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私が経験した婚活と出会った紳士たち~最終話 支払いは1000円でいいよ

私は結婚相談所のシステムを使って成婚に至りました。会員6カ月間で出会った方たちのエピソードや、お断りした経緯など思い出せる範囲で書き残しています。一部有料記事になりますことからマガジン内にあるプロローグをご一読いただきご検討くださいませ。

婚活界隈の方のお役に立てれば幸いですが、恐らく人とは違う経験をしておりますことから、エピソードとしても楽しんでいただけるかと思います。今回は第六話になります。

第七話 支払いは1000円でいいよ


不覚にも物足りなさすら感じてしまった

ついに最後の7人目の殿方、Gさんは40代前半、小柄な方で眼鏡をかけておりました。横浜で待ち合わせ、近くのイタリアンで食事をし、駅改札前で解散、その際にお食事のお支払いについてお伺いしましたら「1000円でいいよ」とのお言葉が唯一覚えているGさんの印象でございます。

良くも悪くも本当に印象の薄い方で、でも本当はそれこそが結婚相手として考えさせていただくのが良かったのかもしれませんが、何せ他の方々の強烈な印象が当たり前になっていましたので、不覚にも物足りなさすら感じてしまっていたのです。

7人目の方とのお見合いが終了しましたのが入会してすでに5カ月が経っていました。その頃にはもう私は誰かと会うことに疲れ果ててしまっていて、送られてくるお見合い申し込みのプロフィールを見ることすらやめてしまっていたのです。必ず結婚相手を見つけると息巻いて高い入会金を払ったのに、人と会うことすらできなくなった自分が情けなく、私はその現実から逃げるように一人フィリピンのセブ島へ旅立っていったのでした。

現実から逃げるようにセブ島へ

セブ島では一つだけ目的がありました。それはスキューバダイビングのCカード取得でした。古めかしくリーズナブルなコテージタイプのホテルで、目の前にある海から船で出発し講習を受けることができるとのことで、そのツアーに参加させていただいたのです。

私が参加する講習チームは女子大生三人組、一人旅で来ていた30代女性A子さんと私の5人でした。小さなホテルですが一応食事付きで、カフェタイプの食堂には時間になると皆さんが集まってきます。なんとなく私とA子さんは一緒に食事を共にすることとなったのですが、そこへもう一人「私も一緒にいいですか?」と声を掛けてきた女性がいたのです。20代のB子さんはダイビングの講習を受けに来ている人ではなく、この小さなホテルに女一人旅で訪れていました。

A子さんは色白で物静かな感じの黒いロングヘアが印象的な女性でした。そしてそれとは真逆のような方がB子さんで、栗色のセミロングヘアは片耳にかけていて、着ている服はファッション誌から飛び出したような雰囲気の方でした。社交的なB子さんがいつも私たちの会話の中心となっていたのは言うまでもありません。そして恋愛や男性に関するあれこれがとにかく詳しく、私も何かとご注意を受けながら学ばせていただいたのをよく覚えています。そしてB子さんの言うことは、あながち間違っていなかったと今になって感慨深い気持ちで受け止めております。

私たちが朝から夕方までダイビングで海に出ている間、B子さんがホテルで一人何をしていたのかはわかりませんが、私たちが海から戻ってくるとB子さんは待っていましたと言わんばかりに出迎えてくださっていました。毎晩3人で集まっておしゃべりを楽しんでいましたが、あるときB子さんが空港近くのホテルにカジノがあるのでみんなで行ってみようと提案してくださいました。ちょっとおしゃれな服を着てタクシーに乗り込みます。私はギャンブル自体をやりませんのでカジノも初めての体験でした。

カジノ会場で私たち3人それぞれ個人行動をしていました。私はブラックジャックというカードゲームに夢中になっていたのですが、ふとB子さんがいるテーブルを見ると明らかにその場所に男性がわらわら集まっているのです。人気のゲームなのかなくらいで気にはしていなかったのですが、その後B子さんのいるテーブルを見に行くと、私にとってはとても物珍しい光景が目に入ってきたのです。

B子さんは男性へ何かしらの強めのアピールをされている様子でした。B子さんがお席で体を斜めに傾けS字ラインを強調したり、組んだ足を横に放り出し、胸元の谷間を豪快に解き放ち、それらをテーブルの殿方に見せつけている様子だったのです。そんなセクシーな女性がいるので自然と男の人がわらわらと集まっていた、ということだったのでしょう。B子さんは一応カードゲームもやっている様子ですが、ゲームがそっちのけなのは動きや視線でよくわかりました。

B子さんのそれらの行動について深いことは聞きませんでしたが、世の中には一晩の契り的なものを楽しむジャンルの女性がいると本などで読んだことはありましたので、もしかしたらそういう方だったのかもしれません。男性のあれこれのことや恋愛のあれこれに詳しかったのはそれだったからなのかなと思いました。

旅行最終日の夜でした。なんとなく気持ちが緩んでいたのでしょう、自分が結婚相談所へ登録し人生の選択に直面しているということをB子さんに吐露していました。

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私が婚活して出会った方たちのエピソード

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