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チャールズブロンソン空を飛ぶ『ブレイクアウト』


ネタバレあり

いかしたハットを被ったニックコルトン(チャールズブロンソン)が、「ムショにぶち込まれた夫を助けて。」という美人からの願いに答える本作。

まず、救出する方法が適当すぎるのが良い。
最初に弟分が女装して娼婦として監獄に入り、ターゲットを女装させて娼婦として外に出るという作戦。微妙に女装のクオリティが高いのは置いといて、失敗に終わる。

次はヘリコプターを使った作戦。コルトンは操縦を習うが中々上手くできず、教えてくれているヘリコプターの会社の社員に「ほんとにあと2週間でマスター出来んのか? あん?」と切れる始末。
そしてついに「お前大金欲しいよな? 俺らのためにヘリ操縦してくれよ。分け前やるから頼むよ。」と言い、本当にヘリを任せてしまう。

面倒くさいからパンピーに任せてしまうこの適当さ。是非とも見習いたい。

ヘリは任せたコルトンだったが、直前になって事情がありそいつがヘリに乗りたくないと言い始める。
ヤケクソになったコルトンは「俺がやってやる!」とヘリに乗り込む。失敗したら死という状況で、自分が飛んでやる!という心意気。
映画「君よ憤怒の河を渉れ」でも、高倉健さんは大滝秀治に「男には飛ばなきゃいけない時があるんだ。」と言われ飛行機を操縦し北海道脱出をした。
これと同じことだ。

このことから「男には飛ばなくてコルトンのはいけない時がある」という事を学んだ。

他にもブロンソンの魅力は沢山ある。

計画に女性が必要だったから友達の奥さんを借りることになる。その友達から「手出したら殺す。」と言われるが、奥さんからブロンソンは迫られる。
しかしブロンソンは黙ってスルー。「バレないわよ、意気地が無いのね。」と言われても笑って部屋を出ていく。
この律儀さは高倉健さんに共通するところがある。

この状況でも部屋を出られる男気

また、ラスト依頼人の美女と別れるシーン。
おそらくコルトンはその美女に惚れていたのだろう。惚れた女の夫を命を懸けて助けるという行為に己の中で矛盾があったはずだが、コルトンは笑って去っていく。
嫌がらせのように端数まで細かく書かれた小切手と共に。

このコルトンの痛快さが良い。
ごちゃごちゃ言わずに笑って去っていき仲間に「ビール奢るぜ。」と言うような男になりたいものだ。

黙ってる男というより、変な男だけど芯がある男のコルトン。
心がスカッとする映画でした。

この帽子が格好いい

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