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スマホはどうやったらエシカル消費にできるのか?

みなさん、どのぐらいでスマホって買い替えていますか?
わたしは、もともとガジェット的なものにあんまり興味がなく、まだスマホを「ケータイ」と呼んでるタイプの人間です。

でも、毎日スマホは使っていますし、手放して生活することは難しい。
今愛用しているのは2015年に購入したiPhoneで、これまでにバッテリー交換をたしか2回して、およそ6年ぐらい使い続けてます。

これだけ使っていたら愛着もありますし、自分の手におさまる感じも気に入ってますし、特段「新しいのが欲しい!」という欲もないんですが…
やっぱり、だいぶ古い機種なのでバッテリー交換だけでは直らない不調も出てきてしまっており、次回のiOSアップデートは対象外の型かも、というギリギリのライン。

そこで、そろそろ、いよいよ、
買い替えの時期?と思い、新しい機種の購入にあたり気になっていた点も調べてみました。

スマホを買い替えるにあたり、わたしが一番気になっていたこと

それは、紛争鉱物の使用について。

日常生活に欠かせないすべての電化製品にはレアメタルという希少金属がたくさん使用されています。このレアメタルはその名の通りとても希少で量が少ないので、広大な鉱山を採掘して入手することになりますが、採掘できる国は限られています。

その中でも、金、タングステン、タンタル、スズ(総称して3TG)と呼ばれる鉱物は携帯電話やスマホを作るのには欠かせませんが、これらの鉱物の獲得を巡って、コンゴ民主共和国とその周辺国では武装勢力による紛争が起きています。この武装勢力の資金源となっている鉱物を紛争鉱物といいます。

紛争鉱物と性的ジェノサイドの関係

ぜひこの動画をたくさんの人に見てほしい。
この、デニ・ムクウェゲ(Denis Mukwege)医師は、レアメタルによる紛争を含め、内戦などで性被害にあった女性たちの治療を行っているコンゴ民主共和国の産婦人科医師です。

巨大ビジネスでもあるレアメタルを安価に獲得するため、武装勢力はその鉱山のある地域を支配するのに「テロリズム」として、女性たちを計画的に、組織的にレイプし、彼女たちの性器を破壊するそうです。
それは、被害者やその村の住民たちに恐怖を与え、コミュニティを弱体化させたり、裏切りを阻止して奴隷化するため。
これを、ムクウェゲ医師はジノサイド(gynocide)とおっしゃっており、その中には生まれて数か月の赤ちゃんでさえ被害者となっていると…

奴隷となった住民たちは、信じられないぐらいの低賃金で一日中、そのレアメタルを採掘することに従事させられます。そこには、幼い子供たちも含まれ、児童労働が日常的に行われており、安全も保障されない危険な場所での作業で命を落とす人たちもいます。
つまり、知らずでも「紛争鉱物」が使われた商品を消費するということは、そんな武力勢力の資金調達へ協力することになってしまうんです。

まさか、自分たちが日常的な娯楽や便利さを求めて使っている製品に、そんなバックグラウンドがあったなんて…

エシカルなスマホはあるのか

スマホは欲しい。
でも、そんな非人道的なストーリーに加担はしたくない。
このような非人道的な状況を止めるために必要なのは、紛争に関わっていない(=Conflict-Free/コンフリクト・フリー)製品の需要を高めることです。

そこで、まず最初に発見したのが、オランダ発のエシカルスマホ、Fairphone(フェアフォン)
コンフリクト・フリーなうえ、可能な限りリサイクルされた材料で作られており、一番の特徴は、長期間使用されることを前提としたつくり。一部の部品が壊れてしまった場合、そのパーツごとに取り寄せ交換できる仕組みになっているそうです。
必要なパーツごとに交換して使い続けることができれば、そもそもスマホを頻繁に買い替えてデバイス自体を大量消費する必要がなくなるので、資源の節約にもなりますね。

ただ、現時点ではヨーロッパ地域内のみの発送となること、何かしらの手段で手に入れても、そのやりとり自体に長距離輸送が必要となってしまうこと、あとは実際にわたしが住んでいる地域で使用するにあたって問題なく使えるかどうか保証がないこと、など諸々考えると難しいな、と。

結局、iPhoneにした

やっぱり使い慣れていて、ガジェット音痴のわたしでも使えるiPhoneはどうなんだろう?と、あらためてApple社のWebサイトやいろいろなニュース記事を読んでみました。

Apple社のWebサイトには、サプライヤー責任についての詳細が載せられていました。
サプライヤーとは、仕入れ先や供給源のことで、例えば商品がiPhoneだった場合、そのiPhoneが作られるために必要な資材や部品、原材料などを供給する供給者のこと。Appleは厳選な監視下の元、このサプライヤーにも責任を持って対応しており、サプライヤーへの教育・トレーニングも行っているとのこと。「製品に使われる素材、製品を組み立てる人たち、製品寿命を終えた製品のリサイクル方法を含む、Apple製品のライフサイクル全体に責任を持っています。」とあります。

また、販売している製品ひとつひとつの「環境報告」がみれるようになっており、たとえば私が購入を検討している機種だと、3TGのひとつであるタングステンは99%が再生されたものである、など。

Apple社は非人道的犯罪や虐殺を終わらせることを目的とする非営利団体であるEnough Projectが調査した、コンゴ領域の紛争鉱物の不使用度ランキング電子機器企業部門で2017年に1位だったようです。
また、現在Appleで使用している3TG(金、タングステン、タンタル、スズ)についてはすべてコンフリクト・フリーの精錬所から供給を受けていると発表しています。

もちろん、わたしが調べられる内容だけが全てではなく、もっといろんな影響や事実があることはわかっています。それに、これだけの大企業が本当にエシカルな側面だけからこういった人道的配慮を目的とした対策を行っているとは思っていません。

ただ、何も考えずに購入に至るのではなく、自分なりに考え調べ納得したうえで消費活動を行いたい。今回は、今現時点で確認できたApple社の報告内容と、自分が可能な購入環境より、新しくiPhoneを購入することに決めました。

購入してから・・・のこと

購入してしまったらそれで終わり、ではなく、サスティナブルに消費し続けることも考えるのも大事だな、とおもっています。

まずは、これまで愛用していたiPhoneはApple Trade Inでリサイクルに出すことにしました。状態が良好であれば新しいユーザーに届いたり、良好でない場合はAppleのリサイクルプログラムのパートナー会社に送られるか、Appleの分解ロボットであるDaisyによって、内部の資源や素材をより多く回収しリサイクルに回すそうです。
また、新しいiPhoneはできるだけ長く使い続けられるように丁寧に扱っていきたいと思います。バッテリーについても、充電しながらの使用は避けるなどしてできるだけ長持ちさせるための工夫を習慣化したいと思っています。

昔だったら、ただ流行にのって、とかプロモーションでお得だから、という理由で選んでいたケータイですが、今回の購入ではこれだけいろんなことを考えて納得したうえで決めることで、これまで以上に愛着をもって使うことができるかな、と思っています。








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