時間をお金で買う

経営者や株主は、時間をお金で買う。

労働者は、お金を時間で買う。

この2つが資本主義における企業内の活動の本質だ。


多くの労働者が経営者(や株主)に敵対意識を持っているらしいが、自分からお金を得るために労働を投入するというポジショニングをとっているのに、調達も含めれば実質的に無制限にあったり価値が伸縮するお金を握っているポジションである経営者(や株主)に対して敵対意識を持つのはお金のリテラシーが低すぎないか。

それでいて、労働者は一般的な消費を様々な場面でしている。お金でモノ・サービスを購入したり消費すること、例えば家を購入することなどは、自分では家をたてる能力や意思が無いから他の人にやってもらうことにお金を払っているのである。コンビニで弁当やコーヒーを買うのも、自分で作るのは手間だったり荷物になったりするからそれを回避するために他の人が作ったものをお金を払うことで手に入れている。つまり、労働者は他の労働者の労働をお金で買っている取引を日常的にしているのである。

その取引関係の事実があるのに、労働者が自分は時間を差し出してお金を得ている関係と、自分がお金を払って他人の労働を買っている関係とに気が付かないと、経済の循環の仕組み(広い意味でのエコシステム)を理解することはできない。

その仕組みを理解できていないと、経営者、ひいては株主という立場において資本主義の恩恵を受ける立場の利点を理解することは本質的にできない。


ここで投資家として有名なウォーレン・バフェットを取り上げると、彼は数々のインタビューの中で、「Money has no utility for me, time does.」と発言している。

この発言の本質は、彼は時間の有効な使い方を知っていてその実現に向けて必要だったりそうでなかったりするツールとしてお金を捉えていること、そして、資本主義においてその「資本」主義という言葉そのものが表す資本を効果的・効率的に増やすという仕組みの中での投資家というポジショニを取ることが賢いと知っていること、この2つを表している。


投資の本質は、レバレッジである。

レバレッジとは、労働を通して時間を誰かに提供することでお金を得ることに自らを投じるのではなく、他の人をお金で働かせることである。

例えば株式投資であれば、ある企業の発行する株式を保有することで、労働者(や経営者)は株主のために働くという資本主義において構築された仕組みの恩恵を受けられることになるのである。


仕組みを知っているか知らないかだけでつけられる差は、本来はコモディティ化してしまうものだが、日本を中心に学校教育は労働者生産のために作られている部分があることから主に生じるファイナンシャル・リテラシーの低さを引きずったまま生きるバカが多いため、それが賢い人の中ではコモディティ化するが世の中の人員のポートフォリオ的には大多数であるバカの間ではコモディティ化がなされていないままである。

個人的には、自動でポートフォリオ運用をするサービスとして広まりつつあるWealth Naviといったものは、リテラシー向上には全くと言っていいほど寄与しないためクソだと思っているが、何よりもWealth Naviの代表の人の頭の固さには驚くばかりで、50年後に日本円が存在(存続)していることを所与として捉えているほどバカで反吐が出そうになる。あんなサービスにFinTechの本質は存在しないと個人的には考えている。少なくとも自分は利用しない。


(資本主義の中で生きたいのであれば)ファイナンシャル・リテラシーを高めよう。そして何より、自分の時間が有限であることから発生するutilityを意識して、楽しく賢く生きよう。





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