車、全てが大活躍です。

 この後は、例えば『△7ニ飛車→▲8六飛車→△7一銀→▲8ニ歩成→△同銀→▲8四歩』などの進行が考えられ、8筋の逆襲に成功した先手がのびのびと指せて、8筋突破も目前で大優勢だと思います。

 本来は、このように8筋から攻められ無いような、攻められても自然な受けが間に合うような駒組みをしないといけないと思います。

 それにしても、序盤早々にこんなに簡単にやられてしまうなんて、、なんて弱いんだろう。。

□今回の気づき

 実は私にとっては角換わりの将棋は鬼門のようで、いつも肝心なときにボコボコにやられている記憶や印象があります。実際に将棋ウォーズで戦型の勝敗をみてみると、角換わり将棋は、対局結果が負け越していました。どうも苦手な戦型のようです。こういう印象やイメージも重要です。

 きっと戦型の持つ特徴と私の棋風が合っていないのだと思います。このように、人によって得意や苦手、棋風により戦型の合う合わないなどの相性があるというのも、将棋の面白い特徴だと思います。

 あと、こういうみっともない、情けない、ひどい負け方をした後に、少し熱くなり、「このままでは終われない、リベンジだ、最後に勝って終わりたい」と思ってから、もう一局対局すると、だいたいは、また負けます。。

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最後までお読み頂きありがとうございました。😊







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