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人生初の東北旅行-飯坂温泉-

前回の続きからです。

皆さんは福島県の飯坂温泉という温泉郷をご存知だろうか。飯坂温泉は宮城県の秋保温泉、鳴子温泉と並ぶ奥州三名湯の一つであり、松尾芭蕉、正岡子規、与謝野晶子などの俳人・歌人が訪れたとされる名湯です。

今回の東北弾丸旅行では、ここ飯坂温泉に宿を取りました。最初は山形県の瀬見温泉喜至楼さんに泊まろうと考えていたのですが、ちょうど2月に福島県内の宿に宿泊すると3000円引きになる「福島来て割」という旅行支援があるのを知り、せっかくなので前から気になっていた飯坂温泉のお宿に泊まることにしました。

昭和レトロなコスパ最強宿

今回のお宿は平野屋旅館さんという、飯坂温泉駅から徒歩1分という好立地にある老舗温泉旅館です。福島来て割の適用で1泊2食付き8000円のプランが税込5000円になりました。同じく1泊2食付きで税込5500円のプランがあるので、旅行支援をやっていない期間はそちらのプランが最安となります。

「静かなお部屋が空いております」という文言、めっちゃ良くないですか?実際に泊まってみて本当に静かなお部屋でした。

18時半にチェックインし、ご主人にお部屋を案内していただきました。

木札のルームキー

部屋はまさに旅館というような感じ。まだ2月にも関わらず布団が思ったよりもペラペラで心配でしたが全然大丈夫でした。洗面所はありますがトイレは共用となっています。

見た目からしてかなり古い内線電話。飾りではなくちゃんと使える。

食事は部屋食なのですが、先にお風呂に入ることにしました。

至ってシンプルな浴室(撮影許可済)。源泉掛け流しで24時間いつでも入り放題とのことです。温度は40度くらいで長湯できるくらいのちょうどいい温度でした。
他のお客さんは食事中ということもありたまたま貸切状態でかなりゆったりと浸かることができました。ただ、宿泊者数自体そこまで多くないのと24時間入り放題なので他の人と被ることはあまりなさそうです。

温泉から上がって部屋に戻ってドライヤーしたり浴衣に着替えたりいろいろしていると、ご主人が夕飯を運んできてくださいました。

噂通りに大量の料理が運ばれてきました。机いっぱいに料理が敷き詰められた光景は圧巻。右側のお椀は普通の味噌汁ではなくて酒粕で作られた粕汁で、固形燃料を使っている中央上部の料理は豚肉と野菜の陶板焼き。画面に写しきれてないですが蕎麦もありました。
福島県産の食材をふんだんに使用した料理のようで、どれも心が込められていて美味しい。特にバカでかい茄子に味噌がたっぷりのった茄子の田楽は食べ応えありすぎで驚きました。ごちそうさまでした!

これだけの量が出てくることは事前に知っていたので、朝ごはんとお昼ごはんを抜いてお腹を空かせた状態で挑んだのですが、正直かなりきつかったです。全て食べ終わるのに1時間以上かかりました…

お腹がはち切れそうになりながら、とある共同浴場へ行くことにしました。

激熱の共同浴場に行ってみる

飯坂温泉といえば共同浴場。9つの共同浴場があり、そのどれもが200円程度で入れます。飯坂温泉は熱湯で有名ですが、その共同浴場の中でも最も熱いとされるのが「大門の湯」だそうで、その湯口温度は驚異の69℃、浴槽は50℃とかいうわけわからん温度となっています。

せっかく飯坂に来たからには50℃とかいう未知の領域を体感しておかないといけないなと腹を括って入湯しました。

昔ながらの銭湯という感じ

熱い。熱すぎる。熱さに慣れてきた最後の方でも加水なしで10秒くらい浸かるのが限界でした。10秒を超えると火傷をしたようなビリビリした感じが全身を襲います。たぶんずっと浸かっていると本当に火傷します笑

