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「古文が好きになるまで受験生にとことん向き合う」河合塾・太田先生の「授業」に臨む姿勢

大手予備校の河合塾で古文講師として活躍されており、大学の生涯学習講座でも教鞭を取られている、太田善之先生。

受験生たちの「古文が好きになった!」という声を聞くことが何よりの喜びだと言います。90分の講義を終えたあとも受験生からの質問に熱心に対応し、気付いたら2時間以上経っていることもよくあると言います。

1日の講義を終えても、次の授業の準備で数時間机に向かうため、常に集中力は欠かせないと言います。

そんな太田先生が、日々長時間に渡り頭と体をフル回転させる秘訣について伺いました。

Ramune Method #10 太田 善之
授業=ライブ会場を全力で盛り上げる、エネルギーの源。

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太田 善之
千葉県出身。大学院修了後、大学の非常勤講師を経て、大手予備校の河合塾の古文科講師として勤務。担当講義は東大・早大クラスか ら中堅私大クラスまで幅広い。古文が苦手だった自らの経験を元に、必要最小限の知識による論理的読解や古語の持つニュアンス をわかりやすく解説する指導には定評がある。年に数回、NHK学園の生涯学習講座や東京都立大学のオープンユニバーシティで古典文学の講座を担当するなど、受験生以外の幅広い層に対しても古文を教えている。

「現代語訳ではわからない、古文のニュアンス」の楽しみ方

ー 古文といえば、古語特有の読みづらい印象が浮かんできます。生徒でも楽しんで学べるようなコツはあるのでしょうか?

文法や単語を詰め込む学び方だと「現代語訳はできたけど、内容はわからない」状態になることが多いです。片っ端から品詞分解するのではなく、生徒が身近に感じられる"物語"として読めるように工夫することが大切だと思っています。

例えば、単語の「よばふ」は訳すと「求婚する」を意味します。受験生からすると「求婚する」という言葉は重たい印象になりがちです。でも当時の言葉の意味としては「飲みに行かない?」のような、デートに誘う一歩手前、くらいのニュアンス。

こうした現代語訳からは伝わらないニュアンスの差を、噛み砕いてわかりやすくすることが、大切だと思います。

よく生徒に言うのですが、古文の和歌もノリが軽くて言葉が重いんです。僕も受験生時代は古文が苦手だったのですが、古文や古文の和歌のニュアンスを捉え、昔の人の考え方や物語を身近なものに感じ取れるようになってから、面白さに気づきました。

また、学ぶ時間のメリハリも大切だと思います。

例えば私は「今から20分間文法を話すよ」と、90分の授業時間を短く区切ったりします。すると生徒たちは「じゃあこの時間はちゃんと聞こう」とスイッチを切り替えて、集中しやすくなります。

他にも絵で描いてみたり、雑談を挟んだりして学びに緩急をつけることも心がけていますね。

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ライブパフォーマンスのように授業する

同じテーマの授業を複数の校舎で教えていますが、実は全体の3割くらいは、その時々の教室や生徒たちの雰囲気によって変えています。各校舎によって生徒の反応が異なるからです。

授業中は、その場にいる生徒たちが面白がってくれるところを探ったり、様々な角度で飛んでくる質問に臨機応変な返しをしたりと、常に神経を研ぎ澄ましています。

ある意味、アーティストのライブパフォーマンスに近いかもしれません(笑)

ー 90分間の授業の後、生徒たちの質問に2時間以上答え、それ以外の時間で授業の準備をされているんですよね。常に体力や集中力を要すると思いますが、ハードスケジュールをこなす秘訣は何ですか?

やはり、エネルギーをきちんと補給することですね。私は授業が12時半過ぎに終わって、その後生徒からの質問を受けていると、大体15時をまわります。そうなると、お昼ご飯を食べる暇がないことも多いです。

かといって何も食べずに90分間教壇に立って話し続けようとすると、エネルギーが切れて頭が回らなくなってしまいます。そんなときのために、森永ラムネを持ち歩いています。

森永ラムネは暑い日に持ち歩いても溶けないので携帯しやすい上、授業の前、校舎のエレベーターに乗っている間に2、3粒口に入れると、教室に入る頃にはもう溶けていて、すぐ話し始められるので魅力的です。

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授業後は、生徒の質問に臨機応変に対応する瞬発力も重要です。そのためにも、エネルギー切れにならないよう積極的にぶどう糖を摂るようにしています。

家で夜遅くに次の日の授業の準備をするときも、気持ちを切り替えるために森永ラムネを1粒口に入れてもうひと頑張りできます。森永ラムネは、僕が塾講師をする上で必要だと思う、持久力と瞬発力の源だと思います。

ー 最後に、今も目標に向かって頑張っている受験生に、メッセージをお願いします。

今年は新型コロナウイルスの影響もあって、現役生も浪人生もみんな「勉強し切れていない」「遅れている」という感覚を持っている人が多いように思います。

しかしそれは皆同じ。自分だけがハンデを背負っているとは考えず「みんな同じ状況だからこそ、頑張れば点数は伸び続けるはず」と考えて、最後まで諦めず、目標を高く掲げてください!


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