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諦めました

「長距離通勤でいつまで削られてるの?」意識高い系の人たちの言葉な響きがあって嫌だなぁ。

そんな言葉に抗いたく、人生初の出向を迎えた4月から往復4時間強を電車で過ごしていた。

電車遅延で遅刻もしたくないし、ラッシュで疲弊したくないから、5:00起き、5:40出勤の生活をした。夜は21:30に帰宅。23:00には布団に入る。平日に家で起きている時間は2時間ほど。

朝イチの電車の顔ぶれは決まっていて、座る位置も同じ。話したことはないけれど、変な仲間意識も勝手に持っていて、いつもの人が座ってないと病気でもしたかなぁとか心配になった。

時折出没する新顔が、いつも2つ後の駅から乗るAさんの席に座るものなら、始発から乗る数名の僕らは、お互いチラチラ見ながら、ソワソワしたりした。

そんなプチ楽しみもありながらも、僕は長距離通勤を諦めた。その大きな壁であり敵が寒さだった。しかも冬ではなく夏の。そう冷房だった。2時間座ったまま動かない僕の身体は、降りる頃には冬の便座くらい冷えていた。どちらかというと体温高めで、一年中暖房便座の自分が、どんなに温かい格好をしても。7月頃から「今日は暑いねー」と汗かきながら出勤する同僚に囲まれ、身体を震わせながら熱いコーヒーを飲んでいた。たぶんダウンを着れば乗り切れただろうが、夏にそんな格好する勇気はなかった。それが理由か分からないが、今、流行っているアレにものっかっちゃって。8月中旬はしんどかった。

心は削られなかったけど、体温がまず削られちゃって。

すでに単身赴任はじめて3ヶ月。職場は歩いて10分のところ。失ったものもあるけど、時間の余裕は、様々な気づきをもたらしてくれた。

「長距離通勤でいつまで削られてるの?」

ごめんなさい、言い返す言葉はありません。

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