3名の地元の方が先におられ、浴槽に入りたくても熱過ぎてなかなか入れないところを見られて笑われてしまいましたね。心配されて(?)親切に加水の量を増やしてもらえましたが、最初は加水してるホースのそばに入るので精一杯でした。地元の方々はおかまいなく肩まで浸かり、おまけにこの熱湯で体を洗っておられたのでビビりましたよ。地元民強過ぎ…

大門の湯は少し高台のところにあることもあって、福島平野を一望できます。熱湯との激闘の末に見たこの夜景はすごく身に染みました。

館内を散策

まだ寝るまで少し時間があったので、館内を散策してみました。

3階。奥に浴室がある。手前の左側はお手洗い。
かなり見えにくいが手前の左側に女湯がある。
部屋の案内板も味があっていい。
お湯が湧き出るちょろちょろした音が聞こえる。
廊下は結構暗い。
4階への階段
かなり古そうな火災報知器

床がギシギシいったり、建物自体かなり年季が入ってます。築70年だそう。
昭和レトロが好きな人にはたまらないでしょうね。昭和ってこんな感じの暮らしだったのかといい勉強になりました。

ちなみにこの日はご主人以外誰一人他の宿泊者の方と出会いませんでした。確かに玄関には自分以外8名ほどの靴が並んでいたのですが、皆さんお部屋でゆっくりされていたのでしょうか。誰もいない旅館の散策は異世界に入ったような感覚がして面白かったです。

翌朝早起きして朝風呂に入るために少し早めに寝ることにしました。

おやすみなさい

朝風呂、温泉街散策そして朝食

おはようございます

5時半くらいに目が覚めたのでそのまま朝風呂に直行します。
旅館の温泉でもよかったのですが、旅館のすぐ前にある共同浴場「波来湯」に行くことにしました。

このように旅館の目の前に共同浴場があります。見た感じ少し小さめな建物ですが、温泉自体は地下にあります。この波来湯は1200年もの歴史があるそうです。建物はリニューアルされていて中はすごく綺麗でした。

温泉はぬる湯と熱湯の2種類あり、熱いのが苦手な人でも入れます。熱湯は46℃ほどあり十分に熱いんですが、昨晩の大門の湯のおかげか普通に入れました。体の感覚が麻痺しているんですかね?

朝食までまだ時間があったので少し温泉街を散策してみました。

飯坂温泉はこのように川沿いにずらっと旅館が並んでいるのですが、ほtんどが廃墟となっています。一部建物は老人ホームとして使用されているところもあるようです。

松尾芭蕉も入ったとされる共同浴場「鯖湖湯」も見てきました。今回は入浴していないですが、また次回訪れた時に必ず行こうと思います。

鯖湖湯の隣にある鯖湖神社
飯坂はいい感じの路地がいっぱい

散策しているといい感じの時間帯になってきたのでお宿へ戻りました。

朝食もこれまた豪華ですごい。ご飯お味噌汁だけでなく主菜や副菜までしっかりとあります。
昨晩の夕食でかなりお腹いっぱいになったので朝食が食べれるか心配でしたがどれも美味し過ぎてあっという間に完食しちゃいました。

朝食には飯坂温泉名物ラヂウム玉子がありました。飯坂温泉ならではの温泉玉子のようです。白飯に乗せて漬物と一緒に食べるとかなり美味しいです。

9時半ごろまで部屋でゆっくりしてチェックアウトしました。建物自体かなり古く、清掃が行き渡っていない部分もあって決して万人受けする宿ではないと思いますが、このご時世で2食付きを5000円台で泊まれる旅館は他にない唯一無二な存在だと思います。僕にとっては昭和レトロを感じつつ、お腹いっぱいに美味しい手料理を食べれる素晴らしい旅館でした。

飯坂温泉を後にします。いい宿に泊まれたし湯めぐりもできたし最高でした。またいつか訪れたいです。

旅ももう折り返し。東北弾丸旅行2日目は福島から仙台へ向かいます。
次回に続く。

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